風景を軸に、光や時間、場所、そこに住まう人間の存在などへのまなざしを、写真というメディウムを介在させることで、知的で繊細な映像/思考へと結びつけてきた勝又邦彦。その多彩な仕事から選ばれた、都市をフィールドとした四つのシリーズで、本展は構成されます。 「skyline」は世界各地の都市で、建築群と空の接する「ライン=線」を遠望する連作。 「screen」は夜の都市のさまざまな壁面を「スクリーン=面」に見立て、そこに現われたイメージ=影をとらえたシリーズ。 「Hotel’s Window」は表題どおり、ホテルの客室とその窓からの眺めをめぐる作品。窓を通して「とざされた客室=空間」に去来する光の記憶は、写真/カメラというメディウムのあり方そのものを連想させます。 そして未発表の新作「cities on the move」では時間と運動というエレメントが介入します。 都市東京の一角にある小さな空間に用意された四つのステップをたどるとき、私たちはすでに、写真と都市をめぐる勝又邦彦の深い思考の空間へと導かれているかもしれません。