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2024年01月28日23:21

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映画感想:「ある閉ざされた雪の山荘で」

本日は東野圭吾原作・飯塚健監督の「ある閉ざされた雪の山荘で」をようやく鑑賞。
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今をときめく若手トレンディ俳優さんの共演だからか、売れてるみたいで人多くて何回か上映回を見送りましたし、世間的にはデートムービーみたいで、おっさん1人では肩身が狭く笑

原作は1992年に東野圭吾先生が発表、私は文庫版を確か高校の頃に読みました。
有名劇団のオーディションとして雪の山荘に集められた若手俳優、オーディションとして数日間を過ごす中で一人ずつ消えていく……という話。
昨年観た舞台「仮面山荘殺人事件」同様、雪の山荘という舞台でも「山荘から一歩でも出たらオーディションは失格」という、物理的ではなく心理的なクローズドサークル物で、当時の東野圭吾先生が「本格推理」に対して搦手から挑んでいる感がある作品。
長編部門としては、1993年の第46回日本推理作家協会賞で初の長編部門候補になり、推協賞の長編部門を受賞するのは6年後の1999年の「秘密」。
「秘密」は高速バスの事故で娘に母の意識が乗り移り、その後の父との日々を描いた作品、広末涼子・小林薫で映画化もされました。この辺から東野圭吾先生の作風が人間心理の謎やドラマにシフトしていった事を考えると、「ある閉ざされた雪の山荘で」と「秘密」、2006年の第134回直木三十五賞受賞作「容疑者Xの献身」と並んでターニングポイントとなった作品と言えるでしょうね。何か評論書けそうな予感笑

さて、映画では「雪の山荘」ではなく、オーディションの設定である「雪の山荘という設定」でイメージ的に雪が降っているだけだったのが少し残念。
本格ミステリファンとしては、「嵐の孤島」「吹雪の山荘」というシチュエーションにワクワクするので笑

劇中では演出家が審査しているという設定の山荘の中に各所に配置された監視カメラの映像がカットバックされて、この辺は原作を読んだ方ならニヤリとなるはず。
あと山荘の見取り図を模した線で区切られた空間で俳優さんが演技する場面(この記事が詳しいです。https://www.astage-ent.com/cinema/tozayuki-20.html)の表現は面白かった。
1996年の堂本剛版「金田一少年の事件簿」の「タロット山荘殺人事件」で、解決編のトリックの説明の為に山荘のセットを俯瞰する場面がありましたが、それをご覧になったのかな?
飯塚健監督、舞台も演出されるそうで、あの手この手で「演劇オーディション」で起きている事を切り取られようとされているように感じました。

配役……私なら配役入れ替えて、主人公の久我を間宮祥太朗さんにするし、中西貴子を堀田真由に、劇団の華・元村由梨江を中条あやみさんにしますね。そっちの方が私が思う、原作のイメージに近い!
ドラマを掻き回す田所義雄役の岡山天音さんは流石!
そして、配役聞いた時点で期待しかなかった、交通事故に遭った天才女優・麻倉雅美役の森川葵さん!
贔屓目(サイン入りで写真集買いました)はあるにせよ、間違いなくこの役は森川さんしかやれないなと思っていたのですが、期待以上でした。
私、西野七瀬が嫌い(好きな人、すみませんm(_ _)m)なんであの場面は、本当にイラっとするなと。余計に説得力ありました。

近頃原作改変が話題ですが、映画の結末は原作好きな人には賛否分かれるかなと思いました。一方で原作で「それは少し厳しいのでは?」と思ったロジックの部分は上手くアレンジしてあって、映画にするにあたって分かりやすくなったと思いました。

ちなみに、劇団オーディションの話なので、昨年の「仮面山荘殺人事件」の俳優さん達が「ある閉ざされた雪の山荘で」を舞台でやりたいと言われてましたが、今日まで東京でやっていたとパンフレットに書いてあって、アンテナの張り方が甘かったと反省……

舞台版も観たいですが、良い映像化だったと思えた意欲的な映画でした。
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