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2005年07月10日10:04

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【点訳】 分かち書き?

最近はなんだかやる気が出なくて日記もほったらかしでした。残念。

実は僕は点字が打てます。大学のサークルで点訳会というのに入って打てるようになりました。2年ほど前から地域の点訳サークルにも所属していて、おばちゃんたちと一緒に、ぽつぽつ打っています。学生の頃はまだパソコンなんて持っていなくて、手打ちでガチャガチャ(タイプライターみたいなのがあったのです)やっていたのですが、最近は環境も整い、パソコン点訳というのが主流になっています。10年前とは隔世の感があります。

点字といってもなんだかご存じない方は、ま、これから少しづつ僕が日記に書くと思うので気長に待っていてください。簡単にいうと盲人用のぽつぽつした文字です。指で読むのです。駅とか、ビールの缶とかにありますね。

昨日はその地域のサークルの定例会だったのでした。

点字ってのは漢字がありません。基本的にはひらがな、アルファベット、数字でできています。なので、読みやすくするために「分かち書き」というものをします。

例えば
「ぜん・こうりんのりょうほうにくどうりょくがくわわるこくないはつのちぇーんしきりょうりんくどうじてんしゃがながのしないでひろうされた」

とても読みにくいですよね。なので、分かち書きをすると

「ぜん・ こーりんの りょーほーに くどうりょくが くわわる こくない はつの ちぇーんしき りょーりん くどう じてんしゃが ながの しないで ひろー された」
となります。

原文は
「前・後輪の両方に駆動力が加わる国内初のチェーン式両輪駆動自転車が長野市内で披露された」
ですね。
「生産と販売の両輪がかみ合えば、販路開拓もスイスイか」
だって。はははは。(YAHOO NEWS より引用)

さてさて、分かち書きです。そこには実に細かなルールがあります。「みぎはんしん」は割らないけど、「ひだり はんしん」は割ったり、「小中学校」は割らないけど、「消防 署長」は割るとか。

分かち書きはなかなかめんどくさいものなので、入力したあとに何度か何人かで校正をします。これが大事なんだけど、大変なのです。

僕が昨日までがんばって担当していたのは、「落語百選−秋」という本の一部分の中間校正というものでした。中間校正は最終校正のひとつ手前の段階です。なかなか重要な役割なのです。今までは入力ばかりだったので、ひとつランクが上がった…と、まあ僕は勝手に思っているのです。
校正自体は作業としては単純なのですが、今回は"もの"が「落語」とあって、それが大変でした。

まず、べらんめえ調。「くらめえどおりを まっつぐに いって、 つきあたりに あるじゃあ ねえか。  あけえ でっけえ おどーが かんのんさまだ。」
やりにくい。どこで割ればいいのか判断しにくいんだよう。

それから、駄洒落。これが厄介で。何しろ漢字がないでしょう?
「御前(御膳)に家令(かれー)でライスカレーだ」
とか言われても困るんですよ。点訳したら
「ごぜん (ごぜん)に かれい (かれー)で らいす かれーだ」……ね?意味が分からん。
「白梅と紅梅」と「白バイと勾配」とかさ。微妙なんだよね。

もちろん、点訳者挿入符っていうのがあって「広葉樹と硬葉樹」なんかはきちんと点訳者が注を入れます。が、なるべく使わないほうがいいし、使うにしてもなるべく簡潔にと決まってるので、使いにくいのです。


いや本当に、今回は大変いい勉強をさせてもらいました。中間校正もばっちりできたし、満足です。
でも、もう落語は堪能しました。勘弁してください。
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