(1)Alice et Olivier de Moor, Saint-Bris 2004 ▼サン・ブリは、シャブリ地区の南西に位置するエリアで、近年AOCに昇格したばかり。ロワールのサンセールからたったの80kmのところにあり、ブルゴーニュで唯一ソーヴィニョン・ブランが指定品種となっている珍しく新しいアペラシオンです。アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールは、今注目のシャブリのビオ生産者で、サン・ブリの中では最も注目すべき1本。
(8)Henri Marionnet (Domaine de la Charmoise), Touraine AOC Sauvignon "M de Marionnet" 2005 ▼トゥーレーヌの鬼才と呼ばれるロワール自然派の巨匠アンリ・マリオネ。 通常のブドウ収穫よりも約1ヶ月遅く、ブドウの熟度は一部に貴腐菌がつくほど非常に進み、収穫は手摘みで行われ厳格に選別される。 1990年にゴーミョー誌において1989ヴィンテージが、サンセールやプイィ・フュメ、カリフォルニアのソーヴィニョンなど世界から集まってきた最上のソーヴィニョンを押さえ、見事1位を獲得するほどの実力。 『私のワイン造りは、第1に健康な葡萄を育てること。そして丁寧に摘むことです。摘み取った実は小さな籠に入れ、木樽ではなくステンレスのタンクに直行させます。酸化の原因を防ぎ、亜硫酸はいっさい使いません。酵母を添加したり、漉したり卵白で澱を取り除いたり、人工的な介入は全く行いません。リスクは毎年あります。今年で17年目ですが、2度も失敗しました。子供と同じで すよ。健康な子供に良い環境を与えてやる。奇跡のようなことです。』 季刊ジャーナル・ド・ラ・ソロ−ニュ誌『これはあらゆる基準から逸脱したキュヴェで、非現実 と紙一重だ!!。しかし、最も豪奢なキュヴェである。黄金色に輝き、パッション・フルーツやマルメロ、桃や洋梨、パイナップル、グレープフルーツ、バニラ、トーストを思わせるとてもフルーティーなアロマ、同時にカシス、アカシア、火打ち石の香り。そして最後にはヘーゼルナッツのアロマも感じられる素直で混じりけのないアタック。すばらしい酸とともに力強さを持ち、粘性があり、並外れた余韻。グラスが温まるにつれ一口一口変化し、舌の上に次々に表れる壮大な描写。このワインは特にすべての偉大なワインを味わい尽くしたと思っている玄人や最も識見に富む愛好家に、ゴムの矢のように働きかけて桁外れな喜びを与えてくれるでしょう。ぜひこの言葉を信じて頂きたい。このワインを見つけたのなら、1秒たりともためらわないことだ。貴方の味覚と見識を満足させるこの機会を逃すことはあまりにもばかげている。このすばらしいパフォーマンスと称賛に値する是認に対し、もう一度我々のすべての賛辞をアンリ・マリオネに贈る。』
(9)Domaine des Bois Lucas "Junko Arai", Touraine AOC Sauvignon Blanc 2004 ▼新井順子女史の名を知らないワイン愛好家はモグリである。心からそう思う程、彼女は日本にすばらしいワインを紹介してきた。そして、今やフランスで自らワイン造りを行う数少ない日本人のひとりである。(個人的にはフランスなんかではなく、日本で造って欲しいと思うのだが・・・) このワインは、テレビ朝日「スマ・ステ5」で放送された「ジャパニーズ・ウーマン・イン・ザ・ワールド」で新井順子女史が紹介された時に、稲垣吾郎と香取慎吾が乾杯して飲んだワインらしい。 まぁそんなことはどうでもいいのだが、今最も注目されるヴィニュロンであることは確か。 リアルワインガイド誌第17号『新井順子女史の進化が止まらない。本人は04年のこのスタイルにイマイチ納得できていない旨を資料に書いているが、ところがどっこいめちゃんこ美味しいではないか。フルーティで、思いっきり大地のニュアンスがあって、しっかりした味のグリップがあって、甘苦酸がくっきりして、美味しいではないか。しかし、この「しっかりした味=酒質の強さ」を本人は良しとせず、エレガンス不足と捉えているのだろう。しかし大丈夫。確かにボワ・ルカのスタイルからすると強めだが、これもありだ。なぜなら、04も大地とフルーツの共演が見事に決まっているからだ。<今飲んで90点、ポテンシャル91点>』
(10)Eurl Thierry Puzelat, Touraine AOC "さよなら pas pour tout l'monde" 2004 ▼5月30日の「さよならOttimista」ワイン会でも登場させましたが、もう一度。 少量しか生産されなかったこいつの2002年物は私にとっては比類なき至上のワイン。 多く生産された2004物は2002年物とは別物ですが、これはこれで、これがソーヴィニョン・ブラン?と驚かされた。香りだけで実際には甘くない(7)が、香りどおりちゃんと甘い安心できるワインです。
●ロワール/アンジュー/サン・ランベール
(11)Gaec de Griottes, Vin de Pays du Jardin de la France Sauvignon 2002 ▼ロワールの新進気鋭の生産者。特にシュナン・ブランは出色のワインを造っているが、このソーヴィニョン・ブランはそれとは思えない、シュナン・ブランのような味わいだという。20hl/haという超低収量。 改めて、結局のところ、ワインは産地でも葡萄でもなく、造り手が一番重要なのです。