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開催終了 和歌山カレー事件を考える人びとのつどい 

詳細

2007年12月02日 11:58 更新

 
「私が、なんで和歌山カレー事件の犯人だと思っているのですか?
私を犯人だとする根拠を聞かせてください。」
 
(林眞須美さん)
 
 
 9年前、1998年7月25日に起こった “和歌山カレー事件” のことを覚えてますか。
犯人として、林眞須美さんが逮捕され、一審、二審の判決は死刑でした。
今、裁判は最高裁。
林眞須美さんが犯人だという直接の証拠は何一つありません。
自供もしていません。
提出された 「証拠」 には、どれも疑問があります。
テレビや週刊誌などのマスコミ報道によって、林眞須美さんが 「おそらくやったんやろう」 と思ってこられたのではないでしょうか。
眞須美さんを 「犯人」 とする確かな証拠をあなたはあげることができますか。
「おそらく」 というような、あやふやなことで、人ひとりを有罪 ・ 死刑としてしまっていいのでしょうか。
“和歌山カレー事件” にある 「疑問」 のひとつひとつをもう一度問い直し、本当のことは何なのかを考えることが、今、必要なことだと思います。
 
 12月9日に和歌山で 『和歌山カレー事件を考える人びとのつどい』 を行います。
ぜひ、お集まりください。
 
● とき ; 12月9日(日) PM1時15分開場 1時30分開演
● 場所 ; 和歌山市民会館 (和歌山市伝法橋南ノ丁7 南海本線・和歌山市駅より歩5分)
● 電話 ; 073−432−1212
● 参加費 ; 500円
● ゲスト ; 免田栄さん / 赤堀政夫さん / 浅野健一さん(同志社大教授) / 三浦和義さん / 林眞須美さんのご家族 / 弁護団発言予定
● 主催 ; 和歌山カレー事件を考える人びとの会
(連絡先) 枚方市杉山手2−16−10
松本慶恒 (072−858−6808)
 
(春 水木)
 
 
 このコミュニティは、本件に対する賛否 / また死刑制に対する賛否両論を歓迎します。
その一環として、このトピックを作成しました。
 
(法務省のサイトに、ご意見などの専用eメールとFAXがあります。
webmaster@moj.go.jp
03−3592−7393
 
 死刑の執行は国会閉会中に行われるので、今の臨時国会閉会後にも予想されます。
去年はクリスマスに執行されました。
法相が判を押したら、その日から5日以内に処刑されます。)
 
(war.)
 

コメント(12)

  • [1] mixiユーザー

    2007年12月01日 04:27

    多くの参加を期待してます
  • [2] mixiユーザー

    2007年12月07日 15:07

     
     ありがとうございます。
     
  • [3] mixiユーザー

    2008年03月08日 16:55

    かたつむりの会の坂口さんのご報告です
    12/9和歌山カレー事件を考える人々のつどい報告
    七十名を越す参加者!
    真犯人は名乗り出て欲しい!

