『制動のアルゴリズム ― MISAMOが描く16ビートの規律と、和の様式美』3部作中篇
4月25日(土)26日(日)、28日(火)に東京国立霞ヶ丘競技場で3daysを開催するTWICE。ワールドツアー「THIS IS FOR」の一環での凱旋公演に、日本列島からONCE(TWICEファンの総称)が終結する。年明けに活動一時休止を発表したダヒョンも復帰し、9人でのステージが実現した。今回は、『制動のアルゴリズム ― MISAMOが描く16ビートの規律と、和の様式美』3部作 中篇である。前編では、白一色を身にまとったMISAMOの2月6日のUSJでのイベント、またリリースされたばかりのアルバムについて考察した。中篇では、メガネメーカー「RIM」のアンバサダー就任に伴い、理知的な姿で世の中を俯瞰する彼女たちの素顔を解き明かす。
2026年K-POPシリーズ 第4回 前編 第1章と第2章
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目次
第3章 トークに宿る「構造の響き」
第4章 視線を縁取る「制動」の美学 ― 2026年2月、アイウェアという新たなインターフェース
第5章 「RIM(縁)」が規定する21世紀の偶像美 ― 構造体としてのアイウェア
1. ミナ:ボストン型メタルフレームによる「黄金比の固定」
2. サナ:多角形フレームによる「多面的な感情の屈折」
3. モモ:スクエア型による「機能美の強調」
結論:2026年の「観測者」たち
第3章 トークに宿る「構造の響き」
2026年2月7日、都内で行われたイベントに3人そろって出席した。ラグジュアリー・シック」を極めた、まさに「オートクチュール」な装いで登場する。遊び心(PLAY)と洗練(HAUTE COUTURE)を融合させたシックなスタイルは、直近2作のアルバムのコンセプトを体現していた。3人それぞれの身体的特徴( physicality)に合わせて構成されていた。1stアルバム『PLAY』関連のリスニングパーティー等のプロモーションの一環として、進行していく。収録曲への思いやレコーディング時の取り組みについて明かした。
モモ:「私たちMISAMOの以前のアルバムはかっこよかったり、パワフルな曲が多かったのですが、今回のアルバムは皆さんを元気づけるような、明るい感じのタイトル曲を中心に世界観を表現したアルバムにしてみました」
写真�� 2月7日東京都内でのMISAMOのトーク時の様子
ミナ:「前作に引き続き“芸術”がテーマということで、目で見ても楽しんでいただけるように、たくさんのコンセプトを盛り込んだアルバムになっています。ビジュアル面でも楽しんでいただけたらうれしいです」
サナ:「今作は“演劇”をテーマにしたものになっていて、前作の『HAUTE COUTURE』からは1年ほど時間が空いてしまったのですが、その間にいいものをアルバムに入れられるように準備をたくさん頑張ってきたので、ぜひたくさん聴いてほしいアルバムになっています」
モモは『情緒』を、ミナは『空間』を、サナは『時間』を語る。三要素が揃ったとき、MISAMOの三角形(トライアングル)構造は、『PLAY』へと昇華されるのである。
それぞれ3人のソロ曲についても、それぞれ醍醐味を語った。
ミナ レパートリー『Turning Tables』:“シュートを狙い打つ”をキーワードに、人生で求めるものを迷いなく手にしていくというストーリーになっているんですが、前回のソロでもお見せしたことがない一面をお見せしたく、かっこいいラップもある楽曲を準備させていただきました
サナ レパートリー『Ma Cherry』:「経験や感情をジュエリーのように身にまとって、今の自分を輝かせていくというテーマを持った楽曲になっているんですが、私としても初めてのラップに挑戦させていただいていて、今回も踊れるアップテンポの曲になっています」
モモ レパートリー『Kitty』:「曲名からしてかわいい世界観がある曲になっているんですけど、見た目は猫っぽいけど中身は自分を持っていて自分をまっすぐ持っている人を表現した曲になっていて、パフォーマンスもかわいい部分があったり、パワフルな部分があって、ギャップを楽しめる楽曲になっています」
3人で歌うアルバムのリード曲『Confetti』について、それぞれ異なる切り口でアピールをする。ミナは、マイクの音量を意識し、慎ましく答えた。「この曲は、うまくいかない日でも“どうにかなる”と前を向けるように、1日の終わりに自分へConfetti(紙吹雪)を送るようなエールを送る曲になっています」
トークで積極的に発言するモモも背筋を伸ばしたまま、控えめな面持ちで答えた。「振り付けも皆さんが真似しやすい感じになっているので、振り付けを真似して楽しんでもらえたらいいなと思います」と話ながら、両脇を閉めて、指を水平に伸ばす。
サナが「両手で振るようにパカパカしながら」と手を小刻みに振った。「右足を上げて左足を上げて」と続けると、ミナが真似をする。マーメイドのように、引き締まったウエストに合わせたドレスは裾が長く、水の抵抗に打ち勝って、推進力を生み出す鰭状を成す。
サナは、感情を抑制しながら、しっかりと前を向いてレコーディング時の様子を振り返った。「ミュージックビデオでは、それぞれ6着の衣装を着させていただきました。舞台衣装maeni のようなものやホラーテイストの衣装もあり、見ている人が楽しくなるような内容になっています」
