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開催終了浮遊する在日コリアン 立命館大コリア研究センター国際シンポ

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2008年09月12日 11:06 更新

立命館大コリア研究センター国際シンポジウム 「浮遊する在日コリアン−同化と差別のなかで」

シンポジウム趣旨

近代国民国家は政治的・法的主権の確立と、文化的な普遍主義の拡散という両面をもって形成されてきた。その主権と普遍主義の名の下に「文明国家」の世界制覇は、直接暴力支配と「善意の強要」としての文明のミッションを両輪に押し進められてきた。これが日本の朝鮮植民地支配にも一貫した「同化と差別」であり、この構造が戦前戦後の在日コリアンに対しても押しつけられてきた。在日コリアンのアイデンティティと存在理由はこの構造に対する対抗の中で形成されてきたが、今日、彼我の稜線がぼやけ入り乱れる中で、在日コリアンは浮遊している。
近年、狭義の在日コリアンともいうべき韓国・朝鮮籍の「特別永住者」の減少傾向がいちじるしい。その数はすでに2001年末に50万人の線を割りこみ、かつては日本の外国人登録者数の9割前後を占めていた韓国・朝鮮籍保持者の比率も、90年頃の5割前後の時期を経て、いまでは3割(2006年現在)にも満たない。1995年以降、韓国・朝鮮籍の帰化者数が年一万人前後で推移し、一部には「日本国籍取得運動」さえ提起されている。植民地支配に由来する「民族」的存在としての在日コリアンは、少なくとも国籍上から見れば、いまや風前の灯であるといえる。在日コリアンの法的・政治的アイデンティティの消滅という重大な局面に立たされていると言えよう。
一方、グローバル化・国際化の進展とともに、日本で多民族・多文化共生が叫ばれて久しい。かつては「単一民族社会の神話」(大沼保昭)を法制面で支えてきた法務省でさえ「日本人と外国人が円滑に共存・共生していく社会づくり」を強調し、2006年には特別永住者を除く中期滞在の外国人の受け入れを人口の3%にまで拡大する方針を示している。このグローバル化は特定ヘゲモニーの下での統合という極めてイデオロギー的なものである。しかし差別と同化に色塗られた在日コリアンの歴史に照らして、マイノリティとしての存在が認められる「開かれた社会」への一抹の可能性を在日コリアンが「多文化共生」に期待したのも無理からぬところがある。とりわけ90年代以降、近代国民国家の批判的検討が進み、多文化共生論・多文化主義論などは、ある種の熱気をもって論じられた。今、それらの議論は一巡した感があるが、在日コリアンに対して、いったい何を残してくれたのだろうか。
最近、在日コリアンは、ふたつの「祖国」と日本とのはざまで、また、在日コリアンの内部におけるいくつもの亀裂のはざまで、さらには自己の内部における亀裂を抱え、生きる道を探し求めてきたという、「はざま論」が流行している。しかし、まず、この「はざま論」が在日コリアンを全方位的被害者として安住させ、主体意識を希薄にさせてきた点を警戒すべきであり、次に、その「はざま」が、ふたつの「祖国」と日本との等距離の地点にあるかのような、「公正主義」の錯視を避けねばならず、最後に、このような「はざま」は、東北アジア現代史において、在日コリアンだけが向き合ってきたものではなく、冷戦と朝鮮半島分断という状況の中で、多かれ少なかれ東北アジアの民衆が経てきた「はざま」であることを想起する必要があるだろう。
在日コリアンについては、これまではざま性だけが主に注目され、主体としての在日コリアンは余り問われてこなかったし、日本という埒を超えて、在日コリアンを東北アジアの現代史に位置づける試みは希であった。例えば、在日コリアン社会はどれほど脱植民地化し、戦後補償・過去清算にどれだけ取り組んできたのか? 在日コリアンにとって民主化とはなにか? 統一や東アジア共同体という未来構想と在日コリアンとの関係性は? などの問題がある。
今回のシンポジウムでは、そうした在日コリアンを取り巻く劇的な変化についての言説を徹底的に検証し、国民国家日本という枠組みの中で論じられがちだった在日コリアン論の前提を問い返し、在日朝鮮人のもつ問題の深淵を探っていきたい。

日時: 2008年11月14日(金)、15日(土)
場所: 立命館大学朱雀キャンパス5F大講堂
主催: 立命館大学コリア研究センター
参加費: 無料
助成: 韓国国際交流財団、在外同胞財団(予定)
プログラム