    12月9日「和歌山カレー事件を考える人々のつどいー真実は明かされたのか?」
    が行われた。
    昨年から今年、「林眞須美さんを支援する会」が大阪で支援集会を行ってきたが、和歌山で行われたのははじめて。主催はこれまで、大阪での集まりに参加してきたものの有志が集り大阪で会合を持ってきた。それに「支援する会」「あおぞらの会」が一緒になって「和歌山カレー事件を考える人々の会」とした。今年8月からはじめた和歌山でのびらまきで、和歌山現地ではいまなお事件については敏感で、今も風化することなくあることを感じていた。集会の名称、主催者として「支援」とはっきり出さず「考える人々のつどい」とした。実質集会の中身は「支援」そのものではあったのだけれど。ぼくたちには和歌山には呼びかけることができる運動のつながりのある人たちはいなかった。あおぞら通信やチラシを送付したりネットで呼びかけたり、できることはしてきたけれど大阪近辺の僕たちの知人、友人だけの小さな集まりになるのではと覚悟していた。ところがこの日、予想ははずれ、70名を越す人が集ってくれた。和歌山からも7名の参加があった。東京はもちろん埼玉や岡山からも来られていた。用意したテーブル席からあふれイスのみとなった人たちがたくさんいた。
     集会は休憩をはさんで二部構成で行われた。一部では先ず三浦和義さんから、眞須美さんに激励の手紙を書き送ったことへ接見禁止が取れた直後の眞須美さんから発信第一号としての手紙が届いたことから手紙のやりとりが始まったこと。状況証拠だけで有罪としてよいのか。眞須美さんの冤罪であることを確信している、眞須美さんの命を支えたいと話された。最近眞須美さんに面会にはいったツクイさんから、いつも子供さんのことを心配している眞須美さんの近況が話された。そして面会に足を運んで欲しいと訴えた。免田栄さんから死刑確定囚から再審を闘われ無実を勝ち取ったご自身の体験を話された。そして「死刑のことを考えてください」と訴えられた。赤堀政夫さんもあいさつされた。事件のこと捜査のこと裁判のこと。そして、「林眞須美さんは自白調書がないと聞いています。
    また、裁判所が事実認定した証拠にも、大きな疑問があると聞いています。実に疑わしい事件だと思っています」そして「私は無力ですが、眞須美さんのため、経験を生かして何らかの力になりたいと思っています」としめくくられた。
    浅野健一さんが「人権と報道ー今も続く犯罪加害の犯罪」というテーマで、人権のために報道があるという立場から今も続いている「犯罪報道の犯罪」について話された。「和歌山カレー事件」とのかかわり始めたときのことが話された。98年の7月25日事件は起きた。8月25日に朝日新聞が「園部住民 保険金詐欺」の記事が掲載されてから林さん夫妻への「別件有罪視、悪人視報道」は始まり、報道陣が林家自宅の周囲を取り囲んだ。(面白く聞いた話として「最近、大事なものを書くとき朝日を使う。」大阪府知事候補として橋下弁護士の記事を載せたのも朝日だった。「朝日」という「信頼」を利用している。「朝日」もそんなものなのなんやと。一方で大阪産経は逮捕時以外は林家から百mの距離をとっていたとか。)記者らは脚立を塀に立てかけ林家の内部を見る。郵便物を勝手に見る。ゴミをあさる。塀に上る。屋根に登る者もいたとか。その年の9月になって林家に行き「連絡を」と書いた手紙をポストに入れた。その日の夕方に電話があり話をした。河野義之さん、弁護士の木村哲也さんに連絡した。ご自身の教え子が記者として林家を取り囲む報道陣の中にいた話とか、当時のスライドを使って、どんな状態だったのか理解できた。報道されたビデオを裁判所の提出命令にマスコミは自分からすすんで従ったこと、その過去に犯した自らの罪をきちんと検証するべきだとこの日取材に来ていた報道陣に向かって話された。
  • [4] mixiユーザー

    2008年03月08日 17:05

    二部は林健治さんのあいさつから始まった。逮捕後の取り調べのこと、一生子供にはあえないぞと脅されたこと、眞須美さんから自白が取れないと判断した検事は健治さんに「眞須美にヒ素を飲まされたといえ」と勝手なストーリーを作り供述を強制しようとした事など話された。そして、健治さんは、自分は眞須美さんをかばっているといわれるが、かばっているのではない。擁護しているのではない、やっていないから言っているのだと、話された。
    この日全員5人の弁護団が参加していた。主任弁護士の安田さんがスライドを使って分かり易く事件のこと、裁判のことを話された。今、上告趣意書を提出している。上告して3〜4年で判決が出ている。その前に弁論があるがそれまでに無実を訴える補充書を提出していく。印象にのこったことをあげてみると、
    ●一審の判決文は938ページもの膨大なものだった。それだけの言葉を使わなければ「犯人」と言えなかったこと、直接的な証拠が挙げられていないということを示している、と。
    ●女子高生の目撃証言がある。カレー鍋は二つあった、東鍋と西鍋。(眞須美さんが)鍋を開けているのをみたという女子高生が見た鍋は、ヒ素が入っていない西鍋だった。亜ヒ酸は東鍋に入っていた。それを眞須美さん有罪の目的証言としていることが問題。
    ●女子高生はタオルを首に巻いた白のTシャツを着ていた眞須美さんを見たというが、事件当日、眞須美さんは黒のTシャツを着ていた。タオルは持っていかなかった。そういうことから、女子高生は別な人物を見ていたのではないか。女子高生の目撃証言は眞須美さんの無実を証明する重要な証言ではないか。
    ●眞須美さんは一人でカレー鍋の見張りをしていたのではない。次女とずうっと一緒だった。次女はそのことを証言したが、「親子だから信用できない」とされた。
    ●カレー鍋、祭り会場から見つかった紙コップ、実弟から提出されたヒ素、自宅の流しの下のポリ容器から見つかった四つのヒ素が同一であることをスプリング8を使って証明したとされる。でもそれは不純物が同じだということを言っているにすぎない。自宅台所から見つかったとされるポリ容器には疑問がある。家族の誰も見ていない。普段子供達が弁当をつくっている。そんなところに他の食材と見間違うような亜ヒ酸を置くだろうか。それに自宅への捜査が始まって4日目に見つかったとされているのも疑問だ。90人の捜査陣が何故4日目にならなければ見つけられなかったのか。
    おかしいではないか。狭山事件での万年筆のことがある。同じ事が行われているのではないか。
    ●さいごにこれは本当に「毒カレー事件」なのだろうか、と安田さん。ヒ素は四つあった鍋のうち一つにしか入れられていない。何故四つの鍋に入れなかったのだろう。なぜ一つだけなのか。被害者は不特定の住民。一部の人でいい。全員でなくていい。被害者は誰でもよかったのではないか。カレー鍋に入れられた亜ヒ酸は135gと推定されている。人を一人死に至らしめるのに必要とされるのは耳かき一杯だという。犯人は、亜ヒ酸の恐さを知らない人物ということになる。
    そうだとすれば、これは「食中毒偽装事件」ではないか。自分で飲んでその恐さを知っている健治さん、眞須美さんではない誰かが起こした「傷害致死事件」であると。「真犯人は名乗り出て欲しい」「2008年7月25日には時効が成立する」と安田さんは訴えた。       
    (坂)
  • [5] mixiユーザー

