mixiユーザー(id:32437106)

2026年05月03日22:29

162 view

動画アリ!2026年第6回3月29日、第7回4月12日 ZARDの坂井泉水が育った丹沢山麓秦野市を中心に旅する 八重桜の残光、卒業のビート 秦野・多摩に刻む2026年の版図 舞台丹沢山麓秦野市中心、東京都渋谷区、日野市、

5/3(日)

今回季節は過ぎてしまったものの、首都圏の桜の代表種ソメイヨシノと八重桜の季節のたび模様を描く。

  <2026年第6回、第7回 ZARDの坂井泉水が育った丹沢山麓秦野市を中心に旅する 八重桜の残光、卒業のビート――秦野・多摩に刻む2026年の版図>


2026年3月29日(日)4月11日(日)テーマ曲 SARD UNDER GROUNDの「卒業式」

季節は必ず巡る。5月のゴールデンウィークにかけて、ウグイスがさえずりをあげる中、ソメイヨシノから八重桜へ桜の開花リレーが行われ、ツツジへとバトンがつながれた。神奈川県西部秦野市では、主役のソメイヨシノから遅咲きのヤエザクラまで品種を問わず、1万本の桜の木が育つ。代表種ソメイヨシノはいっせいに開花することで、並木を形成する。日差しを遮るフィルターの役割を果たし、肌の保湿にも役立つ。からっとした陽気の元、市内の各スポットを駆け抜ける。

 ソメイヨシノのような儚い情緒に対して、遅咲きのヤエザクラは、花弁に厚みがあり、開花と同時に葉っぱが伸びていく。風雨にも比較的強く、北から吹き降ろす「丹沢おろし」にも負けず、堅牢な美しさを放つ。標高が低い水無川沿いでソメイヨシノが散ってゆくにつれて、丘陵地ではヤエザクラが開花する。市域の広範な高低差を埋める「時間的バッファ」としての機能を果たしていた。八重桜が花びらを落とす頃、生垣に植えられたツツジが咲き出す。白、朱紅、淡紅、紅紫など、異なる色の品種が混ざり、根元に甘い蜜を蓄える。やや遅れること、藤棚が最盛期を迎える。ホバリングしながら蜜をすいあげるハチの羽音が耳元でも響く。四季折々移り変わる過程で、人々は入学や卒業を経験して、大人になってきた。

 
 テーマ曲は、ZARDのトリビュートバンドとしてデビューしたSARD UNDER GROUNDの5thシングル「卒業式」、核となるのは、ドラムとベースが刻むハイレゾな16ビートだった。疾走感を抱かせるメロディーを、神野友亜の抑制的な声によって制御される。リズム隊によって、切なさを「構造」の中に閉じ込めていた。浮遊感のある音をシンセサイザーが表現する。秦野の空の「透明度」や、卒業という「実体のない境界線」を象徴するデジタルな叙情として機能した。主役のソメイヨシノから八重桜へ移り変わる中、過去にとらわれた自分から卒業する主人公目線に立って語っていく。

写真=SARD UNDER GROUND 5thシングル「卒業式」ジャケット 掲載元 販売サイト 駿河屋 https://www.suruga-ya.com/ja/product/220281518?srsltid=AfmBOor1YjDHkNTbLnnqAxIEuQpAEKkmGDPPDVJl53QAvYA_zO6nLXLa
フォト


 目次
 第1章 ソメイヨシノの聖塔、都会の迷宮
 第2章 渋谷桜坂――再開発の鉄骨と、新島モヤイ像が指す南西の空
第3章 八重桜の里、16ビートの包容力
 小見出し � �4月16日(木)日野市程久保川 多摩平団地 淡い夕暮れ
小見出し �◆�4月16日(木)小見出し�◆�4月16日(木)多摩市聖蹟桜ヶ丘のトワイライト――耳をすませば、春の残光


