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2023年06月14日11:07

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小説・葛飾北斎 読了

☆【葛飾北斎】小島政二郎著 1990年11月10日 (株)青樹社刊

発売された時に読ませて貰いました。
内容は覚えてました。写楽と北斎の友情物語で芸術論でした。
特に写楽の身体に関する記述を読み、その後 ロートレックの映画を見た時に衝撃を覚えました。
もしかしたら、著者はその事を知っていたのでは・・・。
あの時(今から33年前・私40歳)自分が老いる事も長生き出来る事も想像がつきませんでした。
この歳(73歳)に成って、北斎の老いる気持ちが手に取る様に解ります。
若い時出来た事が段々と出来なくなって来る。
肉体的な事では「徹夜」ですね。三日くらい体調が良く無いです。
節々は痛むし・・・徹夜・・・夢のはなしですね。
精神的な事は「根気」が無くなりましたね。
同じ事を何回も繰り返すのは、若い時から苦手でしたが、最近はもっと酷いです。
足の怪我?も有り、外出がいささか苦手になっております。
特に天気が悪いと・・・心がくじけます。
傘をさして歩く事事態おっくうになりました。

【藝術論】
著者は、名人上手をリアルタイムで見ており、その「引き事」が見事です。
落語は橘家圓喬(先人の文楽・志ん生・圓生も声を揃えて名人と言ってます。)。
亡くなった、三遊亭生之助師が当時のレコードから録音したものを、師・圓生に聴かせたら・・・。
ひと言 「これは私の知っている圓喬ではありません。! 圓喬はもっと上手いです!!」。
今の様な録音技術が江戸や明治にあったら・・・私などはおまんまの食い上げですね。
講釈は、神田伯龍(私が知っている伯龍の師匠)と神田伯山。
小説「一枚看板」は、確か伯龍師がモデルです。
自分の眼で見た芸の批評をこの小説を通して見事に活写しております。
写楽と北斎の「初刷」を一番所有しているのが、米国のボストン美術館。
記憶違いで無ければ「版木」も所有してるはずです。
随分前(足が悪くなる前・7年以前)に国立上野博物館でボストン美術展を拝見しました。
アメリカが持っているなんて・・・。
*大英博物館の日本コーナーも素敵な作品が有りました。

そして、そうかここに書いてあったんだ! という名文句?
「女房にうまい物を食べさせもしないで、家でうまい物を食わせろというのは、
言う方が間違っている」
彼はそういう考えを持っていた。だから、お豊(女房の名前)をいろいろなうまい物屋へ連れて行った。
*我が家では、都内に在る店は実行しております。
 と、いっても貧乏所帯ですから、誰もが行けるお値段です。
とにかく「藝に対峙する姿勢」をこの本から沢山学ばせ貰いました。
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