mixiユーザー(id:5499304)

2024年05月25日22:58

12 view

ゴールデンカムイまとめて感想9:番外編・『ペリリュー』を一気読みした話

オタクあるある(出まかせ):「かわいい絵柄で悲惨な話をやる漫画ある?」「『ペリリュー』なんてどう?」
※今回ゴールデンカムイ要素は全くありません!温度差がエグかったのと、メンタルゴールデンカムイじゃない人間にとって戦争はこういうもんだろうなという参考資料ってことで。

●その後『ペリリュー』を一気読み。温度差がエグい。
色々思うところはあったけど、個人的に一番心に響いたのが、「歴史は改ざんされる」というくだり。
「人を殺した話は子供にしたくない」というセリフに象徴されるように、あるいは島時代を黒歴史と認識している高木に代表されるように、実際の戦場を経験した人たちの多くが口をつぐみ、具体的な言及は避けて、とにかく戦争だけはやってはいけないと言い続けるしかなかった。
一方で功績係の伝えた華々しい散りざまだとか、島の兵士たちは助け合って生き延びた(人肉食?燃料用アルコール?なんのことですか??)という美談だけが残って、小山くんのようにそれにあこがれて続こうとする者も現れた。
以前ミクシィニュースで、実際に戦争に行った元兵士が「戦争はいけない」と語るニュースのつぶやき一覧が「朦朧ジジイは黙っていろ」みたいなものだらけで愕然としたことがある。まさに石板が斧で粉々に砕かれる現場を見た思いだった。言いたくないものは伝わらず、聞きたくないものも伝わらず、都合のいい話だけが残っていく。需要と供給だけの閉じた関係の間だけならそれでもいいのかもしれない。だが、そこに外から「被害者」が現れると話が変わってくる。やった方は忘れてもやられた方は忘れないというのは自然の摂理だ。今まで言いたいことだけ聞いて聞きたいことだけ聞いてきた聞き手は、聞きたくない話を外野から聞かされると多くの場合拒絶する。ひどい場合には相手を嘘つきだとののしり、クレーマー扱いし、侮蔑的なあだ名をつけたりする。石板を斧で叩き割る。あんまりあからさまにそれを言ってしまうと「聞きたくないことは否定する」人たちに怒られるだろうから、こっそり出来事を出来事のまま提示するにとどまったのではないか。そういうことを強く思った。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年05月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031