    2008年07月19日 09:43

      和歌山集会 2008年7月20日
    日本の刑事法廷は「自白調書」を主座にすえ、公判維持を行なう。
    たとえ、起訴後に罪状を全面否認しようが、「自白調書」がある以上、「犯してもいないものが自白する訳が無い」と、被告人の虚偽の主張としか判断されない。
     被告人が起訴されれば、どのような条件下で、どのように「自白させられたか」が、殆どが問題にはならないのが刑事法廷と言えよう。
    いや、ときとして、法廷に取り調べの刑事を証人として出廷させ、「取り調べの違法性が無かった」と「自白調書の任意性」を強調させる場面を私達は法廷で何度目撃したであろう。
     
     自白調書
    林 眞須美さんは、その「自白調書」すらない。
    そうであるにも関わらず、第一審でも第二審でも死刑判決と判断された。
    「自白調書」の存在すらないのは、当然、フレームアップが疑われてしかるべき問題だが、裁判官は、変遷する証言や、推論の状況証拠を並べ立てて、判決を導き出している。林 眞須さんを有罪とする根拠はない。
     私(赤堀 政夫)も、第一回公判において罪状(殺人罪)を、「私は殺っていません」と全面否認した。 
    そこに垣間見えるのは、誰でも、いつでもフムレームアップの犠牲となりうる可能性が秘められる。
    こうした誤判となるべき問題の根本的原因を、この集会にご参加された皆様と、いま一度確認することにしたい。

    代用監獄とその密室性
     罪となるべき刑事事件は、一般に「緊急逮捕・・・現行犯逮捕」か「事後逮捕」のいずれかである。
    逮捕後、警察の留置所に留め置かれるのは原則48時間で、その後は拘置所への移送が一般的であり原則である。
    しかしながら、現実は警察署を代用監獄として長期勾留される。
    代用監獄制度は、日本と韓国イスラエルのみであると聞くが、その「代用監獄こそが冤罪の温床」と指摘する、刑法学者 庭山秀雄氏の問題提起を想起していただきたい。
     それは拷問・誘導・強制自白書へと、「容疑者」を好き勝手に「自白誘導できる」密室状況下にあると指摘する。
    私達は代用監獄での取り調べこそ、公権力の犯罪行為と断言する。
    まさに、警察が犯人を作り上げるのである。
     
    赤堀政夫の反撃と上申書
    私(赤堀政夫)は、いまも云い続けている。
    「皆様は、私の取り調べの状況を見ましたか。誰も見ていません。取調官はひどい拷問をするのですよ」。
    「腕をねじったり」・「殴ったり」・「便所へも行かせてもらえませんでした」。「仕方なく、私はオシッコを漏らしたのですよ」と、何度ほとばしるよう訴えたか。
    「では、その実態を上申書として裁判官に書きましょう。アリバイのこと、そして、拷問の事、警察・検察の『強制自白書』を意図的に反復させられ、その上、取調官に無理矢理にペンをにぎらされ、強引に腕をつかまれ、その『自白調書』に名前のサインをさせられたことを・・・」等々、私達は反撃攻勢とでた。
    こうして、上申書での訴え作業へと転換した。
    赤堀政夫の無実の叫びや、怒りや、悔しさや、真実究明への訴えは、まだ、昨日のことのようである。
    「留置所の私(赤堀政夫)を誰も見ていた人はいない」と介護者へ訴え続けられておられる。
    「私は解っていますよ」では、いまも納まりが着かない。
    つまり、「赤堀闘争」は終結していないと云って過言ではない。