写真�� トーク中の所作
前日のUSJの学生を応援するパーティーの装いから一転して、実にモデルとして凛と澄ました立ち姿を披露した。ミナの描くマーメイドのように引き締まったウエストを機軸とした流線型のシルエット。サナの柔らかくて甘い声が刻む演劇的なリズム、モモの体幹が支える情緒。三つのベクトルが一点で交差したとき、MISAMOが形作るトライアングルは、芸術の域へと到達した。次章では、重厚なドレスを脱ぎ捨てた先に現れる日常の姿を紐解いていく。ミニマリズムの極致である「メガネのRIM(縁)」の極細のフレームを纏った。彼女たちは、ファッションモデルから事務作業をこなす几帳面なOLへと成り代わる。重厚な「舞台」から、日常の「視線」を矯正するデバイスとしてのアイウェアへ。世界を凝視するTWICEとしての解像度の高さが宿っていた。
第4章 視線を縁取る「制動」の美学 ― 2026年2月、アイウェアという新たなインターフェース
2026年2月26日、MISAMOは、清純な姿から理知的な女性像へと変貌した。アイウェアブランド「RIM BY JINS(通称RIM)」のアンバサダーに就任する。プロモーション第一弾で公開された映像は、華美な装飾とは一変した姿で現れた。グラマシーパークでの開放的なエナジーとは対照的に、「知性のフレーム」に縁取られていた。
TWICEのパフォーマンスにおける「制動(ブレーキ)」の概念は取っ払われていたのである。アイウェアの装着によって、肉体から「視線」の領域へと拡張された。
特筆すべきは、ミナのビジュアルである。彼女の持つバレエ由来の静謐な佇まいは、王妃のような高潔感と合わさった。メタルの細いフレームを纏うことで、より表情が引き締まる。
写真�� RIMのフレームをまとうMISAMO
人の目に収まるように設計された眼鏡の二つのフレームは、顔立ちのシンメトリーを物理的に固定する。決められた型の中に瞳を閉じ込めることで、内面が透けて見えてくる。実のところ人々の視力を補う眼鏡も、広大な宇宙を観測する望遠鏡もレンズのアイテム自体変わりない。眼鏡の着用者の内を覗くことは、天文学的なアプローチ手法とも同期する。天文学では、はるか遠方の宇宙から足元の小さなミクロ単位まで扱う。同じように眼鏡のフレームは、その人物の微細な心の揺らぎさえ増幅させ、可視化させる。ミナの透徹した品格を、フィルターの一種レンズを通すことで、より高解像度に分析できる。
一方、サナとモモの変容も見逃せない。サナの持つ流麗な表情筋の動きは、フレームという「不動の基準点」に固定化された。微細な変化がよりドラマチックに動き出す。激しいビートを刻むアスリート的な肉体を持つモモは、一本のフレームによる制約を経て、様相が変わった。書類に目を通し整理整頓する几帳面なOL、また研究所の職員のような博識な女性になる。
写真�� 椅子に腰掛けるMISAMO
昨年デビュー10周年の区切りを迎え、11年目を踏み出した。当初グループは、ファッションモデルとして華々しく登壇した。次第に表現者として「思考のプロセス」を読み解き、ブランドにあわせて、外面を整えた。新たにRIMのフレームを、高尚で気高い女性のアイテムへと引き上げる。多くの女性が避けがちな眼鏡を、彼女たちは知性ある姿だと再定義した。
素顔というキャンバスに、一本の線を引く。そのシンプルな「制約」により、彼女たちの内なる物語が始まった。グラマシーパークの白光を経て、レンズ越しに世界を透徹するMISAMOは、アイドルの枠に収まらない。時代を俯瞰する「観測者」としてふるまった。混沌とした2026年、時勢を見極め、グローバルチェーンのモデルとしても役割を果たした。
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第5章 「RIM(縁)」が規定する21世紀の偶像美 ― 構造体としてのアイウェア
2026年2月24日に解禁されたビジュアルで、MISAMOの三人が纏ったのは、ブランド名が示す通り「RIM(縁)の概念そのものの深化であった。眼鏡は本来、視力を補う道具に過ぎない。しかしMISAMOとタッグを組むことで、「内面と外界を隔てる、静かな境界線」へと落ち着く。ブランドの格を決定付けるMISAMOの新たな顔を解き明かす。
1. ミナ:ボストン型メタルフレームによる「黄金比の固定」
ミナが着用した細身のボストン型フレームは、彼女の顔立ちが持つ「建築的な正しさ」によって、まるく収まった。特徴的ななだらかな曲線は、彼女のストイックな体幹が放つ緊張感を適度に中和した。ブリッジ(鼻元)の直線が顔の中心に一本の「軸」として固定した。彼女の瞳は、レンズという物理的なフィルターを通すことで、対象の心象を見抜く冷徹な観察者のようである。レンズの反射光(キャッチライト)が、彼女の理性を上手く引き出していた。モデルとして注文を受ける立場だった彼女は、世界のファッション界を定義する審査官の様相を為していた。時代を見定める静謐なスナイパーとして目を光らせている。
2. サナ:多角形フレームによる「多面的な感情の屈折」
