特撮に新機軸は不可欠なのか？

キングオージャーの脚本家である高野水登さん。Twitter（じゃないのか）でキングオージャーの裏話などをつぶやいてくださるのでとても楽しいです。
https://twitter.com/TakaMinaCalpis?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

以前「斬新なアイディアを考えたと思って『こういうのはどうでしょう？』と提案すると『〇〇ジャーでやってます』と言われ、また新たに面白いことを思いついて提案しても『これは数年前に〇〇ジャーでやりました』と言われちゃう。戦隊の偉大な歴史おそるべし」というような内容のツイートをされていたんですね。

そうやって高野さんが悩みに悩んで書き上げた脚本だから、キングオージャーは唯一無二の面白い戦隊になっているんだと思うと本当に頭が下がります。

でも、これは高野さんやキングオージャー、最近の特撮全体に対しての批判ではなく疑問なのですが、新機軸ってそんなに大切なのでしょうか。

もちろん誰も見たことないような、びっくりする展開が見られるのはうれしいです。時代のニーズに合わせて売れ線の展開にしていくことも商業作品としては大切です。視聴率とか玩具売上なんて関係なく、ただ面白いと思うものを出したって、それは商業作品じゃなくて同人誌と同じレベルですよね。

昔は良かったという懐古主義な話を書きたいわけではないのですが、時代は変わっても、子どもがかっこいいと思うもの、楽しいと思うことの根本は変わってないと思うんですよね。極端な話、ガッチャードが本郷猛の1号並みのバイクアクションを見せたり、キングオージャーがゴレンジャーハリケーンやパワーバズーカのような必殺技を見せても、今の子どもたちはカッコいいって思ってくれますよね。

第一「この話って〇〇ジャーでもやってたやん」なんて思いながら見るのって、私のようなバカみたいに特撮が大好きな人間だけだと思うんですよね(^_^。普通は2、3年で卒業してしまう特撮番組だからこそ、ただただかっこいい、面白いシーン満載の番組であって欲しいんですよね。新機軸だとか、前にやったことあるとか関係なく。

今年のウルサマ、私は行けませんでしたが毎年行ってる姪によると今年は大混雑だったそうです。ブレーザーは傑作だと思いますが、新しい部分は多いものの、防衛隊とウルトラマンの協力とか、人間と怪獣や宇宙人との関係性など、50年以上前と基本的なストーリー展開は変わってないんですよね。なのに大人気なんです。

キラメイジャーで玩具売り上げがどん底となり、今のままではダメだとゼンカイジャーから新機軸、新機軸と挑戦しているスーパー戦隊。確かに今の戦隊も面白いし、玩具売上もV字回復して良かったなと心から思いますが、新機軸にこだわり過ぎて大事な大切な部分が見失われることがないように願っています。私は戦隊に関しては極度の心配性なので、ちょっとでもネガティブな部分が見えると不安になっちゃうんですよね(^_^。

奇しくも次回のキングオージャーは、戦隊では何度も繰り返されている入れ替わり回なんですよね。新機軸ばかりではなく、面白いと思うものは昔の遺産からもどんどん持ってくる。それでいいと思うんですよね。キングオージャーだからこその入れ替わり回の妙を楽しみにしています。