 第1章 ソメイヨシノの聖塔、都会の迷宮

3月29日(日)朝から雲が少なく、さわやかな青空が広がっていた。連日20度以上に達して、ソメイヨシノの蕾も一気に膨らんだ。午前7時台、小田急線の東海大学前駅から程近い北矢名地域には、静かな一日が始まろうとしている。北の丘陵地帯に降った雨水が、斜面を伝い、ほぼ平坦な盆地に注ぎ込む。宅地に挟まれた蛇久保川沿いには、シダレザクラの木の枝から、淡いピンク色をした5枚の花びらが青空を背景に広がっていた。儚げながら、ほんのりと心に溶け込むやさしい色合いに目が潤む。新年度を迎えるにあたり、新しい進学先や職場へ向かうにつれて、卒業を意識する。新たな門出を祝ってくれる桜の花に思いを寄せていた。

フォトフォト

東海大学前駅から下り方面へ一つ先の秦野駅で降りて、標高243.5mの弘法山公園へとハイキングする。園内の2台の車が並走できる程整備された馬場道では、枝と枝が接しあい、傘状に広がっていた。綿羊の里への降り口は、幾分空が開ける。ソメイヨシノの花びらが、ゴールを祝ってくれるかのように道脇から伸びていた。恋をすると、自分自身が窮屈になる。繊細な花びらに、心が洗われて、足取りも弾んだ。

フォトフォト

今は日差しがあるうちに、ソメイヨシノスポットをめぐるのみ。過去を振り返っていられない。バス停名古木から秦野駅と蓑毛、またはその先のヤビツ峠を結ぶバスに乗り込んだ。訪れるのは、個人宅にて一般公開している一本の淡墨桜である。

フォト

足元にはきれいに真黄色の菜の花がそろえられていた。木の根元近くのプールの水面には、枝についた花びらが鏡合わせに映り込む。波風がなく、花びらが黒ずんでいた。心のわだかまりが、水面越しに確認できたような気がする。自分の気持ちをさらけ出せず、弱い自分がいた。バス通りを挟んで、反対側の「桜ともみじのわくわく広場」にて、濃いピンクのヨウコウザクラが、丹沢のふもとで、ささやいているようだった。人口の滝を背景に咲くソメイヨシノとは花の色合いは対照的。里に咲く花びらは、彩り豊かな風景である。

フォトフォト

 蓑毛から2,5km下っていくこと、知られざる桜スポット、神奈川病院を訪れた。土日は外来が休診、玄関口は人の気配がなく、時折バスが行き来する。敷地内の雑草が生えたロータリーに屹立する無機質な岩のオブジェと鮮やかな色合いのソメイヨシノは、異色のコラボレーション、どんな構造物も桜の木は温かく包み込む。差別をしない人格者のように感受性が豊かだった。

フォトフォト

 続く、渋沢駅から北へ4,1kmバスの終点大倉に隣接した「戸川公園」は、ソメイヨシノの満開にあわせて、チューリップが育つ。赤やピンク、黄色の花弁が太陽光を透過して、華やかな宴を演じる。

フォトフォト

風のつり橋を挟んで対岸の山里広場には、一本にシダレザクラが、長い髪の毛のように枝を伸ばしていた。風によって花びらが揺れるさまは、そっと山の神様にささやかれているようだった。人は言葉のとらえかたによって、傷つき、そして回復する。いかに微細か、気付かされる。丹沢山地の包容力を真に受けて、小さくてもいいんだと言い聞かせた。戸川公園の山里広場からおよそ800m、白泉寺の敷地内では、ソメイヨシノの元で、ちょこんと置物のフクロウが枝にとまっていた。夜の中で目を光らせる守り神としての言い伝えがある。一本の幹がほっそりしながら、枝が真横に伸びるピンクのシダレザクラが、見守っていた。

フォト

 標高340mの大倉バス停から下ること、低地の大倉入り口で降りて、水無し川沿いのカルチャーパークを経て、秦野駅まで散策する。移りゆく季節を示す桜並木は、幾年月もの間、決まった時期に花開く。温かい陽気の元、仲間と共に日常を語り合うグループ、軽装でジョギングするランナーなど、風景の中に溶け込んでいた。

