歴史専門家「テレビ番組で『宇喜多直家がカキオコ(牡蠣入りお好み焼き)が好きだったと言ってくれ』と言われたが断った」
https://mona-news.com/archives/89966564.html
番組冒頭「○○が成功したのは●●を食べていたおかげ?」→研究家「◎◎時代には現代の●●の元となる△△があったので、もしかすると○○も食べていたかもしれません。●●に地元食材▲▲を使用すると栄養分豊富なので、○○が成功したのはそのおかげかもしれません」。ヒストリーチャンネルでは、ほぼ毎日見る流れ。
渡邉大門は断ったそうだけれども、その手の仕事でも引き受ける研究家は一定数いるし、それをアテにして雑な番組作りをするテレビマンは山ほどいるのだろうと。
カキオコは備前市のご当地グルメ。備前の戦国大名で有名どころといえば宇喜多直家。渡邉は宇喜多直家・秀家で本を出している人なので、お鉢が回ってきたのだろう。B級グルメブームと歴女ブームが00年代中盤で重なっているので、そういうことではないかなと。
もっとも、カキオコが備前市で食べられるようになったのは、牡蠣が大量に養殖されるようになった1960年代とのこと。お好み焼きも大正から昭和にかけて生まれた食べ物なので、宇喜多直家が食べていたのはさすがに無理がある。千利休の「麩の焼き」をお好み焼きの直接の祖とするのも、すでに否定されている話。
仮に宇喜多直家がカキオコが好物だったとして、そのカキオコをたらふく食べた直家が52歳で亡くなったのに対して、八丈島で雑穀で食いつないでいた秀家が83歳まで生きたのだから、カキオコの健康パワー(笑)にしかならないだろうと。やっぱり無理筋だよなと。
牡蠣と戦国大名といえば、ネットで検索すると「武田信玄は牡蠣が好物だった」という記事がいくつもヒットするのだけれども、根拠や出典にまで言及してある記事は皆無。知恵袋なんかでは「牡蠣ほうとうを売り出すためにでっち上げたのではないか」みたいに言われているし、私もそう思う。
まぁテレビマンからすれば「リップサービスで『好きだったかも』くらい言ってくれてもいいだろう」なのかもしれないけれど、そのリップサービスが独り歩きして歴史を捻じ曲げる可能性もあるわけで、やっぱり適当なことは言うべきではないのだろうと。
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