サナが選んだ多角形(クラウンパントやヘキサゴン)のフレームは、彼女の持つ愛嬌と品格の二面性を映し出した。直線と曲線が複雑に交差する構造から、光の当たり方によって表情に変化を及ぼす。パフォーマーとして彼女の「流動性」を、知的な枠組みの中に閉じ込めた。フレームは確かに物理的に固定する。抑制の効いた幅により、ブランドのコンセプトにあわせて、世にアピールする。個性をコントロールすることで、プリズムのように多方向へ拡散していく。つまり、ブランドの魅力を全方位へわたって届ける発信者としての勤めを果たしているのである。
3. モモ:スクエア型による「機能美の強調」
ダンスにおいて圧倒的な出力(パワー)を誇るモモには、エッジの効いたスクエア型のフレームが配置された。四角形の枠は、彼女の目元を広範からのぞく。激しいビートを刻む肉体とは相反する静的な姿である。高性能エンジンを冷まして、エネルギーを一時的に温存する。人々を接客する清楚で才媛な姿へと変わっていた。よりはっきりと物を見るデバイスである眼鏡は、対象の潜在的な能力さえのぞく。彼女の持つ「動性」を「機能美」へと翻訳する、高度な変換回路である。
RIMは、より広く普及を目指して、4月から5月にかけて、東京と大阪、それぞれ2箇所にて、POPUP STOREの開催を決定した。期間内における商品の購入者にはプレゼントが用意されている。
写真�� POP UP STOREの宣伝
MISAMOの影響力次第で、メーカーの展開力が変わっていく。今や広告塔として経済を支えている。
結論:2026年の「観測者」たち
MISAMOの三人が「RIM」を纏ったことは、世間一般の「広告契約」の粋を超えている。2026年という不確実な時代において、表現者が自らの視界を自覚的に「フレーミング」し、世界を凝視し続けることを意味する。2月6日、グラマシーパークUSJにて学生達にエールを送った。おなじみのキャラクターやキャスト達も加わり、しばしの宴を催した。レンズの収束点(フォーカス)を経て、より輝きを帯びていく。一方で我々の日常にも溶け込む。彼女たちが眼鏡を直すその指先の微細な動きは、いかに静謐で器用であるかを教えてくれる。日々の生活においても、手先が発達している人ほど、感覚はより鋭敏に研ぎ澄まされていく。次回以降、ワールドツアーの合間を縫いながら、数々のブランドのモデル就任式へ臨むそのカリスマ性に、改めて焦点を当てていきたい。
写真 出展先
写真�� 2月7日のトークイベント 写真掲載元 モデルプレス2026年2月7日 20時8分付
https://mdpr.jp/photo/detail/19669186
写真�� 2月7日のトークイベントでの所作 掲載元 WWD 2026年2月7日付
https://www.wwdjapan.com/articles/2318833
写真�� RIMのフレームをまとうMISAMO 掲載元 PR TIMES 2026年2月24日 08時00分
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000361.000027384.html
写真�� 椅子に腰掛けるMISAMO 掲載元 RIM BY ZINES
https://rim.jins.com/jp/feature/rim-loves-misamo-26ss/
写真�� POP UP STOREの宣伝 RIM Xアカウント 2026年4月9日付
https://x.com/rim_eyewear/status/2042071435708133812
以下 2026年K-POP シリーズ
2026年1月30日付 2026年K-POPシリーズ 第1回 IZONEからIVEへ。星団の再編を超えて ―― 6人のミューズがSYNKする「伝説の夜」2部作 前編
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2026年2月4日 第2回 IZONEからIVEへ。星団の再編を超えて ―― 6人のミューズがSYNKする「伝説の夜 後編」次世代を担う「完成型グループ」の真髄 カル群舞ダンス、「少女時代」
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2026年2月6日 第3回 IZONEからIVEへ。星団の再編を超えて ―― 6人のミューズがSYNKする「伝説の夜 後編」テクスチャの反乱 NHK総合「Venue101」のレポート
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2026年4月17日 第5回 『春の重奏、さざなみの記憶(前)』aespa IVE TWICE 4月に続々と来日公演を行う TWICEのサナとIVEのレイ
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2026年4月19日 第6回 『春の重奏、さざなみの記憶(中)』第2章 春の肖像 aespaのカリナ、夜桜エピソード
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2026年4月21日 第7回 『春の重奏、さざなみの記憶(下)』第3章 野球のマウンドに立つデジタル光 ― カリナとウィンター、MLBとの交差
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以下 2025年TWICEシリーズ
最終第8回 2025年12月29日付け
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