フォトフォト

秦野駅に程近い荒井湧水公園では、渓谷を彷彿とさせるほど、中心部を走る溝に水が溜まる。その片隅でシャクナゲが顔を出していた。一本のシダレザクラが、水場で遊ぶ子供たちにまなざしを注いでいた。社会の荒波で人は損得で動き、時に貶めたりもする。こうした自然の植物観察を通して一時開放され、素直になる。

フォトフォト

 秦野駅からバスに乗り、再び蓑毛の個人宅を訪れた。丹沢のふもとで屹立する薄墨桜は、暗闇の中で一段と輝きを増す。午前中に挨拶したお宅の主にも声をかけた。この2日間で一気に咲き、ほぼ満開である。夜の帳に浮かび上がる、一本桜は白磁の聖塔のようであった。周囲の静寂を統べる、純白の依代としての荘厳さを放っていた

フォトフォト

 最後にライトアップされた1,1kmの水無川の桜並木を潜った。普段は暗闇に包まれる中でも、桜の木が人々を引き込み、夜の世界へといざなってくれた。春を代表する花は、つかの間の開花期間で、われわれの心にほのかな明かりを点してくれた。

 第2章 渋谷桜坂――再開発の鉄骨と、新島モヤイ像が指す南西の空

翌3月30日(月)午後3時30分、東京の山手線圏内である代々木公園では、平日にもかかわらず、花見客で芝生広場が混雑していた。通りの一角は、花開いた桜と芽吹き前のモミジが混在していた。道の先はやや曲がり、暗い一角へと続く。都会の雑踏と、かつての静かな時代をつなぐ迷宮を彷彿とさせる。

フォト

芝生広場では、節の入った桜の木が威容を放っていた。周囲には卒業を迎えた学生たちが、春休みを利用して、仲間と話に興じている。この先の人生はまさに宝探し。新年度を迎えるにつれて不安もある。桜の元で会話することで、弾みをつけていた。

フォトフォト

 渋谷のスクランブル交差点からJRの陸橋を挟み、桜坂へと向かう。狭い通りとはいえ、ビル街の坂を彩る程花開いていた。風によって少しずつ枝から離れていく。「花の命は短し」のフレーズの通り、限られた命を謳歌していた。

フォトフォト

夜間になると、周囲に立ち並ぶビルからのLEDランプやナトリウム光と相まって、ピンクに染め上がる。昼間の清廉さは消えて、妖艶な雰囲気へと一気に姿を変えた。背景の建物が映り込むと、路地裏のバーのように視覚的に人をひきつける。

フォトフォト

午後6時35分を境に、渋谷を見続けてきた仕事帰りの知人と顔を合わせた。一歩離れると、工事のフェンスが立ち並び、歩行者は迂回するように求められる。谷底に位置する駅周辺、2034年を目処に東急を中心に再開発を行う。新たに「働く」、「遊ぶ」、「暮らす」の3要素がかみ合う町へと生まれ変わる。振り返ると、2020年のコロナ禍、桜並木に誰一人いなかったという。現在は円安の影響により、道行く人々の中で外国人の比率が高まったとのことである。

 詳細 東急 渋谷再開発街づくり https://www.tokyu.co.jp/shibuya-redevelopment/

開発の波は景観を一変させた。駅西口のビル建設に伴い、新島モヤイ像が、クレーンで吊り上げられ、国道246号沿いに移転した。渋谷区と新島村は、共に文化的交流を深めるべく、1970年に「渋谷区新島青少年センター」が開設された経緯がある。2021年に観光・文化交流協定を締結した。2025年2月15日に、両自治体をつなぐ新島モヤイ像の移転完了に伴う、除幕式が開かれている。その場所に案内された。モヤイは、新島の方言「力を合わせる」、「助け合う」の意味を持つ。

 詳細 モヤイ像引越し 渋谷区ホームページ
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/contents/koho-news/1571/20250215_special_mini.html

移設前と同じく顔の向きは、故郷である新島を指すように南西である。厚い唇と深い彫り。自然岩の無骨な質感を残しながら、その髪型には若者の街にふさわしい「ヤンキー風」の凹凸が刻まれていた。変わらない秦野ののどかな風景に対して、変貌を遂げる渋谷、都市一極集中の二極化構造を顕著に表す風景だった。

