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2023年10月09日17:49

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エリザベート 1878(Corsage)

 ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、プライドを取り戻すために思いついたある計画とは——。(映画公式ウェブサイトより)





<2023年9月24日 劇場鑑賞>

 少しわかりづらい映画だったと思います。そもそもヴィッキー・クリープスが「ヨーロッパ宮廷一の美貌」には見えない。これは好みの問題かもしれないけれど、でもやっぱり万人受けする美人ではないと思います。で、急に40歳の誕生日から描くので、そこまでどんなことがあって、主人(オーストリア・ハプスブルク帝国の皇帝)に対して怒っているのか、あるいはどういうことがいやだったのか、だからどうしたいと思って行動しているのか、そこが描かれてないからわかりづらいんですね、多分。

 薄くスライスしたオレンジしか食べなかったり(決して小さい人ではないのに、よく体がもつなぁと思いました)、人からいろんなことを言われるから、コルセットも強く締めるんだろうけれど、その割には何に対しても反抗的。じゃ、「私は私なのよ」って言ってやめればいいじゃん、って感じでした。あまり本国にとどまらずに、放浪するのが好きみたいだったけれど、それも具体的に説明されるわけではなく、王に「またどこかへ行くのか」って言われたり、風景が変わったり、移動シーンが描かれるからそうなのかと想像するだけで、それが公務なのかどうかもよくわからなかったし、普通どのくらい許されるものなのかもわからなかった。

 確かに、娘に対する対応が「え?」と思うものだったりするから、王の心配もわかるけれど、王も独善的だったようなので、エリザベートにそこを指摘され激昂するシーンもありました。でも、基本的には王妃に優しいと思うのです。心の内はわからないとしても、優しい言葉をかけたり、出征から帰ってきたら彼女の部屋を訪ねたりしていましたから。ただ、エリザベートがあんまり冷たくするから、王の心も離れていったのではないかと思います。少なくとも映画ではそういう印象でした。もちろん、40歳になるまでの間、いろんなことがあったのでしょうけど。

 最後の展開は出色でした。なるほど〜と思いました。史実なんでしょうね、きっと。もっと早く思いつけば、彼女も早くに幸せになれたかもしれませんね。わからないですけど。

 ともかく、彼女の軌跡を知ってないと理解できない映画でした。基礎知識を入れておくべきでした。
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