11月14日(金)  
開会式  
(10:00〜10:15)
 開会挨拶  徐勝 (立命館大学コリア研究センター長)
 来賓挨拶  權寧建(在外同胞財団理事長)

第1セッション 米占領下の在日コリアンと民族運動 (10:15〜12:30)
司会:水野直樹(京都大学)
?「GHQの在日コリアン政策」     ナンテ・サイモン(立命館コリア研究センター客員研究員)
?「米占領下在日コリアンの運動と祖国認識」   小林知子(福岡教育大学)
?「4・3事件を逃れてきた済州サラム」     伊地知紀子(愛媛大学)
?「大村収容所−難民としての在日コリアン」   玄武岩(北海道大学)
  討論:藤永壮(大阪産業大学)、鄭栄桓(一橋大学大学院)、李玲京(立教大学大学院)

第2セッション 南北分断体制下の在日コリアン(14:00〜16:15)
 司会:李泳采(恵泉女子大)
?「在日朝鮮人運動の路線転換」       秦熙官(仁済大学校)
?「1950年代の在日コリアン在日コリアン社会と帰国運動」
テッサ・モーリス‐鈴木(オーストラリア国立大学)
?「在日コリアン社会における分断体制の暴力性とその実態」 林哲(津田塾大学)(仮)
?「在日コリアンと祖国統一・統一運動」   金栄鎬(広島市立大学)
  討論:滝沢秀樹(大阪商業大学)、鄭根珠(早稲田大学)、康宗憲(立命館大学コリア研究センター特別研究員)


第3セッション 脱植民地・過去清算と在日コリアン (16:30〜18:45)
司会:杉原達(大阪大学)
?「在日朝鮮人社会と親日派」             朴漢龍(民族問題研究所)
?「日韓会談と在日朝鮮人の脱植民地化」        太田修(佛教大学)
?「在日朝鮮人と戦後補償運動−日本軍慰安婦問題の場合」宋連玉(青山学院大学)
?「強制連行真相解明運動と在日朝鮮人」       姜徳相(滋賀県立大学名誉教授)
討論:金英姫、飛田雄一、板垣竜太(同志社大学)

レセプション  (19:00〜20:30)

11月15日(土)
第4セッション 在日2世、3世の時代とアイデンティティ (10:00〜12:15)
 司会:朴一(大阪市立大学)
?「在日コリアンと反差別運動」     鄭早苗(大谷大学)
?「在日コリアン女性のアイデンティティ」徐阿貴(   )
?「在日コリアンの民族学校と民族教育」 宋基燦(立命館コリア研究センター研究員)
?「在日コリアンの生活と社会的進出」  金明秀(京都光華女子大学)
討論:金永子(四国学院大学)、金友子、鄭雅英(立命館大学)

第5セッション グローバル化のなかの在日コリアン−植民地・帝国・民族・国民・市民権                (13:45〜16:00)
司会:文京洙
?「グローバル化のなかの在日コリアン」     原尻英樹(立命館大学)
?「入管法の基本的性格と在日コリアン」     近藤敦(名城大学)
?「在日コリアンと国籍の意味」         宋安鐘(金沢大学)
?「帝国の支配と在日コリアンの市民権・参政権」 金泰明(大阪経済法科大学))
討論:玄善允(フランス文学研究者)、丹羽雅雄(弁護士)、鄭炳浩(漢陽大学校)、 

第6セッション 大討論:「在日論」再考 16:15〜19:00
司会:尹健次(神奈川大学)
 かつて自らの生き方とそれを規定する構造要因とをそれぞれが、それぞれの見方・立場をぶつけながら論じられてきた在日朝鮮人論から「論争」が消えて久しく、在日コリアンは心地よい「在日」言説にどっぷり浸かっているように見える。かつての論客は今、何をどのように考えているのだろうか。「在日論」の毒と薬は何か。「在日」を論じようとする人たち、もしくは論じ始めている人たちは、かれら・彼女らから何を学び、何を受け継ぎ、何を批判的に克服し、何を提示するべきなのか。

パネラー:徐京植、姜尚中、朴一、鄭暎惠(+李恩子、竹田青嗣、福岡安則)

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  • 2008年11月14日 (金) 〜15日
  • 京都府 立命館大学朱雀キャンパス5F大講堂
  • 2008年11月14日 (金) 締切
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参加者
1人