第3章 八重桜の里、16ビートの包容力

4月12日(日)朝6時30分前、座間市の「相模が丘仲よし小道」では、早起きの住民たちが腕を振ってウォーキングに励んでいた。1月下旬及び4月中旬から下旬にかけて、64品種218本の桜が花開く。厚みのある品種楊貴妃は、花びらが重なり湧き上がる様から、優雅で繊細なドレスのようである。ウコン桜は一転して薄緑色、中心がほんのりと赤みを帯びた姿から、そっと微笑んでいるようだった。甘く重い香りが鼻腔をくすぐった。

フォトフォト

ソメイヨシノの儚い散り際とは違う、厚みのある包容力がそこにあった。SARD UNDER GROUNDの「卒業式」が頭の中で流れていた。神野友亜の抑制的な声が、ハイレゾな16ビートを優しく包み込むように。
「卒業」という実体のない境界線を越えて、新天地へ向かう若者たちに、八重桜は静かなエールを送っているようだった。
朝陽が降り注ぐ中で桜並木を潜り抜け、気持ちも一気に開放的になる。隣の同じ座間市かにが沢公園と谷戸山公園を梯子する。かにが沢公園は、白のツツジが道行く人々を出迎える。足元に咲くピンクの芝桜と、黄緑の若葉との淡いコントラストが目を楽しませた。空気はまだ少し冷たく、息を吐くと白くかすむ。ウォーキングに励む住民たちの息遣いが、静かな朝の音色になっていた。 

フォトフォト

隣接する谷戸山公園へ移ると、風景は一変した。
ここは湧き水の谷と雑木林が織りなす小さな里山で、若葉が一斉に萌え出ていた。木漏れ日が地面に斑模様を描き、湿った土と新緑の匂いが鼻をくすぐる。
湧き水の谷では、オスのキビタキがさえずりを響かせる。「ピッコロリ♪ ピッピュルリ」と転がるようなメロディー。卒業式を歌うSARD UNDER GROUNDの神野友亜のように爽やかで芯のある旋律だった。

フォトフォト



湿性生態園の古民家前には、一本の八重桜が、風を受けてささやいていた。新年度を迎え、不安と希望が入り混じる中、包容力を抱かせてくれる。

フォトフォト

 秦野市の神奈川県立秦野戸川公園は、ソメイヨシノから八重桜へと開花のバトンが繋がれていた。遅咲きのチューリップにも増して、八重桜の太くて長い枝ぶりは、人々に木陰を提供してくれる。

フォトフォト

水無川の反対側の諏訪丸駐車場に林立する品種はウコン桜、小道をはさみ反対の広場は、八重桜の密集地。朗らかで明るい華やかな装いである。遅咲きの八重桜は、ソメイヨシノの儚さを越えた厚みのある花弁を、重そうに枝にのせる。風が吹いてもしっかりと枝先にくっついて離れない。その堅牢さが、卒業という境界線を越えようとする若者たちに、静かな力を与えているようだった。一方でウコン桜も程よく厚みがある。黄緑色の姿から、若葉と同じように、瑞々しさが漂う。幸せを呼ぶ桜と呼ばれる所以でもあった。

ソメイヨシノの季節に卒業式を迎えた若者らを、新天地での生活に活力を与えてくれるような豊かな光景だった。

フォトフォト

渋沢駅南口では、ZARDの駅メロ記念プレート前のウコン桜も満開を迎えていた。一人の男性が三脚を据えて、ビデオカメラをプレートの方に向けていて、動く様子がなかった。ZARDの駅メロ記念プレート前のウコン桜が、淡い緑がかった花弁を陽光に透かしていた。丹沢の稜線を背に、彼女の歌声が聞こえてくるような気がした。爽やかな風に触れながら、私は歩を進めた。待っていても季節は過ぎていく。彼女が歌ったように、限られた時間をどう生きるか――ウコン桜は、そんな問いを静かに投げかけているようだった。作詞家として彼女は、限られた時間を謳歌する若者を抱いていた。前向きに生きた彼女に刺激され、アップダウンのある千村へ向った。標高303mの頭高山の麓、日本の自治体でもっとも八重桜の生産量が多い。畑では、脚立に乗ってお年寄りに加えて、若い女性らが、枝から桜の花びらを摘んでいく。

