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開催終了《ネタバレ有》第4回課題読書会『密やかな結晶』(小川洋子)

詳細

2009年12月27日 14:34 更新

課題図書を読んで意見交換する課題読書会の第4回目です。

新規参加随時受け付け中。初読・再読問わず、途中棄権も可。もちろんネタバレ解禁後の参加も可。
感想・ネタバレ解禁しています。
遠慮せずに書き込んでいきましょう。読んでない方は不用意にコメント欄をみないようにしましょう。

イベント終了と出ているとコメントし難いと思うので、トピック上は日付を延ばしました。


『密やかな結晶』小川洋子(講談社文庫/¥720)
その島では、ある朝目覚めると「消滅」が起きている。人びとはそれを受け入れ、消滅したものに関する記憶をなくし、変わらずに生活をつづけていた。
だが、なかには消滅が訪れない人たちが存在することが明らかになり、秘密警察による容赦ない「記憶狩り」がはじまる。
そんななか、細々と小説を書いて生計を立てている主人公は、身近な人物を記憶狩りから匿うことを決意する。
うしなわれていく世界で物語を綴る彼女と、消えていく彼女の記憶を守ろうとする、消滅を知らない男。
緊迫した生活の果てに彼らを待ち受けるものは…。


引き続き、第1〜3回の参加もお待ちしています。

コメント(18)

  • [1] mixiユーザー

    2008年09月01日 11:44

    フライングで読んでしまいました。解禁までに再読します(^^)v
  • [2] mixiユーザー

    2008年09月01日 19:24

    今から探します( ̄▽ ̄;)
    と言うか早く前回の課題図書読まなくちゃ…半分から進まなくって(汗)
  • [3] mixiユーザー

    2008年09月02日 00:42

    今日職場で入手しました本
    これから読み返します!

    前回・前々回の課題がまだ手付かずですみません…あせあせ(飛び散る汗)
  • [4] mixiユーザー

    2008年09月02日 20:25

    さっそく図書館で借りました。
  • [5] mixiユーザー

    2008年09月17日 04:41

    解禁日が過ぎたので、感想を書きます。

    小川洋子さんの作品の多くには、なにかがうしなわれてゆくという共通の部分があるのですが、ここまで徹底的にうしなわれてゆくのはこの作品だけかも、と思いました。
    リボンや香水などの小物だけでなく、鳥や小説や季節、そして最後には肉体や意識までもが消滅してしまうなんて…

    地下室にR氏を匿いながら、秘密警察にさとられないように息をひそめて暮らす毎日。
    主人公が書く小説のヒロインもだんだんと追い詰められていき、逃げ場のない書き手と同じように、彼女も閉じ込められてしまう。
    この小説の存在が、よりいっそう閉塞感を増しているように感じられました。

    そうして冬に閉じ込められて、周りのものがどんどん消滅していき、ついにはおじいさんまでもがいなくなってしまう…
    今回は再読でしたが、それでも、この物語の終わりはいったいどうなるんだろう?R氏は?主人公は?
    とハラハラしながら最後まで一気に読めました。

    ラストはどんでん返し、でした。
    ああそういうことか…と納得。
    主人公は消えてしまったけれど、かなしいという感じはなくて、表の世界へ出ていくR氏の姿に、希望というか開放感を感じました。

    あれだけたくさんのものがうしなわれたのに、本を閉じて、なんだか満たされた気持ちになれるのが不思議です。

    みなさまはいかがでしたか?
  • [6] mixiユーザー

    2008年09月20日 23:36

    放置してすみません(汗)
    全編を通して、透明な色気がある話でした。
    希望というか、例えば、第三次世界大戦でもあって、荒れ果てた地球に生き残った人間みたいな、星が爆発した時の塵が集まって、新しい星が生まれるみたいな感じのラストでしたね。
    終わることは無ではないのだと。
    R氏のような人がどのくらいいるのか分かりませんが、新しい世界の物語も読んでみたいです。
  • [7] mixiユーザー

    2008年10月26日 23:13

    すべてが消滅して行く世界で最後に残ったものは?
    記憶をもった人間。
    「記憶」だけが残った。

    何は無くても、思い出さへあれば生きていける!!
      ・・・ってのはチョット違うか???

