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2023年09月03日16:27

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テノール! 人生はハーモニー(Tenor)

 パリ・オペラ座を舞台に、類まれな美声を持つラッパーと一流オペラ教師の運命的な出会いを描いたヒューマンドラマ。

寿司の配達のためオペラ座ガルニエ宮を訪れたラップ好きのフリーター青年アントワーヌ。ふとしたことからオペラの歌真似をした彼は、偶然その場に居あわせた一流オペラ教師マリーに才能を見込まれてスカウトされる。自分とは住む世界が違うと考えながらもマリーと2人で秘密のレッスンを始めたアントワーヌは、次第にオペラに熱中していくが……。

音楽オーディション番組「THE VOICE」で注目されたビートボクサーのMB14が主演を務め、自らオペラ歌唱にも挑戦。「100歳の少年と12通の手紙」のミシェル・ラロックがオペラ教師マリーを演じ、世界的テノール歌手ロベルト・アラーニャが本人役で出演。(映画.comより)





<2023年8月20日 劇場鑑賞>

 都会でも限られた映画館でしか上映されていなかった作品が田舎に降りて来たので、張り切って見に行きました。話自体は予定調和な感じでしたが、その分安心して見ていられました。無粋な私は主演の青年を知らなかったのですが、インド人みたいな髭いっぱいの濃〜い顔で、朗々と歌い上げたあのオペラが吹き替えではなかったなんて!すごすぎます。

 裕福ではない主人公とその兄は、毎日かかって来る母親からの電話に閉口しながらも、それなりに仲良く暮らし、地元では敵対するグループと常ににらみ合っているとはいえ、仲間もいて、まぁなんとか暮らしています。兄は教養はないのですが腕っぷしが強く、(多分)違法で行われている闇ファイトで、強そうな相手を倒しては賞金を稼いでいます。弟は数学の才能があるので、寿司デリバリーでバイトをしながら、夜間、会計士の講義に通っています。弟はラップも歌っていて、時々ラップバトルにも出ています。

 ある時、いつもの寿司デリバリーを届けると、そこはオペラ座・ガルニエ宮で、高名なオペラ教師がレッスンを行なっているところでした。レッスンを受けている金持ちそうなボンにバカにされた弟は、怒りに任せて反論。そのついでにオペラを真似て歌いました。それが思いのほか美声!教師の目に留まります。そこから、紆余曲折があるとはいえ、サクセス物語が始まるわけです。

 そんな夢物語、地元の仲間にも兄にも理解されません。兄は揉め事を起こして一時拘置所に入ったりするし、母親に悟られまいと「日本に行ってる」と弟がウソをついたものですから、釈放された兄はバックに日本のポスターを貼って、母親との電話をごまかさなければなりません。そこが一番ウケたシーンでした。夏なのに、背景を変えなければと、冬の金閣寺を貼ったりするものですから、仲間に「日本は南半球か?季節が逆なわけないだろ」と言われても「でも、時差が8時間もあるんだぜ。季節だって冬だろう」などとのたまう兄。いい人なんだろうけれど、爆笑でした。

 それにしても、パリ・オペラ座は美しいですね。私は、フランスもオペラ座へも行ったことがないのですが、この映画で改めてその荘厳さを確認しました。贅沢ですね。ベテラン女優のミシェル・ラロックもさすがの存在感。青年MB14も、覚えておきます。俳優じゃないのかもしれないけれど、また映画でお目にかかれるといいですね。


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