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2023年06月03日11:55

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映画「怪物」見ました−ネタバレありますので注意してください!−

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6月2日に公開された是枝裕和監督の映画「怪物」を初日に見てきました。
公開直前に第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したり話題の映画ですがこれについては予告編を見て公開前から見に行こうと思っていました。

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最初に見たチラシがこれです。どんな映画化かあまり情報はありませんでした。

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そして公開が近づくと上のチラシが配布されました。

見た感想はおもしろかったです。ただしいろいろとモヤモヤが残りましたが。
物語は郊外の街の学校でのいじめ事件から始まります。
安藤サクラ演じるシングルマザーの麦野早織は小学生の息子湊の様子がおかしいので問いただすと先生に「お前の脳は豚の脳だ」と言われ暴力を振るわれたと。港を守るため学校に抗議に行くと事なかれ主義で同じことしか言わない校長や教頭たち、そして担任の保利先生は自由気ままな変人っぽい。何度かの広義の末事件は公になり保利は謝罪を行う・・・・

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とここまでは母親目線で描かれ学校の異様さが浮き彫りになるのですが「湊くんは星川依里くんをいじめています!」という保利の叫びに確認をしようとする早織・・依里の体に痣があったり湊の部屋から不審なライターが見つかったりいろいろな事実が出てきます。
チラシにもある予告編で流れる「怪物だーれだ」という子供の声。事件がビルの放火事件という重大事におよびこともあり子供の残虐性みたいなものが感じられ実は湊が怪物なのではないかと思われるのですが私なんかは逆に依里の方が怪物なんじゃないかと思っちゃいました。ほんとこのあたりテイストはホラー映画です。
で、大型台風が近づく中湊が家からいなくなるところで場面は急変します。ここからは保利先生の目線で事件が描かれるのです。最後まで見たらわかるのですがこの時点では回想なのどうなのか時系列的な関係がわかりにくいです。

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保利先生は変わってはいるけども良い先生で子供たちの異変に気付きます。依里がいじめられている形跡がありそれが湊によるものに思えるのです。湊がクラスで暴力をふるったり猫の死骸を隠したしているという証言もありそれを確かめようとする中顔に腕が当たってしまい怪我をさせてしまいます。母親の苦情に校長たちからは謝罪を強制されやがて事件として明るみになり新聞記者に狙われ恋人にも去られ焦燥していきます。
ひとつの事件を見方を変えるとこんなに変わるんだという驚き、母親目線では描かれなかった事実も明かされます。保利が依里の家を訪ねるとそこには息子を「お前の脳は豚の脳だ」とののしる父親が・・・・保利は湊が加害者じゃない事に気づき学校へ謝りに行くのです。

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これで事件が解決するのかと思えばここからがまた急展開。今度は子供たちの視点で事件が描かれるのです・・・っていうかここからは事件の真相を明かしながらボーイズ・ミーツ・ボーイの物語になっているのです。
クラスの同級生たちにからかわれいじめられる依里。彼を好きになり一緒に遊ぶ湊。その場所は山の廃線跡地にある電車の中の秘密基地。ここで彼らが遊んでいるインディアンポーカーのようなゲームの掛け声が「怪物だーれだ」というあの声の正体だったのです。さらに2人の関係は性的指向の問題も含んでいる描写もあるのです。同級生の前では親しくしないでくれという湊。よくあるパターンで同級生たちに言われて依里をいじめたりもしました。それらの中で葛藤して爆発した湊の行為が母親の見た異常な行動の正体だったというわけなのです。
それぞれの目線のラストは嵐の日に湊と依里はこの秘密基地にやってくる、嵐の中母親と保利先生がそれを探しに行くというものでした。で、唐突に山の中光りを浴びながらかけていく湊と依里の姿で映画は締めくくられるのです。
ということで怪物とは何なのかは具体的な答えはありません。事なかれに徹して事件を納めようとする先生たち。特に孫を轢き殺してしまった怪人物として描かれる校長。子供を守るため学校に乗り込んでいく母親。わが子を虐待する父親。その父親の通うガールズバーのあるビルに火をつけた依里。感情を爆発させて暴力をふるう湊。みんながそれぞれ怪物になっているのかもしれません。
まあ私的には最後に嵐の後どうなったのかが気になるところですが、まあこれが監督の描きたかったことなんだとは思うので仕方ないですね。

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パンフレットです。A6版・64Pで990円です。
是枝裕和監督、脚本の坂元裕二氏のインタビューが載っています。是枝監督が自分で脚本を書かないのはひさしぶりであり坂元氏をすごく信頼していることが良く伝わってきます。「お話を”作らない”という事が最終的に最も大事だったと思います。」と言っているようにひとつの事件を多くの視線から描くことによって同じものが違う見え方をするということをまさにうまく見せていたんじゃないかと思います。そういう意味ではいろいろとここで言われていることは伝わってきているので良く出来た映画なんじゃないかとは思います。
母親役の安藤さくらさん、保利先生役の永山瑛太さん、湊役の黒川想矢くん、依里役の柊木陽太くんのインタビューが載っています。他のキャストは校長役は田中裕子さん、依里の父親役は中村獅童さんそして教頭役の東京03の角田がコントの役の様に好演していました。
音楽は先日亡くなられた坂本龍一さんが担当しており映画の最後に追悼の一文がありました。

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