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2023年06月20日14:56

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落語覚書 / 第153回 江戸川落語会〜新作も古典もウキウキの会〜

6月16日(金)18時半開演@江戸川区総合文化センター小ホール

古今亭松ぼっくり「のめる」
春風亭昇々「指定校推薦」
柳家喬太郎「夢の酒」
仲入り
古今亭文菊「ちりとてちん」
柳家喬太郎「母恋くらげ」
(お囃子/太田その)

在宅勤務のいいところは、地元の落語会に平日の夜ならやりくりして行きやすいこと。
喬太郎が新作&古典落語の2席演ってくれる嬉しい企画。落語会の場合、独演会でも
なければ通常一人一席なので、始まるまで新作か古典かはわからない。
この会はどっちも演ってくれるので安心♪


●古今亭松ぼっくり「のめる」
もちろんマイクは使っているのだが、なかなか通りのいい声。
志ん陽の弟子だそうだが、同時に真打になった文菊は本日登場だが、師匠は出ないのね。

●春風亭昇々「指定校推薦」
昇々くんはどこかで見たような気がするが、もしかしたら初めてかも。2021年5月上席からの真打披露興行のはずがコロナで寄席休業延期など、不遇だったよう。まずは地元いじり。松戸出身の彼が、松戸の花火大会が江戸川花火大会と必ず同日になって、規模で負けると。今年は何周年かで打ち上げ数が倍になって初めて勝つ!と宣言。
噺は新作落語。後から喬太郎も言っていたが「ここまで偏差値のことを真っ向から語る噺も珍しい」って。滑舌もすごくいいし、聞きやすくよく通る声だった。面白い噺だったし、頑張って欲しいです。

●柳家喬太郎「夢の酒」
なんかこの会のお客って素直によく笑うようで、どの噺家も褒めるのよね。喬太郎は「新小岩から頑張って歩いてきた同志の連帯感」だって言ってた。登場前に見台(釈台と言っていたが、膝隠しがあったか見ていなかった)が松ぼっくりくんによって用意されたが、一年前ぐらいから足が悪くなって…と本人の口から初めて聞いた。

「枕が変わると寝られないなんて方がいらっしゃるようですが、マクラが悪いと落語が出来ない。」なんて話から本題へ。旦那が寝ているところを見ていたおカミさんの登場で「天狗裁き」?が、起きて問われた旦那は夢の内容を話し始める。ああ、「夢の酒」かぁ!夢に登場する御新造さんがとっても色っぽい。これは喬太郎が演じているのだが、話しているのは旦那なのだから、ずいぶんのろけて調子に乗っているとも言える。ふと子供と目があったようで「こんな噺、子供の前でいいのか?笑ってるからいいか。」と。
このところ「天狗裁き」は続いていたが、「夢の酒」は珍しいかも?「天狗裁き」は夢の内容を聞きたがる周りに対して、内容を決して語らない。「夢は見ていない」と、嘘かホントかわからないのだが、もし最初におカミさんに語っていればこんな顛末になっていたかも知れない。…なんて思うと、この2つの噺は、きっかけは同じでなんか表裏な感じがして面白い。

まずは古典落語の一席で緞帳が降りて仲入り。

●古今亭文菊「ちりとてちん」
「文菊ってどんなだっけ?」と連れに聞かれ、「ほら、坊主頭で…」「噺家にいっぱいいるよ」「う〜ん、生臭坊主みたいなさぁ」って、酷い言い方。。でも文菊は二つ目の頃から好きだった。妙に落ち着いた雰囲気とか。久々に聴いた文菊は、俯き加減でうっすら笑い「落語家ってやつは、大変弱い生き物でしてね…」なんて淡々と話し出すところは喜多八か!と突っ込みたくなるし、「面白いことも言えないですしね」「見た目も、こんな生臭坊主みたいでキモチ悪いでしょ?」だって!自分で言っちゃった。順調に自分の世界を育てていてすごく嬉しくなった。もちろん噺が始まれば、登場人物はどれも生き生きとしていて全く違う人物に描き分けられる。いやぁ、やっぱいいわ♪こういう「どうだ面白いだろ?」って言わないのに、超可笑しいヒト。そんでもって上手いやね〜!

●柳家喬太郎「母恋くらげ」
噺家はいろんなところに行って落語を演るけれど、交通の便が良くなって遠くても日帰りが多い。飛行機や新幹線は「さぁ行くぞ!」ってなるから覚悟ができるけど、厄介なのは中途半端な距離。ちょうど池袋から新小岩ぐらいが遠くて…せいぜい平井までです。の地元いじり♪そして池袋の地元話。お馴染み、池袋西武デパートと東武デパートの擬人化。今は無くなってしまった地元の変な店の自虐ネタ。昔はその辺の店先にも「ゆすりタカリお断り」の貼り紙がしてあったもんだけど。
旅の話からキレイに「母恋くらげ」になってたかは忘れた。脱線して池袋に行ったような?

客席に子供がいたのでこのネタ?「夢の酒」で散々色っぽい仕草を演っておいて、今更遅い。それとも「アリエル」実写版公開に合わせて?いやいやどっちかというと「ニモ」に近い「母恋くらげ」。喬太郎が「みかん・電気・水たまり」の三題噺として作った本作。クラゲの仕草を丁寧に教えてくれたのがさん喬師匠だと初めて聞いた。え〜〜〜っ?!…新作ネタについて語る師匠のカワイイ姿が目に浮かんだ♪
ずいぶん久しぶりに聴いたが、ちょっと古さを感じる。頑張ってAKBやNiziUは出てくるが。今の子供たちは遠足のバスの中で何を歌うんだろ?一瞬、新しい学校のリーダーズの「首振りダンス」をバスの席で一斉に踊っている姿を想像して怖くなった。。。


なかなかに面白い番組であった。
こちらの江戸川区文化センターで行われる落語会は、プロデュースしている会社の知人がいて企画を頑張って考えているようだ。一昨年までは、小三治を年一で呼んで目玉を作っていたのだが、師匠の訃報により無くなってしまってとても残念。でも、このような楽しいプログラムをまた考えてくれ、長く続く伝統のある落語会を続けていって欲しいなぁ。

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