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開催終了市街劇の新たな形 portB「サンシャイン63」

詳細

2009年02月02日 13:17 更新

天井桟敷の元劇団員へインタビューで構成した
ドキュメンタリー映画『世界の涯て』を監督しました岡本和樹と申します。

僭越ながら、宣伝させていただきます。


私は、『世界の涯て』でも、
二部構成(第一部「過去」・第二部「現在」)の一部を「市街劇」をテーマにしたほど、「市街劇」への思い入れが強い者です。

天井桟敷の演劇は、それぞれの時代にそれぞれ優れた強度の作品を残していますが、実験性の面だけで評価したら、やはり「市街劇」というものの射程がズバ抜けて過激であったのだと思います。
これは、天井桟敷の歴史に留まらず、演劇史においても突出したものであったと思います。

昨年、『市街劇 人力飛行機ソロモン・松山篇』がJAシーザーさんの手によって再演されるなど、現在でもその過激性は有効であると思うのです。
(残念ながら、私はこの公演を観に行くことはできなかったのですが)


私が紹介するportBの作品は、
天井桟敷が行った「市街劇」とはまた違った市街との向き合い方ですが、
演劇を劇場から解放し、テキストから解放するという意味では、
同質の問いかけを持った作品だと言えます。



ポルトB『サンシャイン63』3月4日〜8日/11日〜15日
     (サンシャイン60を巡る、5人1組のツアーパフォーマンス作品)

    『雲。家。』    3月4日〜7日 も同時公演
      (呼応する内容なのでこちらもぜひ)

詳しくは

portBホームページ
http://portb.net/

フェスティバル/トーキョー
http://festival-tokyo.jp/



以下は、私個人が思うポルトBの可能性を書きます。
具体的なことは、体験してもらってと思うので、抽象論の私見を書きます。


天井桟敷が、観客と劇、現実と幻想、日常と非日常との出会いの偶然性を組織していったのに対して、
portBは、観客に徹底して現実を見、向き合わせる。
(と言っても、それは強制的なものではなく、見方は自由であり、見ようとしなければ見えてこない類の見せ方でもある)
その見る、向き合うという行為の中から、
今日の共時的世界の広がりや、通時的記憶や歴史を突きつけられ、
観客はそれぞれに自分が立っている位置を認識させられる。
この劇から何を読み取り、どのような一歩を踏み出すかは、
すべて観客に委ねられている。

そういう意味では、表面上の過激さは一見ないように見えるかもしれない。
しかし、日常の現実の中にこそ幻想や劇があるというのは、必ずしも、寺山さんが突きつけようとした非日常的なものだけではない。
横軸に現実の社会の大きなうねりがあり、
縦軸に現在を規定していく記憶や歴史の渦がある。
その交差地点に立脚する「私」という存在こそ、幻想や劇を共有しながら生きている主体・主人公の観客自身なのだ。


今日、大きな物語の終焉とともに、自己閉塞化ということがよく語られる。
また、一方で、ここ数年、ワーキングプアなどの問題と共に、
社会への視点というのもは多少は語られるようになってきた。

物語に溢れた世界を見ないことで自己を守るのではなく、
また、(嘗てのように)物語を自己の現実とは遊離した理想として語るのでもなく、
現実も幻想も混在した劇世界に自分は生きており、
それを実感するところから自分のドラマツルギーを構築していくということが必要なのだと思う。

そのような現実との向き合わせる糸を、portBは引いてくれるように思う。



以上は、私が観客の時に感じていたことを言葉にしました。
今回から私自身もportBに参加することになりました。

よろしくお願いいたします。

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