図書館本「今に生きる親鸞」吉本隆明著、を読了。哲学者の吉本が、独自の解釈と切り口で親鸞について平易に解説した本。先回日蓮の本を読んだので、親鸞本も読んでみた。
親鸞っていうのも、日蓮ほどじゃないけど、やっぱ現代の新興宗教の教祖的だと感じた。近代で言うなら、出口王任三郎みたいなタイプ。豪快さんで、アバンギャルド。自己否定を恐れず、逆説的な物言いを多用する。教義は、ちょっとキリスト教に似ているねぇ。キリスト教と仏教の中間みたいな?もはや仏教とは言えないような気もする。
内容をメモしておくと、
・称名念仏、阿弥陀仏の十八願。→でも、オシの人とかどーするの?(感想)
・法然は助業(善行や徳)を認める。親鸞は助業不要、お経すら不要とする。
・念仏は無心にすれば10回、いや一度でも足りる、浄土に行ける。
・浄土は本当にあるのか?親鸞ですら疑問に思う。実体としては無いだろう。
・仮仏土に行く気も養わない、と本音を漏らす。新約聖書との類似。本人にも
迷いがあるのか?人間くさいオヤジだなぁ親鸞って。
・浄土に一度行って還ってくると、初めて誰でも助けられる。今、目の前の人を
助けるかどうかはどうでも良いこと、とする。
・阿弥陀仏→色も形もない、知恵の光。手段・姿勢・素材・媒介物。非偶像的崇拝
・自ら計らず、自ずから至る。自然(ジネン)が善い→私の考えと一部似るか。
・善悪は、表に出る時誤差を生む(これは吉本自身の考えか)。表に出た善は
悪を含み、表に出た悪は裏に善がある。悪人正機とはこういうこと?
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