｢Merry Christmas, For You...｣

ビルの隙間を吹き抜ける
冷たい風に身を縮めて
あてもなく街を歩いた　
なんとなく一人ぶらついてた

正月用の門松
めいっぱい気の早いひな人形
そして駅前のでっかいクリスマスツリー
そこら中にちらばったクリスマスセール
なんだか似たよーなラブソングばっかのクリスマスソング
声を張り上げるたくさんのカッコだけのサンタたち
ただの光の氾濫でしかないイルミネーション

何年かぶりにこの街にやってきたサンタクロースのおじさんが
あまりにも派手に変わりゆく風景を見て苦笑いしてる

夜になっても暗くならない街で
行き場を失い　とぼとぼ歩いてる

純粋な夢をこめて枕もとにぶらさげたクツ下や
レンガ造りの煙突を探して...

恋人達のひきたて役のクリスマスツリー
きれいなだけのキャンドルライト
食べかけのケーキ
デパートに売ってるものしか欲しがらない子供たち...

そんなものを横目に見ながら

そして　いちど

ためいきを　ついた...

袋の中につまってるたくさんの夢たちをそのままに
夢にあふれた瞳たちを探して

この街を去っていく

季節のなくなった　
時間のなくなった　
この街を...

通勤帰りの　一杯ひっかけてきたよーなおいちゃんの
なんとなく寂しそーな後姿を眺めながら
ふと　そんなことを思った...

「ヘイ！今日はクリスマスだぜ
なにやってんだい？こんなところで」

そしてオレは　ビルの片隅でうずくまってる　うすよごれた野良犬に向かって軽く微笑んだ

「メリークリスマス」と...

どうしたい？お前ひとりぼっちかい？

I want to be your 'Father Christmas',

Merry Christmas, for you...

いかれた街に愛をこめて

いかした仲間達に

カンパイ...