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2023年10月09日23:41

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細坪基佳・妹尾 武 〜歌とピアノのドルチェ2023〜東京

フォト
10月7日、銀座ヤマハホールの細坪さんと歌と妹尾さんのピアノのコンサートに行ってきました。上品なクラシックホールの壮麗な残響は、お二人の繊細な音楽が全身の隅々全細胞に染みわたり、心が潤い、綺麗になっていくような心地良さ。まさに極上のドルチェを味わえました。

ピアニスト妹尾さんとの出会いで、ここ10数年における細坪さんの音楽シーンが広がったこと、細坪さんの新鮮な魅力を、年を重ねた今なお堪能できることの幸福に思い及びます。
〜もう一度生まれたばかりの恋人たちのように♪〜by Autumn Morning

セットリスト

01 Autumn Morning 02 もの憂げな10月  03 センチメンタル・ボーイ

☆細坪さんのソロコーナー
04 僕のエレファント 05 望み

☆妹尾さんのソロコーナー
06 材木座(?) 07 白い冬(変奏曲) 08 永遠に(ワンコーラス)

☆風シリーズ
07 風の轍 08 風の螺旋

08 僕は君を思う 09 忍び寄る秋に 10 雲のわだち

☆アンコール
10 明日が来るから 11 風来坊


〇銀座セットリスト
細坪さんのソロ曲で特に好きな「Autumn Morning」「風の轍」を妹尾さんのピアノで、「僕のエレファント」は細坪さん一人ギター弾き語りでが聞けたのでそれだけで感激でした。
鈴木康博さんが「僕のエレファント」の歌詞の意味がわからないと仰ったそうですが(^^;)、細坪さんは「百万本のバラ」をイメージした曲を山梨遼平さんに発注したところ、出てきたのが「僕のエレファント」だそうです。
隣に座るエレファントが一体何者なのか、彼が交信してるが対象がわからないまま、対象への思いに引き込まれていく感じは、ファーストアルバムの「木精」に似ていると思いました。
でも「僕のエレファント」の心情の中心は、深い悔恨にあるので、より沈鬱に感じます。(「木精」は「魂の清浄」を感じます)
「僕のエレファント」は、暗喩表現が秀逸。エレファントが象徴するものは、彼にとって歪な不整合な存在に思えています。口紅の代わりに食べる太陽はトマト、パスタの上で踊る天使は鰹節かな。??

そしてこの日、妹尾さんの繊細なピアノで彩られた「風の轍」。拠り所なく生きにくさを感じていたあの頃、この曲の心象風景にシンクロしていた切なさを思い出していました。
細坪さんは、当時自分の歩んできた道がこれで良かったのか、振り返っても風の轍は目に見えないようで、生き方を逡巡していたそうです。そういう繊細な時もあったんだなあと、他人事のように笑い話にされますが、私はセンチメンタルボーイだった細坪さんを探しているのかもしれないです。
〜アスファルトを蹴って僕は風になる♪〜

※既出の余談ですが、私が細坪さんの名前を知ったのは、79年ふきのとうが活動休止してた頃、NSPの天野滋さんがライブのMCやラジオで頻繁に細坪さんの話をしたからです。やがて細坪さん作詞「愛のナイフ」がNSPのニューシングルとして中島みゆきオールナイトニッポンでかかったのを聞いた私は、即地元IBCトップ40にリクエストしました。そしたら、IBCにはまだレコードが届いていないというので代わりに細坪さんの「愛のナイフ」がかかったんです。「なんて歌が上手いんだろう!!」と、天野さんも良く言ってたけど「本当に声が綺麗!」と驚いた私は、翌日レコード屋にアルバム「木精」を注文しました。
2週間後に届いたレコードのB面「風の轍」から始まる曲群を聞いて、それまで聞いていた歌謡曲・フォーク・ニューミュージックとは全く違った幻想的世界に衝撃と深い感動を覚えました。当時、この世界に自分の居場所が見つけられなかった思春期の私の心に共鳴するものがあったのだと思います。生涯、あとにも先にもこれほど心打たれたアルバムはないです。

〇ピアノ変奏曲「白い冬」
秋から冬へと移ろいゆく「白い冬」の感傷を、華麗にアレンジされたピアノ曲でした、
私が大好きなジョージ・ウィンストンのアルバム「Autmun」&「Winter」風なアレンジで、心は晩秋のただ中に一人佇んでいる心地でした。幸い、妹尾さんの指が良く見える席でしたので、一つ一つの音をイメージ通りに奏でる繊細な指先には、神様が宿ってるようで、見惚れてしまいました。
「ニューシネマパラダイス」もラフマニノフも素晴らしいですが、いつかジョージ・ウィンストンを弾いてくれたらうれしいです。

〇知床旅情
妹尾さんと「にっぽん丸」洋上の旅の土産話をとても楽しそうに語られる細坪さん。
クルーズ船で歌った「知床旅情」2番を軽く歌って、歌詞の解釈をされました。
「ピリカが笑う」の「ピリカ」アイヌ語で、「ピリカめのこ」=かわいい女性という意味で、酔っぱらった勢いで地元の娘を岩陰に連れ込むなんて!と、旅のアバンチュールに異を唱えて笑いを取ってましたが・・・・
えええ?!そうなの〜??父が好きで小さい頃からこの曲聞いてましたが、私はてっきり「ピリカ」はエトピリカで、旅先で女の子にアタックしようとする若い男の子の青さを見て、エトピリカが笑ってるようだ、と解釈してました。「カモメ」「カラス」「ピリカ」の鳥3点セットなのかと。あああ勘違い。
「初夏」もそうだけど、やはり地元の人にしか伝わらないニュアンスってあるんですね。
そうそう、「知床旅情」一番の「白夜は明ける〜♪」。私はてっきり知床には本当に白夜があるのかと思ってました。でも緯度考えたら、あるわけないじゃん!
なるほど〜そうか、夜を徹して飲んで騒いで眠らなかったことを白夜と喩え、そのまま朝を迎えたから「白夜は明ける」なんでしょうね。
二日後の札幌公演のサプライズゲストの名前、うっかりしゃべってしまった細坪さん。ピリカが笑ってそうです。
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〇神田セットリスト
前月神田での関さん久保田さんの重厚なツインギターがエネルギッシュで、聴きたいと思っていた曲をイメージに近いアレンジ・コーラスで演奏され、感激でした。
参考までに、神田明神ホールセットリスト
01ミスター・グッドバーを探して 02鈍色の空 03砂のイニシャル
04風が止まった日 05作品A 06シルバームーン
07山のロープウェイ 08柿の実色した水曜日 09旧友 10あいつが唄ったYESTERDAY
12人生のかほり 13クロスロード 14あの日のように
アンコール 14白い冬 15ENDLESS SONG

この日も聞きたかった曲のオンパレード!!
この日久々のロープウェイは、ちゃんと台詞入りでしたよ〜。
「あいつが唄ったYESTERDAY」のMC、夢破れて東京を去っていく者たちへの眼差し、残る自分の奢りを正し、去っていった者たちの分も夢を追い続けようと決意を新たにする心情に切なさを感じます。 中島みゆきさんの「おまえの家」を彷彿させられます。
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