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2008年03月09日07:00

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「キューバ 一つの革命の解剖」

 「キューバ 一つの革命の解剖」岩波新書、を読了。マイミクさんご推薦なので読んでみた。キューバ革命後数年の時点で、その革命史を振り返り、将来について展望した本。

 時期的に3つに分けると、真ん中の部分については、以前チェ・ゲバラの本を読んで知っていた。新しい知見は、なのでその前後にある。でも、キューバ革命に対する印象はあまり変わらず。やっぱり「偽装共産主義」というか。日本においてマッカーサーの占領軍の民政局がやったような改革を、キューバではUS財閥の支配に抗してゲリラがやった、なので日本でとは異なりUSの怒りを買った、最初っから共産主義を目指していたワケではない、という印象。

 あと、まぁ、やたら革命に楽観的な本で、日本の70年安保のムードは、これに多少影響されているのかもしれない、とも思った。素人がチョコチョコやるだけで、社会っていうのは案外上手く回るものだ、という楽観、思いこみ。今から考えると「そんなわきゃないだろっ」と思うんだけど(実際、キューバでも行き詰まったのか、この本から数年後、カストロ議長の政党はキューバ共産党と合同し、組織性を獲得した、と聴くし)。

 また、やった社会改革が、表面的には北朝鮮の施策と似ているのも興味深い。専門職軽視、軍に依る民政改革重視、等々... 時系列から言って、北が真似したんでしょうけど。でも、このキューバの手法は、衣食住のウチ食と住には困らない気候風土と、革命以前の産業的蓄積があってのこと。それが無い北朝鮮が、表面的に真似してもダメでしょ。実際、北朝鮮では失敗しているし。

 キューバがそこそこ上手くやれていたのは、環境に恵まれているのも大きな要因でしょうね。
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