ジャニーズ問題に対する徒然の想い

昨夜ジャニーズ事務所の会見をニュースで見た。
私が見たのはダイジェスト版ですべての質疑応答を見たわけではないが、東山紀之氏、井ノ原快彦氏の質疑に対する姿勢、発言の内容は大したものだと感心した。
私が彼らの立場だったら、あのような受け答えはできなかっただろう。
先日の日大の記者会見が如何に薄っぺらだったかを感じるものだった。あの日大の澤田副学長なる男の浅はかさが滑稽にすら感じてしまった。もっとも私でも澤田副学長よりはマシな話が出来ただろう。

さて昨日（9/7）の質疑応答であるが、矢継ぎ早に次から次へと投げかけてくる質問の中には、悪意と中傷が目的と思われる質問も数多くあったように思う。マスコミをかたる下世話な人種の集合体から投げかけられる言葉は、ジャニー氏と同レベルの愚劣な生き方をしているからこそ発せられるのだろうと感じるものもあった。
メリー氏、東山氏、井ノ原氏を庇うつもりはない。見て観ないふりをしてきたという罪は大きい。しかし、20年前だったら彼ら3人がここまで叩かれ矢面に立つこともなかっただろう。社会の常識も、モラルも、正義も時代と共に変化している。

また東山氏にパワハラの疑惑があることもこの会見で知った。
ハラスメントという言葉すらなかった昭和の時代に芸能界に入った東山氏と、平成以降の生まれの世代とではハラスメントに関する認識も違うはずだ。
昭和の時代は、師や先輩から教わる際に怒鳴られたり頭を小突かれたりは当り前だった。その時代を東山氏は、誠実に研鑽を積んできたから現在の彼のストイックな姿があるのだろう。
彼が育った時代は、一般社会や会社でも怒鳴ったり小突いたりは日常茶飯であった。
けしてパワハラを肯定しているのではないが、そのくらい時代と共に正義は変化したことは事実である。世代が異なる者と接する際は、このことを肝に銘じなければならない。
私自身もこのようなことでは痛い思いをしてきた。

私は芸能界に入りたいとも芸能人になりたいとも思ったこともないし、その素養も皆無であったが学生時代の18歳から4年間、戦隊もののスーツアクターをやっていた。
これも大学のクラブのOBが芸能事務所まがいことをやっていたので、強制的に土日及び夏休み冬休み等に遊園地やデパート等の屋上で戦隊もののショーに出されていた。最初は、アルバイトの程度の心算だったが、そこに来ている人は本気で役者やアクションスターを目指している人ばかりだった。
だから子供相手のショーでも手を抜かず、アクションの立ち回りは体が覚えるまで練習させられた。当然小突かれ罵倒されながら覚えた。
一緒にやっている人の中には役者や歌手として活躍した人もいたが、ヒモの様な生き方をしている人も多く、性に関するモラルも別世界のモノだった。自分の生きる世界ではないと感じていた。
テレビに出るために番組制作担当者に渡す袖の下の額などよく耳にした。
女優などはパトロンを持つのがその世界では公然となっていたが、写真誌もnetもない時代だからそれでよかったのだろう。
とびぬけた運と才能を持たないと芸能界で生き抜くのは至難であることを知った。
芸能事務所まがいのことをやっていた先輩が廃業する際に言った言葉は「この業界の人間とつき合うのが嫌になった。まともな人間が少なすぎる」だった。

ジャニー氏の性犯罪に対する賠償の話が出ていたが、果たしてどう償うのであろうか。
極めて下世話な話になるが、ジャニー氏に気に入られようと色目を使った子供もいただろう。あわよくばと志願した子供もいたかもしれない。
下世話すぎる勘ぐりであるが、被害にも合わず売れなかった者の中には、オレの人生を返せと賠償を要求するものもいるかもしれない。
そして、それを見極める手段はない。

このような難局に立ち向かう東山氏、井ノ原氏にはいばらの道が待っている。さらにマスコミは二人に好意的な目を向けてはいない。
その上で何人になるか分からないのが被害者の数である。これから名乗りを上げる人間も少なくないであろう。

東山氏は、今年度いっぱいで引退とのことだが、サンデーLIVEのMC、必殺仕事人の渡辺小五郎、刑事7人の天樹悠役を続けて欲しかった。
井ノ原氏にも、アド街ック天国のMC、警視庁捜査一課9係の浅輪直樹役を続けて欲しいものだ。

2023年9月7日に、マスコミから質問攻めにあいながらも真摯に答えていた東山紀之氏、井ノ原快彦氏の姿が印象的であった。



ジャニーズ事務所の会見、NHKと民放キー局の声明そろう　今後の起用への言及分かれる【各局全文】
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