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2023年10月19日00:26

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【映画日記】『もったいないキッチン』

◎10月17日、火曜日。

 薬がまだ身体にしっくりと合わない。調整の日。というか、身体が怠くて動けない。鑑賞予定だった『ヒッチコックの映画術』はOUT。『月』は後日にずらす事にした。

 月曜日にまとめて料理をしておいたので、それは救い。楽である。

 日中は自宅で持ち帰りの作業を行った。全て終了。数が合わなかったが、「おおよその数量を渡しているだけなのでOK」との事。そういうのは事前に教えておいて欲しい。何度数え直した事か……(‐‐;)

 夜は不眠。全く眠られず。


◎10月18日、水曜日。

 眠られないまま、朝に通所。

 滞りなく終了。

 この日は時間を潰したかったので、作業後、所内の片付けを手伝った。

 移動。

 第七藝術劇場とシアターセブンで新作映画チラシを収集。全48種。しばらく足を運んでいなかったので未入手分が多く手に入った。関西限定版はマイミクさんの分もいただいた。邦画『ピエロたち』のチラシが無かったが、まだ出ていないのか、全て捌けてしまったのか……?

 11月12日(日)に、ドキュメンタリー映画『劇場版 センキョナンデス』の上映会が吹田 メイシアター 集会室で開催される事を知る。これは観たかったのに観逃してしまった作品。なんとか行きたいものだ。

 夕刻。阪急電車で庄内駅へ。『古本市場』で、『特捜部Q キジ殺し』(ハヤカワ・ミステリ文庫:刊、ユッシ・エーズラ・オールスン:著)と、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文春文庫:刊、村上春樹:著)を購入。安かったが、遂に『特捜部Q』シリーズに手を出してしまった。現時点で9作が邦訳されている。コレは2作目。

 移動。

 豊中市立市民公益活動支援センターの【トヨカツcinema】という無料上映会で、ドキュメンタリー映画『もったいないキッチン』を鑑賞。

 ここに来るのは初めて。綺麗な施設だ。まだ開館ホヤホヤらしい。月に1度、映画の無料上映会を開催しているとのこと。11月は『グレート・グリーン・ウォール』、12月は『アレッポ 最後の男たち』、1月は『おクジラさま ふたつの正義の物語』との事。都合がつけば参加しよう。にしても、ユナイテッド・ピープルさんの配給作品が多いな。



●『もったいないキッチン』。

【『0円キッチン』で名を馳せたオーストリア出身のダーヴィト・グロス監督が日本を訪れ、キッチンカーで全国を旅して、廃棄されてしまう食材の救出に乗り出すというドキュメンタリー。<もったいない!>の精神に魅せられて日本にやって来たダーヴィト・グロスが、実は世界トップクラスである日本の食品ロスの実情に触れ、日本各地で<0円食材>を美味しく食べつつ、食品ロスの解決策を探っていく……】という内容。

 うーん…… イマイチかなあ。

 序盤は<デパートやコンビニでの廃棄食材の発生量・発生率等>を説明し、それは僕にとっても割合に身近なものであるだけに興味深く観ていたのだけれど……

 カット割りや構図、登場する人物の話し振りから、<脚本ありきの作品>である事が如実に知れる。そこが何と言おうか…… そう、テレビ的なんだわ。ドローンを多用した風景描写もテレビ的。というか、ネイチャー物は別として、ドキュメンタリーにドローン撮影、要るかなあ? 昨年末に鑑賞した柴田昌平監督による傑作『百姓の百の声』もドローンを多用していて、少し気になったのだけれど……

 大阪・西成は釜ヶ崎でも撮影しているけれど、綺麗過ぎる。出て来る<地元民らしき人たち>も小綺麗に過ぎるし、炊き出しの模様も映さないのだもの。あの街の匂いがしない。<創作料理人>という肩書の男性が、美術家、監督&同行の女性、西成のおっちゃん2人らと料理を拵える。

 テーブル一杯に広げられたキャンパス様の紙(食器?)の上に、抽象画のように料理をあしらっていく。まるで美術品のようだ。

 お品書きに<鹿肉のなんちゃらかんちゃら風♪>とあった。

 余るか、そんなもんが。

 西成のおっちゃんらも鹿肉は食べるだろうが、調達するのに幾らかかるんだよ。もっと身近な食材を使ってもらわないと困る。これは困る。これは高等遊民の所儀であろう。

 何代も前から鰹節を作っている港町の工場では、先ず<鰹には無駄になる部分が無い>という事が紹介される。頭は飼料等に、他の部位はサプリメントに、内臓は塩辛(<酒盗>ですね)にするという。飼料は別として、サプリメントも酒盗も値が張るぞぉっ…… そして、更に、その後、<我が鰹節の作り方>となる。

 「モーツァルトを聴かせるんです。モーツァルトが一番美味しくなるんです♪」

 ま、素麺を作る際にクラシック音楽を聴かせるところも在るとは聞くが、それより何より……

 話、逸れとるがな!! 廃棄食材の話とちゃうんか?

 出来上がった鰹節を削って貰い、監督と同行の女性が炊き立ての白米の上に鰹節をのっけて醤油を垂らして食べる。

 「美味しいっ♪」と。

 「それ、本チャン! 廃棄食材を追えよ! そういう映画とちゃうかったっけ?」と思う。

 また、<廃棄食材を用いた精進料理のコース>を提供している寺社も登場するが、和の個室で供される料理を、「目隠しをして食べて下さい」と言う。数年前に、熟成和牛肉を目隠し状態で食べさせる店が渋谷に在ったな…… ってか、この料理で幾ら取るんだよ? ウン万円はするだろうに。

 パン職人 兼 作家の男性が、店頭で売るパンも比較的に高価なものだ。手間暇をかけて作り上げているそうで、ハーフで400円だか、丸々で700円だかする。こういう物を買える人は、まず困窮しないと思う。そして、主にこういう物を買える人達こそが廃棄食材を生み出しているんじゃあないか?

 「う〜ん…… もったいないのは、この映画そのものだったような……」なーんて。

 ……と、ここで、「あー、この作品は<意識高い系の人向き>なんだわ」と気が付いた。だから、本作に登場する土地が一種のユートピアに見えるし、そこで暮らす人々もリアリティに欠ける。更に、各地で供される<廃棄食材を使った料理の数々>も、どこかしら<カフェ風なお洒落飯>である。

 ラスト・シークエンスは、それまでに登場した人たち(全員では無いが)が参加しての、<廃棄食材を用いたカフェ風お洒落飯>を囲んでの野外パーティーだ。めいめいが音楽を奏で、踊り歌う。ここに在るのは、やはりユートピア幻想だ。

 と、ここで思う。

 日本人の食品ロス率が幾ら高いといっても、本当に困窮している人達は消費期限や賞味期限が切れていても捨てないのだよ。意地でも食べるよね。そういう人達には、本作で登場するような<廃棄食材を使っているというのが売りのお高いカフェ風お洒落飯>を摂る余裕も、本作を有料で観る余裕も無い。

 となったら、肝要なのは、(特に有料で)本作を観た<余裕の有る人達>が、鑑賞後にどう考え、本作で描かれた事柄をどう波及させるか、であろう。

 という事を、上映後のアフター・トークでくっちゃべって来た(←ヤな客と思われただろうか……?)

 鑑賞後、そのまま帰宅。

 あー、しんどい……

 寝る。

 以上であーる。


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