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2023年11月24日14:54

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SISU シス 不死身の男(Sisu)

 第2次世界大戦末期のフィンランドを舞台に、不死身の老兵とナチス戦車隊の死闘を描いた痛快バイオレンスアクション。

1944年、ソ連に侵攻されナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。老兵アアタミ・コルピは掘り当てた金塊を隠し持ち、愛犬ウッコとともに凍てつく荒野を旅していた。やがて彼はブルーノ・ヘルドルフ中尉率いるナチスの戦車隊に遭遇し金塊と命を狙われるが、実はアアタミはかつて精鋭部隊の一員として名を馳せた伝説の兵士だった。アアタミは使い古したツルハシ1本と不屈の精神を武器に、次々と敵を血祭りにあげていく。

タイトルの「SISU(シス)」とはフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳は難しいが、すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神のような意味合いを持つ。「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」のヨルマ・トンミラが主人公アアタミ、「オデッセイ」のアクセル・ヘニーがヘルドルフ中尉を演じた。監督・脚本は「ビッグゲーム 大統領と少年ハンター」のヤルマリ・ヘランダー。(映画.comより)





<2023年10月29日 劇場鑑賞>

 最近割と多い「年寄りだと思って油断していたら、実はものすごく強い人でした」系のお話。こういう類のおじさんたちは、攻撃されない限り普段は普通の人だし、バカにしてくる若者たちはアホと相場が決まっています。それゆえ、理不尽な暴力を非力に見える”普通人”がやっつけることで、観客はスカッとします。どれだけ時代が変わっても、根強く支持されるゆえんですね。

 しかしながら、今回はおじさんの相手はナチス党のメンバーです。まったくの素人と違って武器も半端ないし、上官はそれなりに強くて頭も切れます。それゆえ、不死身のおじさんも苦戦するわけですが、そこは映画ですから、「不死身なんじゃないのよ。死なないだけ」といわれるおじさんは、「マッドマックス」並みに捕えられ凌辱されていた女性たちを解放し、その女性たちが一丸となって仕返しをかける、という美しい見せ場も作っています。

 なお、R15+が示す通り、かなり残虐な場面もあります。馬も地雷によってバラバラになりますし。首をつられ動かなくなるまで見られていても実は死んでいなかった、など、あり得ない展開もあるわけですが(笑)、やっぱり観客としては(女性としても)おじさんを応援してしまいました。しかし、個人的には、おじさん、金鉱を掘り当てて金を持っていたわけですが、ナチスの上官が言った「この戦争は、どうせ負ける。負けた後の我々には、ろくな人生は待ってない。罪にも問われるだろうし。今のうちに金を頂いて逃げるが勝ちだ」という理屈は、わからんでもなかったです。一世を風靡していても、時代が変われば追われる身となる悲哀を感じて、むしろかわいそうに思いました。彼らは彼らで、上の命令には逆らえなかっただろうし。

 と、深読みする必要もないのでしょうが、しかし、銀行で金をぶちまけ「換金してくれ。かさばるからなるべく大きなお金でな」と言い放ったおじさんに、「そんなこと公の場でやらかしたら、次なる追っ手がまたやって来るんじゃないの」と、いらぬ心配をした私でした。
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