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開催終了民族誌映像作品を見る会

詳細

2007年04月21日 21:57 更新


日本映像民俗学の会 関西研究会

「 民族誌映像作品を見る会 」
会 場 : 京都市下京区河原町五条下がる東側「人・まち交流館 京都」3階 第5会議室

日 時 : 第1回 5月25日 金曜日 午後6時から9    時30分まで
     第2回 6月15日 金曜日 午後6時から9    時30分まで
     第3回 7月16日 月曜日(祝日)午前10    時から午後9時30分まで

1.研究会開催の趣意について

 私たちの社会には映像文化が横溢しています。しかし、マスメディアとりわけテレビにおいては、最近の関西テレビ「発掘!あるある大辞典」捏造問題に代表されるように、過剰で不適切な表象の仕方で、ひたすら大衆に迎合した既知イメージの映像が、虚実を交えて多量に消費されています。先ごろ他界されたフランスの社会学者ボードリアールが異議を申し立てたように、「消費社会」の卑猥な怪物じみた世界が私たちの日常を脅かしている事態は深刻です。
 さて私たちはここで、あえて劇映画ではなく、ジャーナリスティックなドキュメンタリー映画でもなく、殆ど市民の皆さんの目に触れる機会が少ない民族誌映像と呼ばれる一群の人文科学映像作品を系統的に鑑賞する時間を設けることにしました。これまでに、複数の文化的文脈を往還する民族学、人類学者たちは、文化の外にとどまりつつ文化を対象化するという民族誌的態度に基づき「現場では言語化されていない説明を学問的な言説に鍛え上げ、学問の世界に回収する」人文科学の営みを通して、フィールドワークの中で民族誌映画作品を作ってきました。それらの作品群は、現場の具体的な状況の中で行われる実践や交渉を、全く別の状況にある私たちのような市民や視聴者に紹介するために作られたものです。
 そこで「人間とは、何だろう」という課題を、撮る側、撮られる側、そして見せられる側が共有する問題意識として、自分の頭脳を酷使して考えてみる時間を皆さんとともに楽しみたいと考えています。
 この「民族誌映像作品を見る会」は、有志の仲間内の作品上映研究会として開催するものですが、関心を寄せられる市民各位がお誘い合わせの上で参加されることを歓迎しています。
文責 世話人 多比良建夫

2.上映プログラムについて
第1回 5月25日 金曜日 午後6時から9時30分
【 ジョン・マーシャルの世界 ? 】
 1951年から2000年にかけて、およそ半世紀にわたり南アフリカのカラハリ砂漠のジュンクワシ(ブッシュマン)の一拡大家族の生活を記録したジョン・マーシャル(1933-2005)の民族誌映画を系統的に鑑賞する。

1.『 狩猟者 The Hunters 』1958年 73分
映画館で発表された当時、一級のドキュメンタリー映画として高い評価を受けたにもかかわらず、芸術映画ではなく民族誌映画を期待していた父・ローレンスの賛同が得られなかったばかりか、後にはジョン自身が否定するに至った第1作目である。
民族誌映像を志す若い研究者たちには必見の作品でもある。若い野心的な民族学者、人類学者は、しばしば、調査地の人びとが思いもつかないような学問的流行にひきつけて、調査結果が披露されることがある。決して調査地の文脈のみに基づいて紹介されるのではない。いわば、そのような事例的作品である。

2.『 !Kung San Series-1 』1961年から1974年
 その後、ジョン・マーシャルは短いシークェンス映画を制作しながら、ルポルタージュと教育法に関するひとつの理論を開拓した。それは、短い時間に人と人との相互関係に関わる細部の出来事に集中するような映像を提示することであった。
1968年、ジョンはティモシー・アシュと共に、Documentary Educational Resources というセンターを設立して、自分たちが考えた理論に基づきシークェンス・フイルムを制作した。60年代から70年代初期にかけて20本以上の短編ブッシュマン作品が制作されている。その一端を鑑賞する。

?『 A Group of Women 』 1961年 5分
?『 Bitter Melon 』 1971年 30分
?『 Debe’s Tanthum 』 1972年 9分
?『 A Rife of Passage 』1972年 14分
?『 Meet Fight 』 1974年 13分



第2回 6月15日 金曜日 午後6時から9時30分
【 ジョン・マーシャルの世界 ? 】
ジョン・マーシャルが制作して公開した大半のシークェンス映画『!Kung San Series』は、サン族は純粋に狩猟採集生活を送る人々だとか、あるいは旧石器時代の窓であるという見解を広める一翼を担ってきた。

3.『 !Kung San Series-2 』1961年から1974年
この1950年代を通じてカラハリ砂漠のナイナイには、1200人が狩猟し、採集し、自律した自給生活を維持していた、と見ていたジョン・マーシャルの見解を、今ではどう評価するべきであろうか。これは、ジョン自身の主観と経験に依拠したものだが、しかし当時の人類学の学問的風潮をも考慮する必要がある。
 当時、人類学ではバンド〜部族〜首長制〜国家という政治社会的結合が議論されていて、これと関連した生計経済様式の進化が問題とされていた。今日の孤立した狩猟・採集という生計様式は、旧石器時代の窓としての科学的な合理性が認められていた時期でもあった。