    裁判員制度
    2009年5月21日から、裁判員制度が導入される。
    裁判員制度は、市民参加で刑事法廷維持がなされるが、それは周知の事実として市民的な話題となっている。
     だが、上記で述べているように、「代用監獄の密室下での取調べ『自白調書』」・「取り調べの全面可視化(ビデオ・録音)は法的義務化とされていない」・「四~五日で結審させる公判の拙速性」・「警察発表と市民的好奇心とのみで事件報道するメディア」が、今後どれほどのフレームアップを引き起こすか。それゆえ、体験した側として、裁判員制度は断固として否定する。

    ★ 林 眞須美さんへ激励の文通・面会を求めています。
    住所・・・534−8585  大阪市 都島区 友淵町 1−2−5
    林 眞須美様
    2008年7月20日  元無実の死刑囚 赤堀 政夫 同介護者 春 水木。


  • [6] mixiユーザー

    2009年04月20日 00:00

     
    『人権と報道 今も続く犯罪加害の犯罪』
    (講演原稿 転載
    http://mixi.jp/view_event.pl?id=25615165)
     


     日本のマスメディアには多くの閲覧があるが、刑事事件にかかわる報道に最大の問題。
    捜査段階で犯人探しをしてしまう。
    当局と一体となって、市民いじめ。
    権力に介入させないで、メディア倫理を確立するという困難な作業が不可欠になった。
    警察に逮捕された人を犯人と決めつけて社会的制裁を加えるような取材 ・ 報道は、「法の支配」 を日々破壊している。

     
    (1) 「報道と人権」 ではなく 「人権と報道」
     日本弁護士連合会は1976年に出版した 『人権と報道』 (日本評論社) で、逮捕時の報道によって社会に与えた “黒い” 印象は、無罪判決の報道によっても、到底、改められることを期待しがたいと述べた上で、次のように述べた。
    「犯罪の動機や容疑者の生活など犯罪をめぐる関連事実を報道する必要があるとしても、氏名を公表することについては、その合理性を肯定することはできない。 (中略) 少なくとも無罪の推定を受けているはずの被疑者・被告人に対しては、原則として氏名を公表することなく報道すべきである、と考える」 (104 - 105頁)
     
    (2) 今も続く 「犯罪報道の犯罪」
     私は共同通信記者の3年目に首都圏連続女性殺人事件という冤罪事件に出会い、ほとんどのメディア記者たちが、捜査段階で犯人探しをしてしまい、裁判がまだ始まっていない段階で、「ペンを持ったおまわりさん」 になってしまっているのではと考えた。
    84年に 『犯罪報道の犯罪』 (学陽書房、87年に講談社文庫・04年に新版として新風舎文庫) 出版。
    スウェーデンなど北欧では、公人の犯罪を除いて匿名報道が原則であることを紹介。
     1.秋田男児殺害事件
     2.JR脱線事故
     3.甲山事件・松本サリン事件
     4.和歌山毒カレー事件 〜 犯人視報道の再犯に猛省を
     
     <和歌山カレー事件>
     和歌山市園部地区で1998年7月25日に起きた 「毒入りカレーライス事件」 に関する、地区内に住む林さん夫妻に対する 「別件有罪視・悪人視報道」 は、日本の犯罪報道の歴史の中でも最悪の報道の一つだと言えよう。
    林さん夫妻とは同年9月から面識があり、メディアによる報道犯罪を告発するための私の記述については、顕名を希望しており、本稿では二人の名前を明記する。
     この事件では、妻の林眞須美さんを本件の殺人事件で逮捕するまでに、別件の保険金詐欺容疑などで3回も別件逮捕を強行した。
    検察は殺人での起訴の際、動機を明らかにできなかった。
    検察は林さんに対する逮捕前のインタビューの番組録画ビデオテープを証拠として提出した。
    和歌山地方裁判所 (小川育央裁判長) は02年12月11日、ビデオテープを証拠として認め、求刑通り死刑判決を言い渡した。
    物的証拠がなくても死刑判決を出せるという極めて危険な判決だ。
     この事件では、朝日新聞とNHKなどが和歌山県警と二人三脚で林夫妻を犯人視した取材と報道を展開し、98年8月25日から百人を超す報道陣が夫妻の住宅を不法に包囲して、夫妻の子どもたちが就学できない状況をつくりだした。
     日本民間放送連盟 (203社) は2001年12月、「集団的加熱取材」 と規定してそれぞれ見解をまとめるきっかけとなった。新聞協会の見解は、保護されるべき対象は 「被害者、容疑者、被告人とその家族や周辺住民を含む関係者」 とし 「中でも被害者に対しては、集団的取材により一層の苦痛をもたらすことのないよう、特段の配慮がなされなければならない」 と述べた。
     毒カレー事件は、1981年に起きた 「ロス銃撃事件」 で殺人罪に問われていた貿易会社社長、三浦和義氏が98年7月1日、東京高裁 (秋山規雄裁判長) で無罪判決を受けてから、約3週間後に起きた。秋山裁判長はこの無罪判決の中で、84年の過熱報道が根拠の確かさを検討しないまま嫌疑をかける傾向にあったと述べて、異例のペーパー トライアル (新聞裁判) 批判を展開したが、和歌山ではロス疑惑に酷似した 「別件有罪・犯人視報道」 が繰り広げられた。捜査当局が強制捜査に乗り出す前に、報道が先行した点もロス疑惑報道と似ている。ロス報道との違いは、朝日新聞、NHK、共同通信などの 「正統派」 メディアが先行報道の主役を務めたということだ。
     