    とにかく、ワタシの「積読会」2冊目の参加は、小川洋子・著『密やかな結晶』

    あらやゆるものが消滅して行く。
    そのうえ、秘密警察の「記憶狩り」や焚書もあって、
    この本を読んでまず思いうかんだのは、ジョージ・オーウェルの『1984年』やブラッドベリの『華氏四五一度』だった。

    そういえば『華氏四五一度』でも、本をうばわれた人々が最後に行き着いたのが、それぞれが本の文章を暗記、記憶した人達が集まる世界だった。

    「小川洋子さんの作品の多くには、なにかがうしなわれてゆくという共通の部分がある」とうたこさんの書かれたように、
    「博士の愛した数式」でも記憶が失われて行く数学者が描かれていた。
    しかし、小川氏の描く登場人物達は、どのよな状況にあってもパニックに陥らず、事態を冷静にうけとめ、淡々とした生活をすごしていく。

    「わたし」とR氏がフェリーに住むおじいさんの誕生日を隠れ家でお祝いする場面が描かれている。
    世界の片隅で肩を寄せ合うように静に暮らす様子に、作者の暖かい視線が感じられるのは、
    「博士の愛した数式」で主人公が息子のルートとともに博士の誕生日パーティーを開く場面と似ている。

    それから、この小説では二人の対照的な人物が登場する。
    ひとりは主人公の女性作家、もうひとりが作家の「小説」に登場するタイピスト。

    何かがひとつずつ消滅して行く世界。
    それはたしかに異常で恐ろしい。
    しかし、その異常な状況に、他からの圧力や強制で慣れてしまう、慣らされてしまう。
    そしてその異常を異常とさへ感じなくなってしまう。
    異常な状況それ自体にもまして、それは恐ろしいことではないだろうか。
    せっかく自由の身になれるチャンスがやって来ても、今の状態が変化することを恐れる。
    外の世界に飛び出して行った時のことが不安で一歩を踏み出せなかった、声を失ったタイピストを見て、そう思った。

    それに対して主人公の「わたし」は、上からの強制に唯々諾々として従っているだけではない。
    R氏を自宅に匿い、消滅した品々を母が埋め込んだ彫刻を危険をおかして山荘まで取りにいったりと
    ささやかな抵抗を試みる。

    「小説」の中の「わたし」が最初になくしたのが「声」
    主人公の作家である「わたし」に最後まで残されたのが「声」
    何か象徴的なものを感じる。
  • [8] mixiユーザー

    2008年10月27日 15:51

    > KUNARAIさん
    なるほど〜。現実にはもっとパニックになりそうですよね。

    記憶とは、人生を豊かにする財産なのでしょう。
    パンドラの箱を開けてあらゆる災厄が蔓延しても、最後には希望が残っていると信じたいです。
  • [9] mixiユーザー

    2008年10月27日 22:13

    あおいさん
    ワタシは、「消滅」を起こしているのは秘密警察とか、それを操る権力者ではなく、人間とは別のもっと大きな存在だと思うんです。
    ただ、権力者は民衆がパニックを起こさないように記憶や記憶のある人間を排除しようとしているのではないかと思います。
    無くしたものの記憶がなくなれば、それだけ苦痛もやわらぐのではないかという独善的考えと、愚かな民衆は自分達が導いてやるのだという驕りが感じられるのです。
    アメリカ映画によくあるような、FBIやCIAとかが国家の秩序を保つ為に事件、事故を隠蔽する、生き証人を抹殺するのを彷彿とさせます。

  • [10] mixiユーザー

    2008年11月02日 19:07

    >あおいさん
    >KUNARAIさん
    ご参加ありがとうございます。ご無沙汰していてすみません!

