インフル患者激増、非常勤医師が2人休みということで本日の劇場鑑賞は諦めるつもりでしたが、何とか時間が作れて一本観られました。これで2025年度劇場鑑賞終了です。



個人タクシー運転手・宇佐美浩二は、ある日先輩ドライバーの代打で1人の老嬢・高野すみれを乗せることになった。葛飾の自宅を処分したすみれは、葉山のホームへ引っ越すためにタクシーを依頼したのだ。帝釈天で彼女をピックアップした宇佐美は高速で神奈川へ向かおうとするが、すみれが最後の東京見物をしたいと言うので、浅草・上野から有楽町、新宿、渋谷と移動することに。その車中ですみれが語る過去…その重さに言葉を失う宇佐美だったが…
「TOKYOタクシー」
以下、人生を乗せ、ネタバレが走り出す。



山田洋次の新作は「パリタクシー」のリメイク。パリで完結するオリジナルと違い、こっちは神奈川も出てきます。山手線外回り的な東京巡りに併せて倍賞千恵子の凄絶な過去が描かれていくんですが、これも上手い具合に翻案したなあという内容。在日2世と恋仲になるも相手が「帰還事業」で北朝鮮に行ってしまったとか、なるほど昭和30年代らしいと思ったし、いきなりフローレンス・ジョイナーの爪など思いがけない懐かしネタをブチこんでくる辺り、山田洋次侮りがたしといったところでしょうか。
キムタクはかなり頑張って「普通の中年男」ぶりを出していたけど、やっぱりキムタク。良かったのは倍賞千恵子の若かりし頃を演じた蒼井優ですね。蒼井優と黒木華がいれば、昭和30-40年代を舞台にした美人枠は安泰かな。ところが、ぶっちゃけ倍賞千恵子自身って昭和にしては日本人離れな美人なんだよね。思うにすみれさんは「霧の旗」の桐子と重なる悪女キャラ。さくら同様花の名前のすみれで葛飾柴又住みなど寅さんネタと観客に思わせておいて、男社会のエゴに立ち向かう点から実は「霧の旗」が監督の頭にあったのではと邪推してしまいます。
リメイクとしては改悪もなければ冒険的な改変もない無難なローカライズでしょう。オリジナルを観てない人には山田洋次健在と思うだろうけど、俺にはキムタクと倍賞さんに頼った省エネ映画にも見えました。さんま&しのぶを並列させる内輪ネタが山田洋次の発案なら監督のユーモアセンスも枯れてないとは思うけど……
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