    (1/5)
  • [7] mixiユーザー

    2009年04月20日 00:00

    (2/5)
     
     主要メディアは別件逮捕を容認し、代用監獄を悪用した超長時間の取り調べに全く無批判だった。無罪推定の原則はどこかに吹っ飛び、弁護団が 「自白」 を妨害しているという世論までつくりあげてしまい、その後の処罰欲旺盛な世論をつくりあげることになった。
     「毒カレー事件」 後、地区内に住む林さん夫妻が、「疑惑の夫婦」 とされたのは、事件からちょうど1ヶ月後の8月25日に報じた朝日新聞の 「事件前にもヒ素中毒 関係者を近く聴取」 という記事がきっかけだった。
     その後、保険金詐取疑惑が報道されて、8月末から逮捕予告記事が何度も流れた。ついに10月4日、夫妻が 「別件」 の保険金詐取などの容疑で逮捕され、二人を犯人視する報道が繰り広げられた。とくに妻の林眞須美さんは 「毒婦」 とまで呼ばれ、一部メディアによる人格攻撃はすさまじかった。
     私は8月12日、現地へ出かけた。地元の園部第14自治会 (67世帯) の全戸の玄関に、報道陣に取材を自粛するよう求める張り紙が出たという記事を読んだからだ。 「心のケア」 を求めて、精神保健相談に出かける住民にまで報道関係者が群がっていた。朝日の 「スクープ」 で夫妻宅周辺に200人を超える記者たちがたむろしていると知って、9月2日に再訪した。
     夫妻が保険金がらみで違法行為をしたかどうかは捜査されていたが、カレー事件については逮捕もされていないから問題外だ。世の中の多くの人が夫妻をカレー事件の加害者だと疑うような報道が連日繰り広げられていることが怖い。これでは 「毒入り疑惑情報」 の垂れ流しだ。どんな刑事事件でも同じだが、まだ裁判も始まっていない捜査段階で、警察・検察からの一方的な情報によって、被疑者を悪人として断罪することは憲法で禁止されているリンチ (私刑) に当たると思う。
     94年6月に起きた松本サリン事件で、マスメディアは第1通報者の河野義行さんを 「毒ガス男」 にした。メディア各社は河野さんに謝罪し、社説などで 「捜査当局の非公式情報を垂れ流した」 ことを猛省したが、和歌山の現場を見ると、松本事件の教訓は全く生かされていないように思う。
     また和歌山の現場で取材する新聞記者は2ヶ月以上ほとんど休みを取れず、1日の睡眠時間が4時間以下という過酷な労働条件で仕事をしていた。大学で講義を聞いたことのある若い記者たちは、「考える力がなくなる」 「自分の人権を守れないで、他人の人権を考えることができない」 などと訴えた。神戸連続児童殺傷事件があった神戸新聞では、1年間で8人の記者が退社した。そのうちの1人で 『噂の真相』 に転職さた西岡研介氏 (その後、『週間文春』 に移った) は 「神戸新聞では犯人探し競争で結果的に多くの誤報があった。警察取材のあり方を根本的に見直さない限り、また間違いを繰り返すと神戸新聞社の編集幹部に訴えたが、受け入れられなかったので辞めた」 と話している。
     新聞労連編 『新聞が消えた日』 (現代人文社) という刺激的な題名の本が98年7月末に出た。
    副題が 『2010年へのカウントダウン』。2010年8月16日に 「衆望新聞」 という日本最後の 「紙としての新聞」 が輪転機を止めるという本だ。新聞労働者が敢えて楽観的な予測をすべて排除して、最悪のシナリオを選択して執筆しており、未来から現在を見て警鐘を打ち鳴らす本だ。この本の序章に、「どの新聞社も、誤って犯人扱いした市民から苦情を言われても 『警察がそう見ていたから』 などと責任を転嫁」 「前世紀の終わりに起こった一連の事件では、報道被害が社会問題化し、マスコミの信用を著しく失墜させた」 とある。「新聞労連は、新聞発行に携わる者としての規範を定めた 『新聞人の良心宣言』 を提起する一方、新聞産業として、報道被害を救済する機関づくりを強く呼び掛けたが、経営者団体の日本新聞協会の及び腰で、世紀を越えても実現しなかった」。そのため、深刻な報道被害を受けた市民が刑事告発し、警察が記者を逮捕する事件が相次いで、新聞協会はようやく重い腰を上げ、2008年、報道評議会が誕生したが、「時既に遅しだった」 と書いてある。
     和歌山では市民が報道陣の 「取り締まり」 を警察、市役所などの行政機構に要請していた。本来、市民の知る権利にこたえ、市民と共に権力を監視するべきジャーナリズムが、権力と市民から挟み撃ちにあっている現状の中で、和歌山カレー事件を検証してみたい。
     