    解説でも少し触れられていますが、秘密警察や焚書など、ナチスのユダヤ人迫害を連想させる物語ですね。
    小川洋子さんは『アンネの日記』にとくべつな思いをお持ちのようですし。

    自分の力ではどうしようもない状況のなかで、それでも心をうしなわずに命をまっとうする。
    決して容易なことではないはずなのに、最後まであきらめずにそれを貫いた主人公や、彼女を励ましつづけたR氏の存在そのものが、この物語の希望の光なのだと思いました。
    もちろん、おじいさんの存在も。
  • [11] mixiユーザー

    2008年11月03日 09:32

    うたこさん、はじめまして。
    KUNARAIです。宜しくお願いします。

    >自分の力ではどうしようもない状況のなかで、それでも心をうしなわずに命をまっとうする。

    ん〜〜、最後まで消滅しないで残ったものは「心」かもしれないですね。

    もちろん、答はひとつじゃないでしょうが、
    と言うより、答探しをする小説でもないのですが。

    「最後まで残しておきたいものはなにか」
    人それぞれで考えても面白い小説だと思いました。
  • [12] mixiユーザー

    2008年11月06日 20:18

    >KUNARAIさん
    はじめまして。こちらこそ、よろしくお願いします!

    この物語で最後まで残ったものは「声」でしたが、声というのは、心をうつして表したものだとわたしは思うので、「声=心」というふうにとらえました。

    KUNARAIさんがおっしゃるように、人それぞれの感じかたで、どんなふうにも解釈できる作品だなと、あらためて思いました。
    どうもありがとうございます。
  • [13] mixiユーザー

    2008年11月06日 21:25

    うたこさん
    「声=心」ですか。
    そうですね、だからタイピストの方が最初に「声」をなくしたということは、
    「心」、自分の心が無いということを表しているように思えます。
    確かにタイピストは男の言いなりになって、男に依存してるという感じがします。
    小川氏の短編では最近『薬指の標本』を読みました。
    そこに登場する男女の設定がこのタイピストの話と似ているなと思いました。
  • [14] mixiユーザー

    2008年11月14日 19:46

    > KUNARAIさん

    私も消失は、神?かなんかの仕業と思っています。
    そうならない人を排除するのが、良くも悪くも人間かな、と
  • [15] mixiユーザー

    2008年11月15日 12:43

    あおいさん
    >そうならない(記憶をなくさない)人を排除するのが、良くも悪くも人間かな、と

    自分達と少しでも異質なものを排除しよとするのは、人間の悲しい性というか、本能というか、
    いろいろな小説、特にSFなどのテーマになってますね。
  • [17] mixiユーザー

    2008年11月26日 19:35

    大変遅くなってしまいましたが、読了しましたので書き込みさせていただきます。

    『消滅』がくると記憶、というか心から存在が消されてしまう(物体そのものは、手放さなければ存在する)という不思議。
    そのものの存在を記憶している、いわゆるR氏側にある私に、その喪失感を当然実感出来ないものの、『「消滅」が存在する世界』はするりと入ってきました。
    しかも、主人公である彼女が、消滅の中で生み出す物語は、声を失い、存在をうしなう女性の物語。
    ガラス製の入れ子細工を見ているようでした。

    うたこさんも書かれていますが、これほどたくさんの物が失われて、それでいて満たされたような思いになるのが不思議です。
    最後の場面は、R氏が隠し部屋を出て行きその隠し部屋が閉じられるところで終わるので、暗闇のはずなのですが、何故か光に溢れているような錯覚に囚われます。
    透明な印象の本でした。

    ところで、ここからは私自身の事情ですが。
    この『密やかな結晶』は、ハードカバーで発売された時、何故か魅かれて衝動買いをして、そのまま放置(−−;)
    文庫本化された時、本屋で本に呼ばれて手に取り、買おうとした所で記憶の隅で「ちょっと待ったー」と何かが光り、家に戻るとこの本が!
    しかしそのまま放置(オイ)。
    気になりつつ、家にあっていつでも読めると思うといつまでも放置。
    今回、きちんと読むきっかけを頂けて、私としては大変良かったです。
    ありがとうございました!
  • [18] mixiユーザー

    2008年12月03日 23:53

    >りんちゃんさま
    ほんとに、あのラストは不思議なかんじがしました。
    主人公が消滅してしまって、かなしくてもいいはずなのに、なぜか満たされたような気持ちになって。

    わたしも最初はハードカバーで読みました!
    あのシックな装丁に惹かれて手にしたのですが、読み終わって、この本に出会えてよかった、と思いました。
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