「親亀の上の子亀」

　最近はめっきり韓国がおとなしくなりました。というか、殆ど何も聞かなくなりました。最近は、突然あれだけ毅然と蹴飛ばしていた「日韓通貨スワップ」を再開すると言うニュースが出てきました。韓国がにっちもさっちもいかなくなってアメリカに泣きついて、アメリカからの指示で「再開」することになったのだそうです。

　ただ気に入らないのは、だったらキッチリ「徴用工訴訟」や「レーダー照射問題」の謝罪と「竹島返還」をしてから出直してこいと言うべきで、なぜ日本側はアメリカにそれを飲ませるように要求しなかったのかが納得できません。今すぐ慰安婦解決金10億円を耳を揃えて返しに来たら助けてやる。「通貨スワップは日本側が求めてきたら応じてやってもいいなどとは2度と言いません。お赦し下さい」と言わない限り応じられないと冷たく言うべきではなかったかと思います。でなければ、またこれからも、アメリカ経由で無理難題を押し付けてくれば「折れる」と見られてしまいます。あれだけ「親中従北」だったのですから、「通貨スワップも中国様にお願いしなさい」と嫌みの一つも言えないのが歯がゆいのです。

　というのも、ご存知のように現在中国経済はジェットコースターに乗ったように急降下しています。その中国におんぶに抱っこで経済好調を満喫してきた韓国ですが、今は「急降下」どころか、ジェットコースターから「振り落とされ」ていると言うのに、「今更助けてどうする」という状態なのです。例えていうなら「池に落ちた韓国が向こう岸の中国が壊れたから、此方にすり寄ってきただけで、助けたらしがみつかれて泥まみれになる」だけなのです。だから「親韓派国会議員」などが情報を伏せている、まさに「親亀の背中の子亀が振り落とされた状態」になっています。

　日本は人口も多く、GDPの中の輸出比率は10％程度ですが、韓国はそれが30％を超えています。その内中国が半分ぐらいを占めていて、それがピタッと止まってしまったのです。その大部分が「サムスン、SKハイニックス」と言う半導体で、国の基幹産業だからたまりません。中国はそれを「自国で作るからもういらない」と言い出したのです。それで台湾のTSMCは日本に工場を出して、うまく日本の需要を取り込んで中国の急降下をカバーし、韓国は沈没に陥りました。その結果、貿易赤字が660兆円と言う膨大な赤字になって跳ね返り、合わせて「不動産バブル」を引き起こし、その上に「米中対立」の余波で、対中貿易が致命的な犠牲を被りました。

　ところがご存知のように韓国は「経済は中国、安保はアメリカ」という虫のいい政策を掲げてきた「86世代＝60年代に生まれて80年代に学生運動で騒いだ」国会議員が７０名もいて、その「共に民主党」が議会の多数を占め、尹大統領にとっては「ねじれ国会」になっていますので、この86世代が中国と一緒になって福島の処理水を「汚染水だ」と騒ぎ立て、反日の牙をむいています。昨年12月26日にハン・ドンフン非常対策委員長が「86世代が引退しない限り韓国の改革は進まない」と明言し、これが朝鮮日報の世論調査で大きく支持されました。「引退すべきだ＝３３％、引退してもよい＝２５％」で58％が支持しました。

　保守層の７７％、無党派層の５５％、進歩層の49％が支持しました。これで今年4月の総選挙で大敗が予想されています。韓国企業の約4割がゾンビ企業（借金が返せないので新しい投資や技術開発が出来ない。大手財閥系で労働組合が強くストライキや暴力行為で経営者を脅す）であり、文在寅政権がデータをねつ造して成果を誇示したり、(例えば不動産価格は下落しているのに、上昇していると発表させた）人気取りの「賃金引上げ」強行の結果輸出競争力が下がり、31年ぶりの「貿易赤字」になりました。尹政権が親米親日に動いても、未だに経済は中国に依存しています。日本の品質レベルのクリアーできなければ、日本市場を開拓もできません。

　バイデン大統領は「中国はいつ爆発してもおかしくない時限爆弾」と発言されましたが、韓国は「その時限爆弾」とピッタリくっ付いていて、ふるい落とされたのにまだしがみついている状態なのです。一方、韓国には銀行ローンのほかに「プロジェクト・ファイナンスと言う建設会社向けのマンション工事物件完成を担保としたシステムがあり、これがアメリカの金利上昇に従って引き揚げられた国内金利に伴って、貸付金利が引き上げられてマンション価格も上がりパタッと売れなくなりました。それに買い手の消費者ローン金利も上がったからです。

　このように八方ふさがりで出口の見えない「地獄の憂き目」を見ているのが最近の韓国の実情なんだそうです。「君子危うきに近寄らず」を肝に銘じて、仏心に蓋をしましょう。