60年代よりグラフィックデザイナーとして、イラストレーターとして、そしてアーティストとして、メディアやジャンルに捕われず、むしろその境界を横断して精力的な創作活動を続けている唯一無二のアーティスト。伝説的ロックバンド「モンキーズ」や「ジェファーソン・エアプレイン」などのアルバムカバーワークなど、日本におけるサイケデリックアート、ポップアートの第一人者として語られる一方で、今日の現代美術における「アートとデザイン」、「アートと商品」、「日常と美の関係」といった主要な問題に対して挑戦を続けてきた先駆者としても再評価されている。 近年も、自身の戦争体験や、病気による臨死体験といった人生のドラマを超えて描かれる田名網ワールドを、ペインティングや立体、そして映像作品として精力的に発表し続けており、その作品は雑誌「Wallpaper」「WeAr」の表紙を飾る等、国内外で高い評価を受けている。金魚や光線、螺旋の松、奇想的建築、少女など自身の記憶や夢の世界を描いた最近の主要な展覧会は、2009年ドイツ・シュトウットガルト国際トリック映画祭の審査員と特別プログラム上映、個展「壺中天」(NANZUKA UNDERGROUND)、2010年個展「Wandering in the Chaos-the Dreamland of Keiichi Tanaami」(華美術館、中国深圳)など多数。
伊藤桂司 1958年、東京生まれ。 京都造形芸術大学教授。UFG代表。 主に、広告、雑誌、音楽関係などの分野でグラフィック・ワーク、アートディレクション、映像を手掛ける。 コンバースキャンペーン広告で2001年度東京ADC賞受賞。ロッテルダム映画祭、「Active Wire」(ソウル:Haja Center)、「CLOSE UP of JAPAN展」(ブラジル:サンパウロ美術館)、「Buzz Club - News from Japan」(ニューヨーク:P.S. 1 / MoMA)、「KITTY EX.展」(森美術館)をはじめ国内外のグループショウに多数参加。ギャラリー360°、ArtJam Contemporary他で個展開催。これまでに、スチャダラパー、ohana、クラムボン、東京ザヴィヌルバッハ、テイ・トウワ、バッファロー・ドーター、キリンジ、野宮真貴、一青窈、ボニー・ピンク、オレンジ・ペコー、ELT、山弦、宇多田ヒカル、竹村延和、井上陽水、奥田民生、流行通信、BRUTUS、SWITCH、エスクァイア、SURFACE、FIDGET、愛知万博EXPO2005世界公式ポスター、コカコーラ・コーポレイトカレンダー、NHKの番組タイトル&セットデザイン、HOYAクリスタルとの共同プロジェクトなど、活動は多岐に渡る。