それにしても安倍元総理の働きは偉大でした。今年2月28日「米中科学技術協力協定を更新しない」と米国が中国に通知して、40年以上続いた「米中蜜月時代」が終わろうとしています。1979年��小平の訪米で、カーター元大統領と国交正常化交渉をしたときに、中国をソ連から引きはがすために、仕掛けたエサが「米中科学技術協力協定」だったわけで、「武器、装備以外のすべての科学技術を中国にオープンにする契約」だったといいます。この協定は5年ごとに更新し、去年8月27日更新の合意なしに6か月延長となり、今年2月27日期限切れになりました。これは安倍元総理がトランプ大統領との交渉過程で、「中国の脅威」を説いたことから「方向転換」になり、「対中姿勢」の流れが変わったとされています。
この「期限切れ」に伴って、2月26日〜29日スペインで開かれた「MWC(モバイル・ワールド・コングレス（世界移動通信大会)」が開かれ、新しい６Gの開発による「ＡI-RAN Alliance」が発足しました。こちらは日・米・英・豪‣加・NZ・蘭・韓・仏・スウェーデンの10ヶ国(中国抜き）でITU(国際通信連合）の移動通信システムの基準と無線技術の枠組みを作る計画です。新しいクラウドの時代を迎え、ユーザー側のアプリを減らしサーバー側で多くのデーターとアプリを持ち、クラウド側でAIによって素早く必要な答を出す通信システムを開発すると言う方向なのだそうです。
元に戻って、「米中科学技術協力協定」の凄まじさに触れたいと思います。1980年から2年に1回「米中科学技術委員会」を開き、物理学、教育、農業、衛生、気候変動、核の安全など8分野にわたる協定書を結び、米国のハイレベルの物理学研究所の必要な設備を購入。米国は技術者を派遣して中国に研究所を建設、設備の調整配置する。設備費用は支援する。大型粒子加速器を購入する。中国に衛星通信システムを支援する。
中国は文革で技術者、科学者を消したので、エリートを米国に派遣して、米国は支援の形で受け入れて米国の大学教授と一緒に研究して教える。米国の研究所は留学生を受け入れて中国にも同じ研究所を作った。このおかげで、文革時代に外国に亡命していた科学者も帰国した。こうして2018年米国海洋大気監理局は中国気象局とプロジェクトを起動し気球を飛ばして大気、気象の研究をしたが、これが後の「スパイ気球」になった。同様に米国の「ウイルス研究所」を学んだ中国は「武漢ウイルス研究所」他２ヶ所を設立し、コロナウイルスを蔓延させた。
これで中国はアメリカの知財は盗み放題になった。これに急ブレーキがかかって
�“焼蛎了唆箸料�置と技術の流出ストップ。
�∧胴颪了駛棔�投資の制限、人工知能、量子コンピュータ、ビッグデータの開発ストップ
��ファウェイはじめ８００社の企業への制裁。
��EV車の輸入禁止⇔テスラの中国内通行禁止(６個のカメラと通信システムでスパイ）
�ス創僖�ントリークレーンの日本製と取り換え。（貨物輸送情報の中国伝送停止）
このようにしてアメリカは中国を味方に引き込み、大きな市場を手に入れようとしましたが、その結果「飼い犬に噛まれる結果」になり、やっと40年の夢から覚めました。一方中国はアメリカの懐で大きく育ち、これからアメリカと世界を二分して、繁栄を謳歌しようとしたのに、アメリカに家の外に放り出されてしまったという構図になっています。その中国なきあとに、急に日本がピンチヒッターに選ばれて、棚から牡丹餅で日経平均が爆上がりしています。日本経済が良くなったのではなく、中国向けの投資が日本に向かってきたと言う事です。
これでやっと「失われた35年」の暗雲の正体が見えてきましたが、これは単なるチャンスに過ぎません。安倍元総理の後継者は「二の矢、三の矢」を構えて、アメリカをリードして、「アメリカの脱線」を直し、世界を繁栄に導くとともに、そこから外れた中ロ北朝鮮をうまく抑え込む筋書きを作らなくてはなりません。「裏金事件」にはサッサとケリをつけて、国益に全力で立ち向かっていくときです。折角、安倍元総理がＧ７で流れを引き寄せてくれたのですから、主役を降りないでください。
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