初デートを経て上司マキマ一筋の想いを確認したデンジだが、ある雨の日、カフェでバイトする少女レゼと出会ったことで気持ちが揺らいでしまう…
「チェンソーマン レゼ篇」
以下、都会のネタバレと田舎のネタバレ。



デビルハンターの少年が悪魔と戦っていく少年ジャンプ発のバトルマンガ。TVシリーズは一応観た上での今回の鑑賞。TVシリーズの印象としては永井豪の「デビルマン」の現代アップデートであり、躊躇ない殺戮・ゴア描写に驚いた。チェンソーという「悪魔のいけにえ」に代表される絶望感の象徴みたいな道具を全面に出していて、ずいぶん禍々しいなと思ったり。ただ、デンジという教育も愛情もまともに受けず思春期に入ってしまった少年の成長譚としてドラマ性があり、死ぬたびに蘇る設定からも死生観についても踏み込む深さもあって良作と感じたな。今回のレゼ篇は、まさに愛を知らないデンジが愛に目覚めていく話で、分かり易いハニートラップに絡め取られる姿に苦笑しながら(蜘蛛の巣に囚われる蝶のインサートにも)、結局レゼも同じく「学校」を知らずに生きてきた同士であったことが独白で明かされハッとさせられる。バトルの迫力と無茶苦茶さはもちろん楽しめるけど、淡い初恋のドラマとしてもよくできたストーリーだなと感心した次第。
香港警察警部フォク・ジーホウが律政司(検察)に転身し、新米検事として法廷に立つことになった。最初の案件は極めて単純。貧しい青年マー・ガーキット(キット)がブラジルから送られてきた麻薬入り小包を受け取って現行犯逮捕されたというものだ。キットはチャン・コッウィンという前科者に住所を貸しただけと供述し無実を主張、そこでチャンも逮捕され麻薬密輸で起訴された。2人の容疑者を起訴した形だが、何故か公判でキットが供述を翻し、自分1人で麻薬を輸入したと証言する。結果、チャンは無罪放免、キットは27年の懲役刑を喰らうことになったが、フォクは納得がいかなかった。実はキットは美人弁護士リーと弁護助手アウ・パッマンに騙され、「罪を認めたら短期刑ですぐに出られるから」と言いくるめられたのだ。上司である次長検事ヨンに「検察の勝利なんだからこれ以上関わるな」と命じられるフォクだったが、生来の正義感からキットの祖父マーさんに上訴を勧めてしまう。だがその矢先、マーさんの命が狙われて…
「プロセキューター」
以下、ネタバレーター。



みんな大好きドニー師匠の監督主演作。たとえ検察の白星でも、冤罪は放置できない!と正義の光ドニー検事が悪徳弁護助手を追いつめるというシリアス法廷ドラマ……でもあるけど、痛快娯楽アクションでもあります。実際に起きた「誤判」を題材にしたストーリーみたい。
警察・検察の関心を引かないように、麻薬の「受け子」を故意に有罪にして組織まで捜査の手が伸びないようにするという弁護士側の戦術が斬新。これ日本の闇バイト犯罪でも上手くいきそうな気もするけど、まぁこんな映画みたいに都合よくはいかないだろうな。それにしてもドニー師匠の映画なのに、ラストをきっちり法廷で締めて、法の意義についてカタルシス充分に描いてみせたのは本当に素晴らしい。上司に疎まれている異色の新人にだんだんと周囲が感化されて協力していくクダリなんかベタだけど胸アツだし、貧富格差の問題にもさりげなく斬り込んでいる各キャラ設定も良い。そしてアクション…「イップ・マン」でドニーファンになった俺だけど、この人実はGUNを手にしても凄くサマになる人なので、個人的には電車内で構えるポスタービジュアルの場面が一番好き。てか本作、アクションエンタメとしてかなりの傑作だと思ってます。アクションシークエンスの配分の適切さはもとより、対大勢の乱闘の迫力・強敵ラスボスとのタイマン勝負・超現実的なFPSのシューティングバトル・証人護送デッドリミットサスペンス…と既視感はありつつもバラエティに富んでいて満足度高いですよ。
キャスト的には、香港映画の至宝フランシス・ンと広川太一郎の声に変換したくなるマイケル・ホイの存在感が抜群。野爆のくっきー似なラスボス刺客は、師匠が負けそうな気がするほどの能力差。ドニー師匠、劇中で自身の老いについて言及してたが、あの蹴りに老いなんて微塵も感じさせません。平場(法廷シーン)での演技、演出力も含めてむしろ進化している印象で、キアヌやトムクルに肩を並べていると思います。大丈夫、アジアには真田広之とドニー師匠がいる。オススメ中のオススメ!
ログインしてコメントを確認・投稿する