ラクサンポ３１６

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。
Zoomで川口の伊藤氏に対して、相談を続ける。

伊藤
「御菓子を納入していたんだけど。空港売店で、お土産として、売れていたものがあったんだ。その営業で行くときだけは楽しかったな」

川口
「菓子か。それをネット上で販売するという仕事はないですかね。それなら、介護しながら、働ける。一番負担がかからないし、伊藤さんの生きがいにもなる。調べてみたら、どうでしょうか」

伊藤
「どうやって。営業販売って、もうルートができているんです。新規で見つけるのは難しいですね」

川口
「個人的に仕入れて、ネット販売したらどうですか」

伊藤
「そんな子ども騙しが通じますか。私の知り合いなんて、100人も居ません。そんな博打みたいなことはできませんよ」

川口
「失礼いたしました。その通りですね。他の方法を考えてみましょう。他に好きなことはありませんでしたか」

伊藤
「通信販売の受付をして、商品を送るなら業務はやったことがある。そんな仕事がないかな。注文を受けた商品を発送する仕事ならできます。小さな商品ならできるかもしないな。在庫置ける処、この家に余りないから」

川口
「それがいいかもしれません。コールセンターみたいな感じですか。ネットで探して、応募してみたら、いかがですか」