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2024年03月25日22:45

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言葉は生き物〜『げんねえ』という言葉を使った事はありますか? その2

※1つ前の記事の続きです

国語科のある教師が、この学校内の方言である『げんねえ』について
その冊子の中で、解説している文章を発見しました

以下、その文章で説明されていた内容の要約になります

まず『げんねえ』の『げん』とは
漢字で書くと「験」だそうで
よく使われるのは試験の「験」ですが
「験」一文字だと
「祈祷、まじない、お祈りなどの効果・効き目」などを現す言葉になります

山中で修行をする山伏や修行者のことを「修験者」(しゅげんじゃ)
と呼ぶことがあるのですが
これは何のための修行かというと、神通力・霊力などの特別な力を身に付けるため
この特別な力=「修験」(しゅげん)なのです

日本古来からある祈祷の儀式として有名なのが「雨乞い」の儀式ですが
例えば「雨乞い」の儀式を行い
もし、願い通りに雨が振ったならば
その儀式はちゃんと効果があった=「験があった」・・・となります
逆に、「雨乞い」の儀式を行ったのに、雨が振らなかったならば
その儀式は形だけで効果が無かった=「験が無かった」・・・となります

つまり、何らかの祈祷、まじない、お祈りなどを行ったけれど効果が無かった状態
それが「験が無かった」→「験が無い」→「験無い」→「験無え(げんねえ)」
本来「げんねえ」は
お祈りの効果が無かった状態を表現する言葉だったのです

言葉というのは生き物で
使われていくうちに意味が増えたり、変わったりすることがあります

お祈りの効果を期待する状態・・・というのは
何かの希望や願望があり、それを成し遂げたいから祈るわけで
その期待が外れ、祈りが通じなかった状態=悲惨な状態・とんでもない状態
になってしまっている事が多かったことから
「げんねえ」に「悲惨な状態・とんでもない状態」を付与するパターンが増えていき
現在、実際に祈ったりしたわけでもないのに
悲惨な結果だけをみて「げんねえ」と表現する使われ方が残った・・・のではないか

そんな感じの文章(説?)でした

ここまでが30年以上前の話になります

(続け)

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