ラクサンポ３１７

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。NPOスペースいちごでのスタッフミィーテイング、川口が報告している。
川口
「I氏は介護をしながら、仕事を探しています。なかなか、両立する仕事が見つからず、困ったいます。一週間に一度、相談を受けています。三か月になりますが、余り進展がありません。私の知り合いからの仕事が有ったので、紹介しましたが、終了してしまい、今は無職です」

スタッフ女１
「生活は大丈夫なんですか」

川口
「介護をしている、母親の年金と本人の貯金を取り崩して、生活しています。現在の生活を維持するのが手一杯のようです。この生活もいつまで続くか、不安です。ご本人はオンラインでできる仕事を探しているんですが、面接まで行っても、内定はもらえないようです」

スタッフ男
「もろもろの条件があり、なかなか仕事は決まらないかもしないですね。世間は人手不足で騒いでいるけど。ブラック企業だと、すぐ退職することになるから。このケース、契約期間までじっくり話を聞いて下さい」

川口
「そうですね。力になれないことに気落ちしてしまいました。そう言って、いただくと、肩の荷が下ります」

スタッフ女2
「介護と両立できるようなオンラインの仕事は簡単に見つかりそうで、なかなかないですね」

川口
「自宅で毎日、介護支援の人々が多く、出入りするので、ご本人が気を使っています。それが心配です」

スタッフ女１
「私も経験があるけど、川口さんに愚痴が言えるだけでも、救いになります。話を聞いてください」