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2008年05月13日02:14

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イエス斬り捨て

今日は新ABCホールでファントマの『幕末殉教伝 イエス斬り捨て』の千秋楽を観てきました。WEB予約でB列、最前に補助席が出ていたので3列目でした。

注目はもちろん、勝海舟役の猫ひろしさん!!
おなじみの「ねこひろし!」の節にあわせて「かつかいしゅう!」、「かつかいしゅう!」と連呼して登場、やや観客がのってきたところで「うるさい!」と突っ込むといういつものスタイル。面白すぎる!
そこからギャグ100連発を繰り出すがことごとくスベりまくる(亀の甲より年のこうより柴咲コウ!など)。失笑気味の観客を全く無視してギャグを叫び続ける猫ひろしさん、失笑の向こう側にあるトホホなかんじが最高!(熱血ポンちゃんism)
勝海舟が目の前にいるのに、「勝先生ー!」「どこにいったー!」と頭ごなしに芝居をする岡田以蔵(保村大和)と坂本龍馬(坂口修一)に「ここにいるにゃー」と「しょーりゅーけん」をする場面だけ、少しウケていました。
それはともかく、このトホホな空間を多数の人間で共有できるドキドキ感は、猫ひろしさんの舞台でしか味わえないと思います。

保村大和さんの岡田以蔵は、彼が笑ったときにできる口の周りのシワの具合が、岡田以蔵が人を斬るたびに浮かべる笑みの不気味さを、とてもよく表現していて、ハマり役だと感じました。殺陣もカッコ良かったです(これは保村大和さんだけではなく全ての場面で)。

武市半平太役の盛井雅司さんのシワも冷たいかんじの表情の中に人情味を浮かび上がらせていて良かったです。脚本の伊藤えん魔さんはキリスト的なカリスマ性を武市半平太にダブらせたかったのでしょうね。

坂本龍馬役の坂口修一さん、山南啓助役の久保田浩さんや池田屋の女将役の牧野エミさんら、他の客演の方々も豪華でした。

全体的な話に戻ります。
この舞台は「桜田門外の変」のシーンから始まり、井伊直弼の首をアメフト風に取り合います。
ここで気づいたのですが、以前に観た『幕末狂刀伝』(ファントマ)の再演でした!
岡田以蔵らがメインというあたりで気づきそうなもんですが、猫ひろしさんが出演するということにすっかり心を奪われていて、内容のことはあまり気にしていなかったのです。
『幕末狂刀伝』の時は、岡田以蔵を浅野彰一さん、武市半平太を美津乃あわさん、坂本竜馬を同じ坂口修一さんが演じられていたと記憶しています。
で、『イエス斬り捨て』は『幕末狂刀伝』に比べて、タイトルから連想される通り武市半平太のキリスト性が強調されていたのですが、あまり内容に溶け合っていないようにかんじました。
岡田以蔵がキリスト教の聖書を勝海舟から貰って、人斬りについて悩む場面の付けたし感ときたら。
きんた・ミーノさん(おかげ様ブラザーズ)とダイナマイトしゃかりきサーカスの歌(キリスト教ものらしくゴスペル調)が大々的にフィーチュアされていたのも意見の別れる点だと思います。照明を上手く使い、歌の場面が全体の流れを妨げるようなことはなかったので、僕はありだと思いましたが、どれだけ効果的だったかというと、エンターテインメント性が多少上がったかなぁといったところです。
まぁでもそれは猫ひろしさんの存在に喜んでいる僕もいるわけで、大事な需要なのでしょう。

カーテンコールで伊藤えん魔さんが仰っていましたが(浅野彰一さん、美津乃あわさんが抜けた後の)新生ファントマの第1回公演だそうで、まだまだ手探りの印象を受けました。
今回の公演は朝日放送新社屋完成記念の「中之島演劇祭2008」の一つでした。
他の劇団と競っているのでしょうか、豪華な出演陣ということもあってか、チケット代は4,000円(前売り)でしたが、次回の公演ではもう少し価格をおさえて欲しいです。
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