22日(日) 12:10〜 C 13:50〜 D 15:30〜 講演 赤坂大輔(映画批評家) ×葛生賢(映画作家)
イェジー・スコリモフスキ Jerzy Skolimowski 1938年、ウッチ(ポーランド)生まれ。詩人、ボクサーなどを経た後、アンジェイ・ワイダの『夜の終わりに』(1959)の脚本作りに参加(出演も)、これがきっかけで映画との関わりを持つ。ウッチ映画大学に入学後、同校に在籍していたロマン・ポランスキーの『水の中のナイフ』(1962)の脚本を共同執筆し、注目を集める。卒業制作の『身分証明書』(1964)で長編映画デビュー。続く『不戦勝』(1965)がアルンハイム映画祭グランプリ。自伝的色彩の濃い両作ともに、主人公アンジェイをスコリモフスキ自身が演じる。自らは出演せず、演出に徹した『バリエラ』(1966)がベルガモ映画祭グランプリを獲得した後、ジャン=ピエール・レオーを主演にベルギーで撮られた『出発』(1967)がベルリン映画祭金熊賞、国際批評家大賞を得る。再びポーランドで撮った『手を挙げろ』(1967)が当局により公開禁止処分を受け、これを機に祖国を離れる(なおこの作品は、新たにプロローグが追加され、1981年のカンヌ映画祭で初上映される)。その後、手がけたコナン・ドイル原作の『ジェラールの冒険』(1969)、ナボコフ原作の『キング、クイーン、そしてジャック』(1971)といった国際大作が批評的、興行的に失敗に終わった反面、『早春』(1970)、『ザ・シャウト』(1977)といった小品は今でもカルト的な人気を誇る。1981年、ポーランドの戒厳令布告の後、それを題材に『不法労働』を短期間で完成。『成功は最良の復讐』(1984)、『ライトシップ』(1985)では、長男のマイケル・リンドンを抜擢し、父と子の関係を描く。ツルゲーネフ原作の『春の水』(1989)の後、ゴンブローヴィッチ原作の『30のドアの鍵(フィルディドゥルケ)』(1991)の撮影を二十数年ぶりの祖国で敢行。2008年には、17年ぶりの新作『アンナと過ごした4日間』を完成。
赤坂大輔:1997年、99年にアテネ・フランセ文化センターで「ポルトガル映画講座」プロデュースする。ペドロ・コスタ、ジョアン=セザール・モンテイロらを紹介。現代映画によるメディア批判を基本姿勢とするシネクラブ「New Century New Cinema」主宰。