mixiユーザー(id:7889942)

2023年08月05日07:03

41 view

今年の2月に広島の教育委員会で平和学習教材から『はだしのゲン』が外された

杉山和彦
2日 ·
2023年8月発売の最新コラムで初公開です。
私、杉山は、郵便配達員を30数年しています。また、郵政労働者のための全国誌"伝送便"に、毎月、連載して、4年を超えました。今回は、はだしのゲンについて書きました。良かったら読んでいただけると嬉しいです!
人間は何て愚かなんだろう!戦争は怖い!原子爆弾は恐ろしい!と
私が強く意識したのは、学校の図書室で『はだしのゲン』を読んだ時からです。
あれから40数年、意識したのは確かですが、確実な記憶はボロボロで手垢だらけの汚れたマンガだった事。
原爆投下直後に、身体中の皮膚がドロドロに溶け、水を求めて彷徨う群衆の絵、
今、覚えてるのはそれだけです。
そんな記憶を呼び覚ましてくれたのが、今年の2月に広島の教育委員会で平和学習教材から『はだしのゲン』が外されたというニュースでした。
そこで、久しぶりに『はだしのゲン』を読んでみました。
この『はだしのゲン』は終戦直前の広島市に住む中岡元(ゲン)という少年が主人公で8月6日に米軍に投下された原爆によって、父、姉、弟を亡くしながらも、たくましく生きる姿を描いた作品で、原作者の中沢啓治さんは、実際に広島市原爆で被爆しています。
久しぶりに読んで感じたのは、序盤の主人公はゲンではなく、父親の大吉だと言う事です、
大吉は、筋金いりの反戦主義者で、子供たちに、戦争は絶対にダメだ!と徹底的に教育します。
そのため、ゲンをはじめ、他の兄弟たちも近所から白い目で見られ学校でも先生や同級生たちに虐められます。
戦争に協力しないため特高警察から激しい拷問を受けても、時代に逆らい大吉は絶対に考えを変えません!
しかし断腸の思いで息子の浩二の出征だけは許してしまいます。
母の君江が「何のために浩二を必死になって育ててきたんですかね、戦争で簡単に命を捨てさせるためだったんですかね」と言うと
大吉が「バカたれ!戦争に行くことが勇気のあることだと、思ってるのか!卑怯者、臆病者と言われてもええ!非国民と罵られてもええ!自分の命、人の命を大切に守る事が一番、勇気のいることなんじゃ!」
私は、この言葉が一番、印象に残りました。
もし自分がゲンと同じ時代に生きてたら大吉と同じ勇気を持てるだろうか?考えさせられました。
また、この作品は、近所に住む朴さんを登場させ在日朝鮮人への差別も描いてます。
『はだしのゲン』を平和教材から外した理由の一つに、
一部の表現が現代の生活実態に合わないとの事です。
当たり前です!戦争は虫も殺せない普通の人を簡単に殺人鬼にさせます。
生活実態も含め何から何まで今とは違う狂った時代を正確に表現した作品なのですから。
戦争を描いた、最高傑作、いつまでも、多くの人に読んで欲しいと久しぶりに読んで感じました。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年08月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031