フォトフォト

デジタルに慣れ親しむと、手作業は効率化に反する。なぜなら人間の手では限界があるからである。ただし、わざわざ手間をかけることによる、達成感には変えられない。音楽の世界で微細な音を表現できるレコードがブームなように、一つ一つの地道な作業には味わいがある。埃をかぶっているかもしれない物置にしまっていた鋏を取り出して、丁寧に作業した。花びらは、塩漬けにすると日持ちがして、甘い香りが漂う。SNSの時代、茶碗に並ぶピンクの花びらは、見栄えの良さから、ユーザーの目をひきつけられる。清らかな川のせせらぎに耳を澄ませながら、千蔵寺前には、チューリップが花開く。さわやかな空気によって、植物の生育も進む。茂みの中からひときわ甲高いタカ科のツミの鳴き声が、静寂を打ち破るように轟いた。住宅街でも営巣する身近になりつつある猛禽類、里の自然にも定着しようとしている。

フォトフォト

 東海大学前駅から南東側へ。大根川沿いでは、濃いピンクの花びらの思川桜が日差しに照らされて艶やかに輝く。風に揺れる花びらが、せせらぎと共に心を静かに癒してくれる。隣接する大根公園は、戸川公園のように、ウコン桜、近縁品種のギョイコウ、八重桜が林立する。遊具を使う子供たちの声が響く中、木の陰に飛び込む小さな物体が空を横切った。ツミのオスである。川とは反対側の隣接する住宅地の電線には、メスが金切り声をあげていた。

 川のせせらぎと花びらが風に舞う音が重なり、心のざわめきを優しく包み込む。住宅街と緑地が混在する秦野の風景は、人の暮らしと自然がほどよい距離を保っている。



 フォトフォト
フォトフォト

 秦野駅の南口から徒歩5分、今泉名水桜公園は、遅咲きの八重桜の一種サトザクラやギョイコウが静かに佇んでいた。

。湧水池の片隅にはマガモの母鳥に付き従う雛鳥の姿がある。首都圏では冬鳥であるものの、例年珍しくここでは子育てを行う。住宅地のそばでけなげに生きる親子の姿から、懐かしさがこみ上げてくる。清らかな湧き水に恵まれた秦野の風景は、ほっと胸のつかえが下りるような安心感を与えてくれる。
SARD UNDER GROUNDの「卒業式」が、頭の中で静かに流れていた。神野友亜の抑制的な声が、ハイレゾな16ビートを優しく包み込むように。新年度の不安を抱えながらも、八重咲きのウコン桜やサト桜は「ここにいてもいい」と、厚みのある包容力でそっと背中を押してくれているようだった。



フォト

公園から震生湖へいたるルートにかけて、白笹稲荷神社には、ギョイコウとウコン桜が隣り合うように並ぶ。縁起がいいとされる二つの遅咲きの桜、傾きつつある太陽光を反射した。

フォト

そのまま坂道を登り、車が行き交う秦野桜道を挟み、渋沢丘陵の尾根へと上る。震生湖の入り口付近では、八重桜の若木から咲き出した花びらが、夕日を程よく浴びていた。木漏れ日によって湖から尾根へ続く傾斜地は、黒い影と光の斑模様を描く。湿った土から湧き出るひんやりとした空気を、瑞々しい若葉が覆い隠していた。春の風を浴びて、温かい気持ちになる。道を挟んで反対側の一角には、ビニールハウスを背景に、ポピーが直立の姿勢を保つ。それぞれ植物達は、意思を持ったかのように、色鮮やかな花びらで、緑一色の世界をカラフルな景色に変えていく。

