1999年。UFCで活躍した総合格闘家マーク・ケアーは、日本で開催される格闘技トーナメント〈PRIDE〉に参戦していた。これまで負け知らずだった彼だが、9月の試合でボブチャンチンにまさかのKOを喫してしまい呆然としてしまう。相手の反則で無効試合となったものの、この時点から依存していたクスリの量が増加。やがて献身的な恋人ドーンの前で重態となり病院に搬送されてしまい…
「スマッシング・マシーン」
以下、霊長類ネタバレ科最強。


ドウェイン・ジョンソンが東京無線タクシーで新宿ガード下をくぐれば、エミリー・ブラントがアメ横を闊歩する。そんなシュールな絵が楽しめる一本。同名ドキュメンタリーが下地なので、フツーのスポーツ映画とは一味違います。勝負の世界が舞台でも、描き出すのは敗北のドラマ。縁の下で目立たない男に勝利の女神が微笑み、無敗の主人公は静かにフェイドアウトしていく…思うのは、人間は敗北や挫折から学ぶことが大きいよな、という点。ロック様が本当はどんなに巨体でも、何故か小さくて等身大に見えたことでこの作品は成功だろう。強靭な肉体を手に入れても、結局人間は弱い生き物。でもそれで良いのかもよ。
1916年、ヨークシャーの小さな町。戦争の最中、志願兵募集から徴兵制へと移行する時期となり、工場の社長ダックスベリーが主宰する合唱団もメンバー不足が深刻となっていた。しかも指揮者がいきなり軍に志願してしまい、合唱団は活動中止の危機を迎えてしまう。そこでダックスベリーら幹部たちは、ホテルでピアノを弾いている作曲家ヘンリー・ガスリーを新指揮者として招くことに。偏屈で、ドイツで音楽家として名を馳せていた「裏切者」だが背に腹は変えられない。というわけで指揮者となったガスリーの審査が始まり、工員をやっている若者たちや救世軍の少女らを加えた合唱団はエルガーのオラトリオ「ゲロンティアスの夢」に挑戦していくのだが…
「ザ・コラール 希望を紡ぐ歌」
以下、ネタバレ受難曲。



戦時下のイギリスで暮らす名もなき合唱団員たちの人間模様。コラールだのオラトリオだのイギリスだのドイツだの、そんなことはともかく、芸術はたとえ戦争に邪魔されたって心の灯火になるよという話。
「毎日少しの音楽を聴き、少しの詩を読み、素晴らしい絵画を見るべきだ。世俗的な心配によって、神が人の魂に植えた美の感覚を消さないために」というゲーテの言葉が全てです。
スジはまぁ、よくある「オーケストラもの」から逸脱しないんだけど、「男女の性」描写が生々しいのが特徴かな。欲望をぶつける男たちと受け止める女たち。そこには哀しみも悦びも憐れみもありました。全ては戦争のせい。110年前を舞台にしていても、今の時代の空気にマッチした内容でした。優れた反戦映画とも取れる良作。レイフ・ファインズ、今年もハズレ無し。
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