ブラッディ・マリー…春日部武里にある老舗のショットバーである。左は居酒屋さん…バーは扉奥の階段を登る。
俺にとっては思い出の店。
酒に溺れた時期に訪れた店で。
高校時代にずっと好きだった女の子と20代半ばに来たこともあり…
嫁さんとつきあってる時も来たし。
勿論男友達とも来た。
職場の俺の送別会のあとに参加できなかった学生アルバイトとも来た。
格別なお店だ。
…。
中学時代に近くの学習塾に通っていた事があり
『なんかカッコイー店があるなあ』
と思っていた。
落ち着いたバーだ。
暗い静かな店で硬派にバーテンダーが供する酒をいただく…。
結婚して子供できてから行ってなかったですが、
子供の習い事で近くに来たのでその待ち時間50分を利用して一杯やってこうかと。
来ました。
現在の生ビール…エーデルピルスとか?ギネスでは無かった。苦い感じ。
喉が渇くから水を飲むし
心が渇くから酒を飲むのよ。
亡くした恋人の代わりなんて何処にもないし。
癒えない傷は血が止まるまで。
涙も枯れるまで。
命が終わるまで。
あの日の俺ももういない。。
気が狂いそうな絶望の日々を…夜はここで過ごしたり…しました。
なんとか致命傷ですんだ。
名物のカクテル『ブラッディ・マリー』ここのはスパイスが入っていてピリッとします。
15年ぶりにお会いしたヒゲのマスター
(…と勝手に呼んでいた…は少し痩せていてマスクしてるので同じ人かしら…って感じだった)
から
「(カクテルのブラッディマリー)昔と変わりましたか?」
と聞かれる。
もっと濃厚なイメージあったかも…?スープっぽいというか…
でも15年前の記憶もな…軽く風邪気味なので鼻とかきいてないしな…
「手に入らなくなっちゃった材料もあって、代わりを工夫してはいるんですが、少し変わっちゃってるかもしれないですね」
マスターの言葉に時の移ろいを感じるのでした。
もう…
あの頃の俺はいない。
心の出血は止まっている…多分、死ななくていい…
筈だ。
今でも、あのとき死んどけばよかったと思う事は
あるけれども。
あの頃の【ブラッディマリー】はやたら美味かったけど…。
もう輸血はいらないのかもしれない…。
そんな風に…思ったりして。
これはこれで…旨い。
そう思うのだった。
ノンアルコールカクテルを飲み干した嫁が子供を迎えに先に店を出る。
カウンターに残されて1人で飲む
この店で過ごした日の事を思い返してみたり…。
1人で浸って飲むのもいいのよな。
オーナーさんともお話できた。
一時期看板無くなってた事があって、辞めちゃったのかと思ってた話をしたら
「立看板を車にぶつけられて壊されちゃってしばらく無かった」
とかで…。
「2階の店だから看板大事だと思うんですけどね」
とマスターもボソリと。
この重厚なカウンターでお酒を頂く瞬間が俺には格別で。
50分なんかでは足りる筈も無かったな…。
ありがとうございます。
なんとか、生きてます。
また来よう。
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