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2007年10月27日22:29

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バカ殿に諫言する部下がいないのが問題

混迷が続く赤福、再生の道は
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=326143&media_id=2

僕は昔々、取引先の一般企業に業務出向していたことがある。
その会社も地方の名門企業で、創業は江戸時代。今の当主は十何代目かで、その地方では泣く子も黙るような名士。社長の周囲には、社長の顔色を窺うことしか能のないような連中ばかりが配置されている。
某一流大学を卒業しており、米国の名門大学への留学経験もあり、個人としては元々それほどのボンクラでもなかったのだろうが、そうしたヌルい環境でイエスマンばかりに囲まれて過ごしたら、まともな人間でもたぶんアホにならない方が不思議であろう。

それでも一応地元では名門企業だから、かつては優秀な人材もたくさんいて、その中の何人かは社長に対して耳の痛いことも言ったようであるが、そうした気骨のある人物は、社長や社長の意向を忖度した取り巻きによって、いつの間にか遠ざけられたり、不当な処遇を受けて、多くは会社を去ってしまっており、僕が出向した頃には、少なくとも会社の中枢部にいる連中の大部分はどうしようもない奴ばかりだった。

今回事件を起こした「赤福」もまた似たようなもんだったろうと推測する。
愚かなバカ殿が一番悪いが、「お客さまに嘘をついたらダメだ」、「世の中のルールは守らないとダメだ」というような、まともな常識すらバカ殿に教えてやらない取り巻き連中も悪い。
結局は、みんなで名門の「暖簾」に胡坐をかいて、寄って集って会社を食い物にして、会社をダメにしてしまったということであろう。

昔の大名家でも、ちゃんとしたところは、バカ殿に諫言する家臣がおり、バカ殿が言うことをきかなければ、「押込」とか隠居をさせるとか、結構過激なことを行なっていたという。そうしないと、幕府によって改易とかお家取り潰しといった処分を受けかねないからだ。家臣だって失業して路頭に迷うようなことになったらたまらないから必死だったろう。

でも現代の企業だって似たようなもんである。バカ殿のせいで会社がつぶれたら、大勢の従業員が失業し、地域経済にも悪影響を与えることになる。
「赤福」にしたって、永年、給料もらって会社の世話になってきたのであれば、真剣になってバカ殿に諫言するような役職員が一人くらいはいなかったのだろうかと他人事ながら残念に思う。

僕の出向していた某企業は、結局、バカ殿の行状は改まらず、会社の業績も悪化の一途を辿り、最終的には倒産はしなかったものの、中央の大企業の子会社になることで辛うじて生き残りを図った。
永年にわたって地元で権勢を振るったバカ殿ファミリーは会社から追われ、今は会社とはまったく無関係の立場で食い扶持を稼いでいるようである。

たぶん「赤福」もここまで騒ぎが大きくなった以上、オーナー家は経営から外れて、不二家のようにどこか大手の傘下に入るとか、西武のようにメインバンクから経営者を受け入れるとか、何か手を打たないと、ダーティなイメージを払拭するのは難しいだろう。
一般消費者相手の商売というものは、一旦「暖簾」に傷がつくと、挽回するのはタイヘンだし、オーナー企業には、しょせん「自浄能力」は期待できないものなのだ。

でも「赤福」もバカな会社だとつくづく思う。
こんな姑息なことをやらなくても、東海・近畿圏での知名度や販売力があれば、ボロ儲けはできなくとも、今後も安定的な業績を維持継続することは難しくなかったはずである。
僕は「赤福」の今回の事件を耳にして、金の卵を産むアヒルを殺してしまったという例のイソップの寓話を思い出した。人間は欲をかくとロクなことはないということだろう。
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