?『 N/um Tchai 』 1966年  19分
?『 Men Bathing 』 1973年  14分
?『 An Argument about a Marriage 』1969年  18分
?『 A Joking Relationship 』 1962年  13分

4.『ナイ:クンの女性の物語
N!ai, The Story of A !kung Woman 』1980年 59分

 1958年、ジョン・マーシャルは、マーシャル一家が作った行路をたどってナイナイを訪れた警官の訪問を受けて、南西アフリカから追放される。アパルトヘルト政策下で入国を長らく禁じられ、再びジョンがサンの土地を訪れることが出来たのは20年後であった。1980年にこの作品を制作している。
 1978年、30歳代半ばのクイの女性ナイが自分史を語る。その話の中で過去30年間のクンの劇的な生活変化が示される。1950年代の映像と1978年の映像が、彼女の語りを補完している。
 この映像は、民族誌と歴史が統合されていて、クン社会の30年間における激変を語りながらも、ナイという女性個人から離れることはない。

第3回 7月16日 月曜日(祝日) 午前10時から午後9時30分
【 ジョン・マーシャルの世界 ? 】
 2002年に制作された『 A Kalahari Family 』は、5部の作品で構成される6時間に及ぶドキュメンタリー作品である。マーシャル一家とナイナイのジュンクワシ、コマ(1911-1988)の家族との半世紀にわたる関わりが記録されている。
私たちはこの6時間分の5部作を、終日かけて一挙に上映する。

5.『 A Kalahari Family 』 
 かつてジョン・マーシャルが自立した狩猟採集民とみなしていたジュンクワシの一拡大家族は、ジョンが退去させられた1年後、南アフリカ政府はナイナイを占拠し、チンクイに駐屯地を建てたことにより、追放、保留地での拘束、戦闘による混乱状態などを体験することになる。ついで、ナミビアの独立、アパルトヘルト法の終焉を迎えて、ジュンクワシたちは農民共同体の建設や伝統的土地に対する要求などと戦うことになる。

10:00-12:00  ?『 part-1 Far Country 』2002年        84分
13:00-14:30  ?『 part-2 End of the Road 』200        2年 54分
14:30-16:00 ?『 part-3 The real Water 』 200        2年 54分
16:00-17:30  ?『 part-4 Standing Tall 』 200        2年 54分
17:30-19:30 ?『 part-5 Death by Myth 』 200        2年 84分

この5部作のシリーズで、ジョン・マーシャルは自らが招いた「原始的な狩猟採集民ブッシュマン」というステレオタイプの打破に挑み、ジュンクワシたちが実施している発展計画を描こうと努めている。
 2004年4月、ジョン・マーシャルは胃がんで帰らぬ人となる。

※ 全上映作品は日本語字幕が付けられています。全上映作品について、駒沢女子大学教授・牛島巌先生が作製された作品解説を、会場にてお配りします。

《お問い合わせ先》 世話人 多比良建夫
604-0082 京都市中京区西洞院通夷川上る毘沙門町397-2
二条城東グランドハイツ401
TEL/FAX 075-213-4640
携帯電話 090-2119-4949
E-mail tahira@gold.ocn.ne.jp
3. 上映会場へのアクシス

ひと・まち交流館 京都


バス 市バス17,205号系統「河原町正面」下車
電車 京阪電車「五条」下車 徒歩8分
地下鉄烏丸線「五条」下車 徒歩10分
立体駐車場 最初の1時間400円、以後30分ごとに200円


〒600-8127
京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83番地の1
(河原町五条下る東側)
TEL:075-354-8711  FAX:075-354-8712
E-mail:hitomachi.info@hitomachi-kyoto.jp



4. 今後の上映作品予告

第4回 
【 ティモシー・アッシュの世界 ? 】

1.アッシュのヤノマモシリーズ−1
? 『 The Ax Fight 』 1971年 30分
? 『 The Feast 』 1968年29分

2.アッシュのヤノマモシリーズ−2
?『 Magical Death 』 1971年 28分
?『 Bride Service』 10分
? 『 A Father Washes his Children 』1904年15分
? 『 A man and his wife weave a hammoch 』1975年  15分

第5回 
【 ティモシー・アッシュの世界 ? 】

3.バリ島の霊媒シリーズ−1
? 『 A Balinese Trance Séance 』 1972年30分
? 『 Joro on Joro 』 1981年17分
? 『 The Medium is the Masseuse 』1983年30分

4.バリ島の霊媒シリーズ−2
? 『 Joro Takapan 』 1983年  25分
? 『 Releasing the Sprits 』 1991年  43分

当研究会の実現には、我らの日本映像民俗学の会代表であり、駒沢女子大学教授である牛島巌先生のお力添えにより叶いましたことを、感謝を込めてご報告しておきます。 


 日本映像民俗学の会事務局 担当:北村皆雄
  〒160-0014 東京都新宿区内藤町1-10―201
    Tel 03-3352-2291  Fax 03-3352-2293
            E-mail info@jefs.org

                                          

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