フォトフォト

植物は一年決まったサイクルを繰り返す。対照的に我々の人生は、常に一直線に進んでいく。「やらずに後悔するように、やって後悔する方がいい」イタリア・ルネサンス期のフィレンツェで生まれ、「君主論」を執筆した政治思想家のマキャヴェリの名言が重みを増した。疲れた体に鞭打って、ジョギングで駆け抜けた今、自分自身を見つめられる。確かに人は壊れやすい存在。いかに修復していくのか、花を観察してわかったような気がした。
 
 夕暮れ時に戸川公園では、八重桜がライトアップされる。藍色の空の下で、花びらがくっきりと浮かぶ。遠目からのぞくと、残ったチューリップは脇役に映る。青色のLEDランプに装飾された風のつり橋の向こうに、遠い世界がささやくよう。 卒業式を歌う神野友亜を通して、坂井泉水の歌声が、静かに心に寄り添う春の夜の一幕だった。

フォトフォト

フォト

小見出し � �4月16日(木)日野市程久保川 多摩平団地 淡い夕暮れ

 4月16日(木)夕方。東京都日野市多摩川水系の一級河川「程久保川」の両岸は、八重桜にの花びらによって、淡い空気に包まれていた。周囲は一戸建て住宅のアパートの合間に畑が混在し、生活観に溢れる空間だった。

フォトフォト

JR豊田駅のすぐ北の多摩平団地脇では、八重桜並木が人々の日常を見守っていた。午後5時30分、傾きつつある太陽の光を受けると、花びらがほんのりと赤くそまった。枝から落ちた花びらが、根元に伸びる影と相まって、樹影と相まって、一日の終わりを告げる静かなコントラストを描き出している。
そこにあるのは、観光地の華やかさとは無縁の、住まう人々のための「春」の終焉である。

フォトフォト

 小見出し�◆�4月16日(木)多摩市聖蹟桜ヶ丘のトワイライト――耳をすませば、春の残光

 程久保川から多摩川のサイクリングロードを経て、多摩市内に入った。山あり谷ありの丘陵地、舞台は多摩市桜ヶ丘4丁目の高台である。
夕暮れ時、静かな多摩の街並み。眼下に広がる住宅街の灯りがひとつ、またひとつと灯り始める頃、手前の八重桜は薄闇の中で輪郭を浮かび上がらせている。かつてスタジオジブリが『耳をすませば』で描いたあの坂道や階段の先に高級住宅街が並ぶ。傾斜地に立つ住宅街の小道を抜けた先に、崖の上にガードレールが設置された眺めのよいスポットにいきつく。転落防止用のフェンスが張られているとはいえ、その隙間から京王本線の聖蹟桜ヶ丘駅を俯瞰する。

フォトフォト


1995年の映画公開後に建てられたタワーマンションを背景に、風に揺れる八重桜。かつてこの地を歩いた物語のヒロインである月島雫と天沢聖司、二人が見た景色は、まだ空き地があり、建物の軒も低かった。2026年現在は、すっかり新築の建物建設により、混雑した。そよ風に揺れる八重桜は、映画公開時の記憶をとどめているようだった。
 

八重桜が花びらを落とす頃、ツツジの開花を迎えていく。

 

 関連作品

 今回の4月12日(日)の旅を舞台にした短編作品

・新緑の季節にキビタキが出現
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991977463&owner_id=32437106&from=list_diary_title

・大根川の思川桜と戸川公園の八重桜
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991983866&owner_id=32437106&from=list_diary_title

 前回 2026年丹沢山麓秦野市を中心とした旅 2026年3月15日(日)テーマ曲「世界はきっと未来の中」

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991864307&owner_id=32437106&from=list_diary_title

前年同期

・2025年4月5日(土)テーマ曲「星の輝きよ」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989803449&owner_id=32437106&from=list_diary_title

 前々年同期

・2024年3月17日、4月7日(日)テーマ曲「Season」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987395407&owner_id=32437106&from=list_diary_title

多摩市を舞台にした耳をすませばの関連作品

・2025年7月15日付 ジブリ映画「耳をすませば」劇場公開30周年! 町並みのモデルとなった東京都多摩市桜ヶ丘団地について
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990340024&owner_id=32437106&from=edit_diary_finish


15 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年05月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31