【平成の名力士列伝:琴錦】抜群のスピードとうまさで見る者の心を躍らせた「史上最強の関脇」
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大相撲十一月場所十四日目、一敗で賜杯レースを並走する琴櫻と豊昇龍の二大関は、琴櫻が新大関大の里を上手投げで制し、豊昇龍も関脇霧島を吊り出しに仕留めてそれぞれ13番にのせ、打ち出し後に組まれた千秋楽の取組で、結びの一番に両者が直接対戦することとなりました。
先に土俵に上がった大関琴櫻は、新大関大の里を相手に、立ち合い両者当たり合いから大の里が琴櫻を左で抱えて右をのぞかせ前に出るを、琴櫻は左上手でしっかり耐え、体を開いて振って入れ替え、堪えた上手で投げて勝負あり。「落ち着いて、しっかり取ることだけを考え」て冷静に対処した一番でした。これで、琴櫻は場所前の時点で大の里に4勝後れを取っていて、昨日(十三日目)の時点で並んだ年間最多勝争いで単独トップとなりました。「明日の取組に向けて、やれることをやっていきたい」と、集中力を高めて琴櫻にとって“未知の世界”である幕内優勝に向けて行くことになりました。
そして、豊昇龍が対戦したのが関脇の霧島。土俵下で先に土俵を務めた琴櫻の勝利を見届け、結びの一番に土俵に上がり、霧島相手に鋭い立ち合いから両差しとなり、霧島を豪快に吊り出し、勝負あり。「集中してやりました。集中していたんで良かったと思います」と、こちらも「集中」をキーワードに千秋楽の「相星決戦」に臨みます。
昨年の七月場所で初優勝(12勝3敗)している豊昇龍としては、13勝は自己最高の勝ち星であり、特に、これまでその弱さが感じられていたメンタル面での強さが備わった印象の土俵と感じます。時に叔父である第68代横綱朝青龍を彷彿させる大言壮語ぶりを見せることがありましたが、「優勝すると言ってできなかった場所ばかり。」と言葉は封印、集中力をキーワードに一敗で土俵を引き締めた二大関が対戦する明日の結びの一番が大いに期待となると思います。
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