ここしばらく体調が悪く、横臥しているしか無かったので、わりあいに本を読んだ。
手にとってはパラパラと読み、短編集から幾つかをつまみつまみ読み……、というのが多かった。
1冊丸々読んだのは以下の3冊のみ。
●『森繁さんの長い影 本音を申せば6』(文春文庫:刊、小林信彦:著)
まあ、いつも通りの小林信彦節であった。ためになる部分が少なくない。シリーズで同じ記述が繰り返されるのには飽きてきたが。
●『映画になった奇跡の実話 その感動には裏がある』(鉄人文庫:刊)
Wikipediaで事足りるといえばそうなのだが、1作毎に数頁でまとまっているので読みやすかった。まあ、知っている事柄が殆どだったけれども。
●『ひと喰い介護』(集英社文庫:刊、安田依央:著)
高齢者を食い物にする高級介護ビジネスに焦点を当てた小説。フィクションである。嫌〜な後味。明瞭な解決という着地を決めてくれないので、イヤミスの読後感に近い。ミステリでは全く無いのだけれども。読みやすい文体でサクサク読めた上、語彙がわりあいに豊富なのと、数箇所、「うがぁっ……!」とのけぞる程に怖い部分があって、その点は感心した。二度と読みたいとは思わないけれども。
この他、印象的だったのは、短編集『11の物語』(ハヤカワ・ミステリ文庫:刊、パトリシア・ハイスミス:著)からつまんだ二編。『かたつむり観察者』と『クレイヴァリング教授の新発見』。いずれも再読であるが、どちらも「あー、気持ち悪ぅ……」と。二編とも、かたつむりを扱った怪異譚。ハイスミスって、かたつむりが好きだったのかな? それとも異常なまでに嫌悪していたのかな?
さて、また他の本も読まねば。買ったままで読んでいない本がウン百冊とある。いかん、いかん。
以上である。
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