    (2/5)
  • [8] mixiユーザー

    2009年04月20日 00:00

    (3/5)
     
    <自宅を包囲し、地域社会を破壊したメディア フレンジー (集団人権侵害取材)>
     まず、夫妻の逮捕に至った8月25日からの40日間の取材と報道を検証してみよう。
     家の前の細い道路にパイプ製の折り畳み椅子やビーチ パラソルがずらりと並ぶ。通用門のある道路の角にも報道陣が20人近く待機している。私が最初に和歌山市園部の園部第14自治会地区の現地を私が訪れた98年9月2日。マスメディアに 「疑惑の夫婦」 にされている住民の自宅の周りには100人近い報道関係者がいた。夫婦宅に通じる道路周辺に、さらに数十人の記者たちがいた。
     NHKは自社の脚立に貼ってある 「NHK」 のマークを、ガムテープで隠していた。自分たちがやっていることが悪いことだと分かっているのだろう。
     家から誰かが出ると記者やカメラ パーソンがワーッと取り囲む。誰を取材しているのかと思ったら、プロパン ガスを運んできた業者だった。家の中で何か物音がすると塀の上からカメラを突き出して家の中を撮影する。NHKは紀ノ川の堤と和歌山東署に中継車を常駐させ、民法ネットワークも中継車を置き、24時間体制で取材していた。8月25日から、夫妻の一家の日常生活は完全に破壊されている。
     「毒物カレー事件」 では、混入された毒物に関し、警察は当初の 「集団食中毒」 から 「青酸化合物」、さらに 「ヒ素」 へと変わり、加害者像がつかめないままに、1ヶ月がすぎた8月25日に、朝日新聞が 「事件前にもヒ素中毒 関係者近く聴取」 と “スクープ”。「地区内の同じ民家」 で飲食した可能性のある2人の男性が、今回の事件発生前に毒物中毒とみられる症状で入院しており、1人からヒ素が検出されたというのだ。にわかに地区内のある特定の夫妻が 「被疑者」 扱いされ始めた。朝日は連日この2人に保険が掛けられていたなどと続報。この家の妻の母親の死も保険金がらみで記事にした。情報源は 「和歌山県警の調べ」 としか明らかにされていない。警察は保険金詐欺疑惑について1度も正式な発表もブリーティングもしていなかった。
     
    <NHK鴨志田記者の調査妨害>
     夫妻への聞き取り調査でNHK記者による調査妨害があったことが分かった。ジャーナリストによる学問の自由への不当な介入である。
     夫妻が私に電話してきたのは9月3日の午後1時10分ごろだった。NHKの鴨志田郷記者 (その後、出世して米国特派員) が前夜2回電話をしている。夫妻の話によると鴨志田記者は2日午後6時過ぎに、「浅野という人が来て何かをポストに入れていったらしいが、そちらが頼んで来てもらったのか。それとも向こうから来たのか。どういう手紙の内容だったか教えてほしい。読んでみてほしい。ポストに入れたものは何か」 と詳しく取材。夫妻は、「浅野教授からはいくつか質問があり、雑誌に載せたいのでできれば答えてほしいと書いてあった」 と答え、書名とビデオのタイトルを伝えたという。
     鴨志田記者は約1時間後に再び電話をした。「うちの社で、アサノケンイチという人のことを調べてもらったところ、人間性が悪い人だと分かった。怪しい人なので、絶対に答えたり、連絡をとったりしないほうがいい。信用しないほうがいい」。
     夫妻は 「お手紙を読んで、夜にお電話しようと思ったが、NHKの人が調べると怪しい人だというので、昨夜は電話するのを躊躇した。夜遅くに、みんなで贈っていただいたビデオを見て、おかしな人ではないのではないかということで、今日になって電話を掛けさせてもらった。電話を掛けるかどうか迷った」 と話した。夫妻は私のことを全く知らなかった。
     夫妻は 「紹介者がいたので鴨志田記者らの取材に応じた」 という。NHKは鴨志田記者ら5人ぐらいで約5人ぐらいで約5時間、夫妻をインタビューしている。未放送だが、当局が強制捜査に踏み切れば放送するだろう。
     鴨志田記者という 「うちの社の調べ」 というのは、どこのセクションを指すのか分からない。NHKは私についてどんなファイルをつくっているのだろうか。受信料を支払っている者として、ぜひ開示してほしい。
     
