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2023年10月04日18:55

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【映画日記】『悪魔の追跡《デジタル・リマスター版》』、『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』

◎9月27日、水曜日。

 朝、起床。

 通所。10月に入ってから即、週に1度は曜日固定で外勤となるはずだったけれど、勤務先の移転作業が遅れていて、中旬からになるという。わかりましたー。

 作業は順調に黙々と。昼休みに『キネマ旬報 2023年10月号』を読む。<恋愛映画の話をしよう>という特集で、川口敦子女史と対談している秦早穂子(はた・さほこ)先生のお話が凄い。映画界での経験も加味された博覧強記振りに恐れ入る。もう90歳を過ぎていらっしゃるが、その矍鑠とした語り口と内容の濃さ! 秦先生の語り本など、どこか企画してくれないだろうか? 「フランスの男の俳優で手が綺麗な人はなかなかいないんだけど、意外にもジェラール・ドパルデューはとても綺麗なのよ」(←大意)とか。そうそう! ドパルデューの手って綺麗なんだよね。ゴールデン・グローブ賞の授賞式の映像を視た時に思ったけど。他にも、もっともっと濃密な話が盛り沢山! それほど長くない対談コーナーだったけれど、これはテーマを変えて、連載にして欲しいぐらい。

 鬼塚大輔氏の海外映画人の伝記本からのエピソード紹介も、毎号、楽しみにしている。ここ数号は、バリー・ソネンフェルド監督の自伝本が採り上げられているけれど、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(←評判が滅茶苦茶に悪いけど、僕は結構に好きなのよ、コレ)撮影時の、ウィル・スミスとのエピソードが堪らない。前号掲載分なんて、地下鉄の車中で読んでいて、声を上げて大笑いしてしまったもの。気に入っていた連載コーナーが、月刊化後に伴って終了してしまった中、このコーナーを残してくれた事は、とても嬉しい。

 通所後、心斎橋に出て、イオンシネマズ シアタス心斎橋とシネマート心斎橋にて新作映画チラシを収集。その後、ブックオフでオンライン注文していた書籍を引き取り。

・『ウディ オン アレン 全自作を語る』(キネマ旬報社:刊、スティーグ・ビョークマン:著)
・『ドキュメンタリー リアルワールドへ踏み込む方法』(フィルムアート社:刊、村山 匡一郎:編)
・『ロードショーが待ち遠しい 早川龍雄氏の華麗な映画宣伝術』(文藝春秋:刊、藤森益弘:著)。
・『ブラック・フォン』(ハーパーBOOKS:刊、ジョー・ヒル:著)

 ヒジョーに安価であった。が、『ブラック・フォン』は、『20世紀の幽霊たち』(小学館文庫:刊)の改題・再版であった。『20世紀〜』は読了済&所有済である。嗚呼……

 シネ・リーブル梅田に移動。前日に来たばかりだというのに、新作映画チラシが1種類追加されていた。漏れのないようにきっちりと確保。


●『悪魔の追跡《デジタル・リマスター版》』

【バカンスの最中に邪教集団の殺人儀式を目撃してしまった二組の夫婦が追われる! 追われる!!】というオカルト・サスペンス。

 1975年製作・公開作品。

 パンフレットは、昔に古書店で投げ売られていたのを確保して所有している。鑑賞するのは今回が初めて。

 監督はジャック・スターレット。1960〜70年代を中心にB級映画を撮り続けた人。俳優としても活動していて、そちらの代表作は『ランボー』のアーサー保安官役だろうなあ。スタローンを追い詰めるけど、ヘリコプターから転落死してしまう悪役を演じていた。クエンティン・タランティーノは、ジャック・スターレットをリスペクトしている。

 脚本は珍品『Mr.オセロマン/2つの顔を持つ男』のリー・フロストとウェス・ビショップのコンビ。リー・フロストもB級映画界の職人として知られる存在。

 でも、これ、製作&配給は、超メジャーの20世紀フォックス(現在はディズニー傘下となった20世紀スタジオ)なのよ。70年代、フォックスは経営不振で傾いていて、外部からインディーズ・シーンの映画人を引っ張って来て、低予算映画を製作して凌いでいたのね。本作の前年=1974年に『タワーリング・インフェルノ』を共同製作していて、北米配給も手掛け、大ヒットしたところだったので、少し持ち直していた時期なのだけれど、アレは世界配給はワーナーだったので、経営が完全に立ち直る程には稼げなかった。その中で作られたのが本作というわけ(フォックスが完全に持ち直すのは、この2年後。1977年。そう、あの『スター・ウォーズ』の超メガ・ヒットによって、であーる)

 さて、本作。

 現在ではカルト化していて、熱狂的ファンも多く付いている作品だけれど……

 当時、ブームだったバイカー映画とオカルト映画の折衷なのだけれど、前者の色合いの方が濃い。オカルトと言っても怪奇現象らしいものは起こらない。

 う〜ん…… カー・アクションは凄いけれど、全体的に僕の好みでは無かったし、評判程の出来かなあ?、と思う。4年前の『激突!』の方が余程に面白い。

 ピーター・フォンダとウォーレン・オーツの顔合わせ(三度目)は、息もピッタリと合っていて良かったけれども。まあ、低迷期のフォックスが放った怪作といったところ。田舎のカルト集団を扱った作品なら、本作に影響を受けたというケヴィン・スミス監督による隠れた秀作『レッド・ステイト』(2011年)の方が俄然に面白い。個人的にはハズレかなあ…… 期待をし過ぎた。


●『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』

 上映最終日になって、ようやく鑑賞。ギリギリセーフっ!!

