ラジオと戦争
放送人たちの報国
大森 淳郎 NHK放送文化研究所
NHK出版 ¥3600
本のタイトルに「ラジオ」という三文字があれば、つい興味を惹かれ、手に取ってしまう・・。
新聞の書評欄に、この本が紹介されていたので、思わず図書館に貸出リクエストを出した。
図書館の貸出期間は、2週間。 次に貸出を希望する人が居なければ、貸出延長をする事ができるが、この本には、後ろに続く貸出を希望する人が居て、貸出・返却を何度も繰り返し、やっと読了する事が出来た。
この本は、五百数十ページもあるので、とても重い。しかも、文字はとても小さく、文字数が半端ない!
就寝前に、寝床で横になって本を読む習慣があるので、その重い本が何度も顔に落ちてくる。
いつも数ページを読んだだけで、寝落ちしてしまうので、なかなか読み進めることができない・・。
戦前日本では、放送局は「日本放送協会」しかなかった時代が続いていた。
戦後生まれの私には、当時の放送イメージとしては、「大本営発表」のフレーズしか思いつかない。
放送局設立時の背景を考えると、「御用放送局」であっても仕方がないとは思うが、この本には、そういった内部状況が書かれている。 (先日挑戦した漢字のパズルには、偶然、「御用新聞」が出題されていた・・)
終戦時に大量の重要書類が焼却処分されたため、残っている書類は限られる。 その残された限られる書類を分析したり、当時の局員に聞き取り調査をやった結果が、詳細に書かれている。
驚いたのは、戦前個人で自作した録音装置で、当時の放送波を受信して、レコード盤に録音したものが残っていると書いている! 当のNHKにすら、当時の放送音源の資料は極めて少ないらしいが、アマチュアの技術力恐ろしや!
公共放送としてのNHKは、政府の政策を国民に徹底させることに協力すべき任務をも、もっている。 しかし、それはNHKが政府の御用機関であることを意味しないことは言うまでも無かろう。 政府に対する批判は当然取り上げるべきものであり、政治的には公平でなければならない。・・本文抜粋
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