下記の仲間。
日本語アレコレの索引（日々増殖中）【31】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984406750&owner_id=5019671
mixi日記2023年06月04日から
テーマサイトは下記。
【企業が『結果を出す』って変な言い方です？倒産という結果を出すという場合もあるのに考慮外でしょうか？】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13486949.html
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始
質問者：ぐるぬいゆ質問日時：2023/06/02 20:45回答数：10件
なぜ、『結果を出す』＝『儲けを出す』という変な言い回しが定着しているのでしょうか？
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了
この言い回しは以前から気になっていた。
【論理的には説明できない「矛盾語」たち──日本語はむずかしい】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-904.html
〈166 結果を出す〉
辞書の扱いや、信頼できるサイトの判断に関しては、No.10のかたが書いているので、ちょっと主観によったことを書いてみたい。
本来、「結果」は「よい結果」も「悪い結果」もある。
それがいつしか「結果を出す」は「よい結果」限定になっていて、辞書の扱いも軒並みそうなっている。
一部の辞書の書き方の変遷に、言葉の使われ方の変化が感じられる。No.10のかたのコメントからひく。
●『新明解国語辞典』第六版（2005年）〜第八版（2020年）
第六版から〈「結果を出す（が出る）」などの形で、成果の意味に用いられることもある〉
●『明鏡国語辞典』
［表現］近年、「結果を出す」「結果が出る」「結果が求められる」などの形で、よい結果の意味に使うことも多い。「天気」をよい天気の意味で使うのと同趣。
※第三版で「近年」がなくなる。
●『岩波国語辞典』 第七版新版（2011年）
�△療勝�「結果を出す」で好ましい結果を指すのは、プロ野球から広まった。
●『三省堂国語辞典』 第六版（2008年）
・結果を出す［慣用句］〔俗〕期待される成果をあげる。
※第七版で〔俗〕でなくなる。
けっか［結果］
�¬椶妨�える成果。「結果を出す・結果を残す」〔一九九〇年代に広まった言い方〕
以下は省略。
〈プロ野球から〉〈一九九〇年代に広まった〉は、辞書が書いているんだからそんなものなんだろう。後述するサイトにサッカーの「三浦知良
選手＝カズ」が最初という説もあるが、真相は……わかりません。
個人的な印象でも、「企業」の用語というより「スポーツ界」の用語の印象が強い。
なんでこんな言葉足らずな言い方が広まったのかは知らない。でも辞書が軒並み認めているから、もうダメなんだろう。
【もうダメかもリスト】〈3〉──けっこう厳選（笑） 20130701
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2796.html
〈2-17 結果を出す〉だからかなり古いと思う。
おそらく、「結果になる」「結果が出る」だと、「悪い結果」もありうる。
でも目標として「結果を出す」だったら必然的に「よい結果」限定になるのだろう。
そもそも〈本来結果は“出る”ものであって“出す”ものではない〉という、「道浦俊彦の平成ことば事情 （読売テレビ）」の指摘はごもっともだと思う。
https://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/0101-0200/0101.html#1
もともと無理がある言い回しなのかも。
『明鏡国語辞典』の〈「天気」をよい天気の意味で使うのと同趣。〉はちょっと疑問。これは現在の放送業界ではNG扱いでは。農作物にとっては適度な雨が必要。したがって、「好天」が「よいお天気」というのは配慮に欠ける……たしかにそうかもしれないが、やや強引な気も。
↑の「道浦俊彦の 平成ことば事情 （読売テレビ）」には下記の記述がある。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始
（追記）
「結果を出す」以外にも、「良い・悪い」の両方があるのに「良い」方だけを意味する言葉がありました。
「天気・評判・噂」です。
「（良い）お天気になればいいね。」「（良い）評判のお店だよ。」「（良い）うわさの外国人選手来日！」など。普通は「良い」を省いて使われますが、基本的に意味は「良い」
がついたものになります。
この他にも多分あるでしょうから、皆さんも見つけたら教えて下さいね。
2000/4/28
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了
「噂・うわさ」は悪い場合もありそうだけどなぁ。「評判」はビミョー。
当方が以前から気になっていたのは「評価する」。当然「悪い評価」もあるのだがなぜか「よい評価」限定で、「もっと評価されるべきだろう」なんて使う。
ここから「評価できる」なんて表現も派生する。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%A9%95%E4%BE%A1/
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用開始
出典：デジタル大辞泉（小学館）
ひょう‐か〔ヒヤウ‐〕【評価】 の解説
［名］(スル)
１ 品物の価格を決めること。また、その価格。ねぶみ。「―額」
２ 事物や人物の、善悪・美醜などの価値を判断して決めること。「外見で人を―する」
３ ある事物や人物について、その意義・価値を認めること。「―できる内容」「仕事ぶりを―する」
４ 「教育評価」の略。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝引用終了
これの「3」の使い方だろう。
ほかの辞書ではどうなってるんでしょうね。
ちょっと似た印象がある気がするのが、「いい意味で予想を裏切る」。
よく考えるとヘンな言葉の気がする。
これが「いい意味で期待を裏切る」（↑のもうダメかもリスト「2-6」）までいくと、「期待を裏切る」のはさすがにダメだろうと思うが、これもけっこう目にするような。
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