下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【31】
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mixi日記2023年02月日から
【「ぶり」は「待ち望んでいたこと限定」?……辞書の限界】1〈1〉〜〈5〉辞書
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12811464203.html
がズルズルと長くなったので、ポイントをまとめる。
「ぶり」は「待ち望んでいたこと限定」という考えが昔はあったらしい。でもいまはあまりこだわる必要はないみたい。
NHKのサイトは下記のように断定している。
===========引用開始
<注意>「〜ぶり」には、語感の中に「待ち望んでいることへの期待感」を含んでいるので、「○年ぶりの大病」などという言い方は普通しません。
===========引用終了
一部の国語辞書や『記者ハンドブック』にも同様の記述がある。おそらく、これが従来の考え方。
一方で『明鏡国語辞典』は〈●好ましくないことにも使う〉と明記している。
どちらの考え方もできるということじゃないかな。
「ぶり」がダメだとすると、「以来」あたりを使うことになる。
ちょっと補足すると、「○年ぶりの大病」は不自然だけど、それは「ぶり」のせいではないのでは。「2000年以来の大病」にしても相当不自然。理由は説明しにくい。そんないい方はしない、としか……。
完治したつもりが「3年ぶりに再発」ならさほどおかしくないだろう。これはこのままでは「〜以来」にしにくいので自然な文にするには少し工夫が必要。だから「ぶり」が異常繁殖したのかもしれない。
個人的にはこういう場合は「制約の緩いほう」をとるようにしている。つまり「どちらでもOK」。ただしそれは他者の文章をチェックするときの基準で、自分で文章を書くときはもう少し判定がカラくなる。ちょっとでも怪しいと思う表現はできるだけ使わないようにしている。
ただ……「待ち望んでいたこと限定」はかなり疑問。
昨秋(2022年)の新聞には「これで巨人は5年ぶりのBクラス」といった記事が山ほどあった(↑の〈5〉参照)。けっこうフツーに使われているから、批判する気はない。自分で書くなら……「ぶり」を避けて「これで巨人は2017年以来のBクラス」あたりかも(2017年以来だよね……このあたりが曖昧になるのも「ぶり」の欠点だろう)。そんなにおかしくないから「5年ぶり」も使うかもしれない。
たとえば「1年ぶりに帰省した」ならフツーだろう。別に「昨夏以来の帰省」でもいいけど。
待望の帰省なのか、イヤイヤの帰省なのかは……この段階では不明。そこで散々な目に遭ったのか、感動的な再会があったのかは……それは一種の結果論だろう。これも別の話のはず。
「〜ぶり」の使い方は、印象が似ている「久しぶり」と比べるとわかるかも(↑の〈6〉参照)。
「久しぶりにイヤな夢を見た」
「久しぶりにハッピーな夢を見た」
「3日ぶりにイヤな夢を見た」
「3日ぶりにハッピーな夢を見た」
どれもフツーに使えそう。「待ち望んでいたこと限定」なんてことはないのでは。
以下は理由不明の現象。
個人的には「9年ぶりの大地震」「3年ぶりの低成長」にはちょっと異和感がある。
でも、「3年ぶりのヒドい発熱」だと異和感が弱くなる。
さらに、「この規模の大地震は9年ぶり」「これだけの低成長は3年ぶり」「こんなひどい発熱は3年ぶり」のように「ぶり」を後ろにもってくるとほとんど異和感がなくなる。
理由は不明。言葉の問題は、理屈では説明できないことが多々ある。なんでもかんでもそういってしまうとミもフタもないけど……。
本質坊主が無理やり説明しようしているが、論理展開があまりにもホニャララでまったく説得力がない。というより、あの書き方では常人には伝わらないよなぁ。
いつものことだけど。
【本質坊主の念仏コメントに対する世間の評判】
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