 少し前に、『禁じられた遊び』(2023年、日本)の【映画日記】で、中田秀夫と清水崇の名を出して、彼らの最近の監督作品に関して否定的な文章を認めたが、白石晃士を忘れていた。イカン、イカン! ホンマ、忘れていた。申し訳ない。彼、気を吐いてます。内容面では孤軍奮闘&大健闘している感あり。

 人気フェイク・ドキュメンタリー(=モキュメンタリー)である『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズ(OV8作+劇場版1作がリリース済)の最新劇場公開版にして最終作(らしい)。

【怪奇映像番組プロデューサーの工藤のもとに、新たな投稿動画が寄せられる。とある廃墟の中で生じる怪現象と、そこに居る正体不明の<鉈を手にして襲い来る赤い女>の謎を解き明かすべく、<コワすぎ!チーム>が再結集し、決死の体当たり取材を敢行する!】というスジ。

 いやあ、コレは、とても面白かった!! 

 「ここからノーカットでお送りします」とテロップが出た後、巧みにカットを割ってるのだけれど、そういうのを気にしちゃダメ。ノッた者勝ち。

 白石晃士監督作品は、『不能犯』、『地獄少女』、『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』等の近作を未見で、僕にとっては2016年の『貞子vs伽椰子』(←これはボチボチだった)以来だったけれど、やはりフェイク・ドキュメンタリーの旗手だよなあ、と。面白いよ、うん。秀作『ノロイ』を筆頭に、佳作『カルト』、難も有るが捨てがたい『ある優しい殺人者の記録』辺りが好きなのだが、他にもこの監督の作品は『口裂け女』と『讐 〜ADA〜』二部作を除いては概ね好きだ(←『口裂け女』は特に大嫌い。虐待物なので生理的に無理……) 

 ほんの少しだけれど用意されているラヴクラフト的な描写にもニンマリ。白石晃士監督作品で御馴染みの<霊体ミミズ>らしきモノも出て来る。いずれも白石晃士印。78分という短めの尺の中で過不足なく大いに楽しませて貰った。

 『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズは、レンタル落ちのDVD全作が投げ売られていた際にまとめて購入してあるのだが未見のままだ。これを機に、引っ張り出して来ておいおいと観ていこう。

 客入りは20人〜30程度だったけれど、場内の雰囲気がとても良かった。シリーズのファンらしき若者勢が多く、僕も含めて、そこかしこでゲラゲラと笑い声も。終映後も、皆さんの充実感&満足感が漂っていてニンマリ♪

 これは観に来て良かったなあ! 最初はノーマークだったのだけれど、妙に気になって観に来たのだけれど、それが大正解だった♪


 充足感に浸りつつ、帰宅。

 夕食を摂って、しばらくのんびりとしてから眠ろうとしたが、ろくすっぽ眠られず。

 不眠のまま朝を迎えた。


◎9月28日、木曜日。

 午前中に買い物。

 昼過ぎに自立支援関係の家庭訪問が有ったのだけれど、実に3時間。で、その内、2時間40分が映画と小説の話。その長丁場の間に繰り出される話題の殆どが(少なくとも映画に関しては)間違いだらけなのである……(^^;) この調子で、ずっと約3時間…… 正味、疲弊した。そのため、「もう、どうせえゆうねん……?」という気分になったのも無理はあるまい。あるまいが、普段からお世話になっているし、とても優しい方だし、勿論、悪気がおありの訳でも全く無く、実に楽しそうにお話をなさるので止める気にならなかった。その中で、「コレは小説じゃないのですが……」としてオススメくださった本が『謝るなら、いつでもおいで: 佐世保小六女児同級生殺害事件』(新潮文庫:刊)。重そうだな…… ま、機会があれば……

 その後、10月3日にOPENする扇町キネマのオンラインチケット購入を押さえようとするも、システムの不具合で、なかなかチケットが購入出来ず。2日前から、この調子だ。今回が3日目のトライ。でもまあ、新設だから、そりゃあ色々とあるわいな、この3日間に渡って担当さんと電話やメールでやり取りをしながら購入手続きを何度も繰り返した訳だが、結果、この日の夕刻遅めには、無事にチケットを購入する事が出来た。

 ただ、チケットの購入が完了した段階で、ドッと疲れが。ろくに眠ってもいないし。

 そのため、【ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023】 『ニンフォマニアック Vol. 2 ディレクターズカット完全版』は断念。『Vol. 1』を観ているので、これも当然に劇場で観たかったのだけれども、気持ちが「ポキンっ!!」と…… めげたのである。まあ、しゃあない。諦める。

 というわけで、この後は寝た。爆睡。


 と、この2日間については、こんなところであった。

 以上である。


<左添付画像使用許諾:(C)1975 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 2003 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.>
<中&右添付画像使用許諾:(C)2023「戦慄怪奇ワールド コワすぎ!」製作委員会>
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