私の好きな韓国ドラマ〜ヴィンチェンツオ（＆ゴッドファーザー）

このドラマも3回は見ました。面白いです。
司法も警察も政治も悪に手を貸すこの国の国家権力はマフィアそのもの。欲に憑りつかれ、犯罪を見逃し善良な人を虐げる社会になったら、巨悪を前に正義は無力で、無法者こそが巨悪を駆逐する、毒を以て毒を制す、ダークな報復劇がカタルシスを得られます。
弱気を守る非暴力の正義弁護士は暗殺されてしまい、彼の娘は父の甘いやり方に反抗し悪徳弁護士事務所に所属していたものの、父の死をきっかけにイタリアマフィア弁護士と、爆笑ラブコメしながら、マフィア的非合法な方法で報復し、不条理を正すわけです。
必殺仕事人がもっとコミカルな市民権を得ている感じかな。
ちなみに司法と政治は悪徳企業とスブズブでも、ＫＣＩＡ（韓国情報部）はまともに機能してそうでした。「愛の不時着」もそうでしたが、韓国的にはＫＣＩＡは庶民の味方なのかな？

この作品、韓ドラあるある血がぶっ飛ぶグロさでも（血の付いた手を洗わないの〜？！）、、スリリングな展開で、ついつい見続けてしまうのですが、役者さんがとても個性的なのではまりました。
殺人を辞さないダークヒーローはキュートな童顔で、ヒロインが切れ長一重瞼なシャープなセクシー美人。このコントラストが良いのです。
ヒロインの父親正義のホン弁護士が、「梨泰院クラス」の悪役チャンデヒなのがびっくり＠＠；。同じ俳優さんと思えないほど心優しく公明正大で、無償で弱者に尽くす好人物を演じています。
あと女悪役が、「梨泰院クラス」ヒロインイソのお母さん役の人。とても不快な嫌な人物を演じてます。その他梨泰院クラスの小ネタや「愛の不時着」のチョピスや保険会社のお兄さんが出演してたり、弟社長はサイコだけど大丈夫？で躁病患者を好演してたし、韓ドラファンはにんまりする場面が盛りただくさん。
でもでも、私が一番熱狂したのは、ラスボス、悪の権化サイコパスのチャン・ジュヌ。オク・テギョン萌え〜ｖｖいやあイケメンなのにすごいクレージーな演技力！往年のハリソン・フォードやジョニー・デップを彷彿させられます。
でも、若い時に妙に悪役にはまってしまうととダークなイメージがついて回って、その後が心配なのよね。悪役、上手すぎて痛々しい；；
（逆に若い頃、仮面ライダーとかウルトラマンとか正義のヒーローやった役者さんもそのイメージ払しょくするのに苦労するものなんだけど・・・ ）
思い出したのは仮面ライダー５５５の草加。サイコパスを好演したあと、舞台見に行ったら清廉潔白な好青年という役柄だったのですが・・・やはり草加のイメージ、強すぎたのよね〜
おばちゃん、若い才能ある役者さん応援しなきゃ！！ってテギョンのファンクラブ入ろうかと検索したら、心配無用^^;既に大スターでしたーーーー（笑）
それでも気になって「ザ・ゲーム」のＤＶＤ買ってみてます。うん、この人こういう役やると、ハリソンフォードが「ハノーバーストリート」を演じた時を思い出しました（笑）。「ザ・ゲーム」の感想はまた後日。

ヴィンチェンツオのドラマの中では、

登場人物達は「ゴッドファーザー」に憧れてますが、ゴッドファーザーも必殺仕事人と同じで（ヴィンチェンツオとは違い）、まっとうな最期は迎えらないんですけどね。闇組織であるマフィアの宿命を描いていて、そんなに憧れるような人生でもないような・・・・

ゴッドファーザーたる父ドン・コルレオーネは、イタリア移民が米国社会で差別され、米国人によって犯罪被害に遭っても、保安官も裁判所も被害者がイタリア人だと救ってくれない。それどころか、加害者を助ける側という。腐敗した街で、コルレオーネは家族を守るため、悪徳権力者を巧妙に暗殺していきます。
やがて悪徳権力者に虐げられたイタリア移民は彼を崇拝するようになるのでした。
秩序の崩壊した街で、新たな秩序を暴力によって構築して来たという（話に私には見えました。）
ドン・コルレオーネの死後、後継者四男マイケル（アル・パシーノ）は、他のマフィアとの抗争からファミリーを守るため、ダメな親族を次々粛正していくという・・・ 彼の妻は夫がかたぎでないことを知り、離れて行きます。
ここまでが2作目、マイケルは横暴だと思うんだけど・・・かっこいいかなあ？
3作目、金も地位も手に入れたマイケル・コルレオーネは、人から後ろ指差されないクリーンなイメージが欲しくなります。慈善事業に出費し、政界に影響力を持たせ・・・・ （統一教会みたいだ^^;）
しかし、過去の抗争の怨恨から最愛の娘を殺され、マイケルは出身地のイタリアシチリア島で、孤独な最期を迎えます。暗殺で築いた栄光に平凡な幸せは訪れないのです。なので、そんなに憧れるような人生ではないと思うよ。＜クムガプラザの皆さん
権力者に庇護された犯罪者が横行する社会に暴力で秩序をもたらしたことは、一元的に善悪で測れないものがありますが、テロリスト本人に明るい未来はないという点で、因果応報、良く出来た作品だと思います。
翻って、政治が統一教会被害を見逃してきたことで、安倍首相が暗殺されるという事件に、ゴッドファーザーもヴィンチェンツオも示唆するものがある気がします。

話戻って、ヴィンチェンツオ、ツッコミどころ、あのハトの恩返しはないよなあ〜＾＾;。
チャン・ハンソクの私刑、あれはぬるいと思う。ぼこぼこにしてさらし者にした方が（おい）
ハンスンヒョクの最期、太陽の牙ダグラムのラッコクを思い出したよ；