    (3/5)
  • [9] mixiユーザー

    2009年04月20日 00:00

    (4/5)
     
    (3) メディア責任制度とは何か
     メディアが自らの責任で、報道の自由と名誉プライバシーを守るディーセンシーをどう折り合いをつけるためにつくった仕組み。メディア界で統一した報道倫理綱領の制定と、ジャーナリストが倫理綱領を守っているかどうかをモニターする報道評議会・プレス オンブズマンの設置をセットにした制度である。
     
    (4) 報道界に見られた一定の改善
     87年に熊本で開かれた日弁連の人権大会は 「原則匿名の表現に向けて」 活動すると決議した。報道される側の権利が社会的に定着し、一定の改善があった。
     朝日新聞千葉支局が88年、事件報道の 「小改革」 を発表した。また、朝日新聞などが被疑者の顔写真・運行写真の不掲載原則を決めた。報道界は89年末に 「被疑者の呼び捨て廃止」 に踏み切った。西日本新聞が 「容疑者の言い分」 報道を92年に始め、新聞協会賞を受賞した。NHKと日本民間放送連盟が97年に放送界の自主的な自律機関 「放送と人権等権利に関する委員会機構」 (BPO) を設置。「放送倫理・番組向上機構」 (略称=BPO、放送倫理機構) と改称。BPOの中に 「放送と人権等権利に関する委員会」 (BRC)。
     新聞労連は97年2月の臨時大会で報道倫理綱領 「新聞人の良心宣言」 を採択し、報道評議会設立を構想すると決めた。労連は00年9月、報道評議会原案を発表。日弁連の報道と人権調査研究委員会が、労連と新聞協会の橋渡し役を務めたが、実現しなかった。
     99年から新聞・通信社約30社に苦情対応機関が設置されている。朝日、毎日は日本独自のオンブズマン的組織と詐称している。外国のメディア責任制度とは全く違う。
     田中康夫長野県知事が2001年6月、長野県庁にあった 「記者クラブ」 を廃止。
     
    (5) 裁判員制度導入をきっかけに匿名報道主義と報道評議会を
     政府与党は 「司法改革」 の一環として、重大事件の審理に市民が参加する 「裁判員制度」 の導入を決めているが、裁判員に偏見を生じさせないよう、事件・裁判の報道規制のを行おうという動きが出てきた。司法制度改革推進本部の検討会は、「公正な裁判を実現するため」 という理由で、 裁判の評議に関する内容を裁判員やその経験者が外部に話すことを禁じ、違反した場合に懲役刑を科すことや、偏見報道をしないよう配慮を求めた規定を盛り込む方針。現在のメディア報道が捜査段階で被疑者に対して集中豪雨的な 「実名・犯人視報道」 を展開し、弁護士の選任まで妨害される 「世論」 ができあがった。公正な裁判のために報道が自己改革すべき。
     メディア企業内部の記者たちが、自らの信条に従いジャーナリズムの大道を歩むかどうか。それを支えるのは一般市民のメディアへの積極的参加である。おなしな記事、番組があったらすぐに抗議し、いい記事や番組があれば誉めること。市民が協力して、メディアを監視しているという緊張感を持たせることが今絶対に必要だと思う。
     
