・
別格本山とは何か?
比叡山との関係は?
鏡子さんの答えは「知らなくていい」であった。
受付で入山料を寄進すると、いきなりメインである。
ここの広場は、大荒行「峯入り」の最終ゴールである。護摩壇が設けられる。
それは10年に一度のことだが、護摩堂は、常に在る。
「天台宗の教義」なんていう掲示を見ながら靴を脱ぎ、回廊へ。
そこに仏足石がある。ちょっと、グロい。
仏は、三十二相&八十種好<しゅごう>がそなわるという。主に身体的特徴である。扁平足になって、足の裏がグロくなるのが、仏だ。
▽
室内は「気」で満ちている、と鏡子さんは言う。
毎日のように行われる供養の残波かもしれないが、
ここは、両子寺は、レベルが違うのだ。
ここにしかないものがある。
言い表せないから、荘厳<しょうごん>。
扁平足の仏は、向き合うのか、寄り添うのか。
正座した鏡子さんが低く唱えている。耳を澄ましてみて、法華経だとわかった。如来壽量品<にょらいじゅりょうほん>──宮沢賢治を魅了した部分だ。
大乗経典の代表格にして、日蓮宗の唯一の根本経典であるのは有名だが、天台宗ではどれくらい読誦<どくじゅ>されるのだろう。
「そくじょーじゅーぶっっしぃーんんん」
リタルダンドがかかって、壽量品が終わる。
「意味わかって唱えてます?」
「仏は、死んだふりする」
即答ですね。
合ってますけど。
────
────
ログインしてコメントを確認・投稿する