    <富山冤罪事件とメディア> 柳原浩さんは逮捕の時点で、報道被害を受けたわけではない。嫌疑の事件が強行犯ではあるが、被害者が負傷していないので、簡単な警察発表があっただけだ。そういう意味で、メディアが冤罪づくりに積極的に加担したわけではない。
     しかし、メディアが警察・検察・裁判所を監視していないから、柳原さんの冤罪を見抜くことができなかったと思う。
     柳原さんに起こったことと同じことが、今、誰に起きてもおかしくない状況にある。司法制度が冤罪を生んでいるのである。
     ジャーナリズムの責務は明らかではないか。捜査当局や裁判所が法律を順守して仕事をしているかどうかをチェックするのがジャーナリストの仕事である。被疑者は無実の人ではないのかと、当局者の仕事を懐疑的にみることが大事だ。
     ところが、現在の大マスコミの記者たちは、警察・検察から情報を提供してもらうために、捜査官の目線で事件と被疑者・被告人を見ている。被疑者を犯人とみなすのである。これでは権力チェックはできない。
     兵庫県加古川市の女児刺殺事件で、現場近くに多数の記者が詰めて近所から苦情が出ている。被疑者の逮捕をスクープ合戦している。「俺を刺してくれ」 と友人に伝えた記者もいる。冗談には聞こえない。
     
    (4/5)
  • [10] mixiユーザー

    2009年04月20日 00:00

    (5/5)
     
     香川県坂出市の一家3人行方不明事件でも、東京、大阪から出張してきた新聞、テレビの報道陣が閑静な農村地帯に出現した。誰が逮捕されるかのメディア フレンジーが続いた。
     『「報道加害」 の現場を歩く』 で書いたが、10年前の1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件で、メディア各社の犯人探しは熾烈だった。98年の和歌山カレー事件では、後に逮捕された林眞須美さん宅の周辺を記者たちが24時間取り囲んだ。朝日新聞が 「別件」 で 「容疑者」 報道したのがきっかけだった。林さんの子どもたちは幼稚園や学校にも通えなくなった。地域住民の生活も破壊された。
     警察よりも早く 「犯人」 を特定するために競争している。私は現役記者時代に、「私たちは 『ペンを持ったおまわりさん』 になっていないか」 と自問した。
     「ペンを持ったジャーナリスト」 になるために、北欧型の犯罪報道の導入が必要だと考えた。また、権力の監視こそがジャーナリズムに必要な姿勢だと訴えた。仲間たちと85年につくった 「人権と報道・連絡会」 は、公の権力行使に関する事案は顕名とする匿名報道主義とメディア責任制度の確立を目指して活動してきたが、いまだに実現していない。逮捕時に被疑者・被告人の実名を報道する原則を採るメディアは、調査報道を自ら放棄している。大事件が起きると、警察が誰を捜査対象にしているかをつかむのが仕事になる。誰かが逮捕されると、記者たちは一般市民の被疑者の実名や住所を調べ、顔写真を入手し、被害者のプライバシーも平気で暴くのだ。報道のあるべき姿からはますます遠ざかる。
     社会の中にメディアに対する不信が強まり、実際に報道被害を受けた人たちも増えている。そうしたメディアに対する市民のメディア批判を利用する形で、権力は90年代後半に盗聴法や個人情報保護法などメディア規制法をつくった。
     元読売新聞記者でジャーナリストの山口正紀氏は、00年の北海道・恵庭事件、翌年の仙台・北陵クリニック事件といった冤罪事件を例にして、「新聞は 『実名報道で権力チェックしている』 などと言うが、実態は 『実名報道による冤罪加担』 だ」 と指摘している。
     メディアが警察情報に依存し、先取りして犯人視報道を繰り広げ、裁判所はこうした報道で予断を形成し、弁護人が指摘した捜査の不自然さや警察による 「証拠捏造」 の疑いを無視する訴訟指揮で、「問答無用の有罪判決」 (無期懲役) を出した。
     1年半後の裁判員制度を控え、犯人視報道については、最高裁が報道界に強く改善を求めている。後で詳しく述べるが、最高裁の参事官がマスコミ関係の会合で具体的な報道禁止項目を挙げ、報道界に自主的なルールの導入を求めた。個人情報保護法の施行で権力の情報管理も進んでいる。新聞協会は特別の委員会を設けているが、従来通りの 「各社対応」 の域を出そうにない。
     また、裁判員制度導入の際に想定していなかった被害者の裁判参加が始まった。被疑者・被告人が公正 (フェア) な裁判を保障し、犯罪の被害者をサポートする報道の仕組みが望まれるのに、メディア幹部には逮捕=犯人の勧善懲悪的な報道にメスを入れるつもりはない。今こそ市民などを入れた報道評議会の設置を実現すべきだ。それ以外にメディア規制を阻止する方法はない。 (了)
     
  • [11] mixiユーザー

    2009年04月20日 19:21

    warmartさん

    ありがとうございました。
    日記に紹介させてください。
  • [12] mixiユーザー

    2009年04月20日 20:00

     
    シードルさん(11)さん、はじめまして。
    転載はかまわないと思います。
    ただ、このトピックへのリンク アドレスを付記ください。
    よろしくお願いします。
     
mixiユーザー
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