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2023年01月28日04:10

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紅の豚のジェット旅客機を追い越すエンディングはあったのか?

紅の豚に、ジェット旅客機を追い越すエンディングがあり、JAL国際線の機内だけで上映されたという噂がございます。

実際にカーチスが大統領になったバージョンも含め採用されなかったいろいろなバージョンのエンディングの絵コンテがあり、その中に「ポルコがターボプロップ化したサボイヤ飛行艇でジェット旅客機を追い越し、サムズアップして雲の中に消えていくシーン(ただしマスクをしているので豚のままか人間に戻ったかは不明)」の絵コンテは実在しているそうです。

一般的に、この作品に限らず他作品でも最終的に作品になる前に尺に合わせる為とか、疲れたおっさん向けの国際線機内上映のみの予定が映画館でロードショーになり客層が変わったためとか様々な理由でボツになったりしたシーンや、実際に制作されたけど残念ながらカットされたシーンや試写やラッシュで監督がカットしたシーンというものは存在しておりますので、公開されなかったエンディングがあってもおかしくはありません。

ですが・・・。
個人的にはなかったと思います。

公開後30年以上の2023年になっても、未だにディレクターズカット版とか、完全版と銘打ってそのようなエピローグの入った円盤は発売されておりませんし、円盤の特典映像でもそういうシーンはございません。

もし、未公開シーンが収録されたBDが発売されたら、当然売れますよね。
一方で、あまりに古くなってファンが年齢を理由に長時間作品を見る体力がなくなったりでアニメを離れていたら売れなくなりますし、元の作品に思い入れのない新しいファンが未公開シーンがあるというだけで買うとは限りません。
ですから、元の作品に思い入れのあるファンが生きている、あるいは現役で購買力があるうちに売らないと、未公開シーンがあるのにもったいぶって先延ばしにしても意味がありません。
そういう意味では公開後30年経ってもそのようになっていないのは最初からそんなシーンは作っていないからではないでしょうか。

天空の城ラピュタがテレビ放送時に後日談入りのエピローグが放送されたということが都市伝説的に語られていますが実際にはそのようなことはございませんでした。
これと同様に都市伝説なんではないでしょうか。
そのシーンがあるのであれば、劇場公開版に収録されなかったとしても、セル画(当時)や撮影やフィルム等、そのシーンを作るためにアニメーターが働いて撮影して現像所とかいろいろお金はかかっているわけですから、作品としては「そのエンディングがない」のが完成形で監督の意図する所だとしても、前述したような特典映像で公開して少しでも収益に繋げない理由はございません。
だから、ないのでしょう。

自室に収蔵された資料を探したところ製作発表会(作品の場合は本来は制作発表会とすべきですが、原文が製作発表会となっております)の記事で「劇場公開に先駆け、日本航空国際線の機内でも上映される」と書いてあります。
フォト


では、いつごろ公開されたのか。
こちらの記事によりますと、
「劇場公開に先駆けて、7月1日からJALの国際線(B747-400)の東京着便で機内上映される」
「期間は8月31日までの2ヶ月間」
とのことですね。
フォト


つまりJAL国際線の機内で上映されたのは事実です。
B747-400は当時は最新鋭でANAはテクノジャンボ。JALはスカイクルーザーと呼んで鳴り物入りで導入していたんです。B747-400からF/Eが不要になったり、アッパーデッキを延長したらエリアルール的にもいい結果になって巡航性能があがったり、バイパス比の高いRRのエンジンを採用して燃費も向上するとともに、バイバス流に包まれる分騒音が減って、ANAなんかは囁くエンジンとよんで低騒音をアピールしたり。
今は機内のモニターは前の座席の背もたれについていたり小さいのになってしまっていますが、当時のワイドボディの旅客機はギャレーや非常口等の位置に仕切りがいくつか入っていて、真ん中の仕切りに離着陸時の風景がうつされたり安全ビデオが流されたり。水平飛行に入ってからはこのように映画が流されたものでした。
そして肘掛けの横に開いている穴に、聴診器みたいなチューブの先を差し込むと映画の音声(や、落語やジェットストリームや音楽番組やラジオ)が聞こえるというシステムでした。
機内で上映する以上、ソフトはあるはずで、上映のソースにするためのビデオテープ等は存在していたはずなのです。そして上映するための機材をスチュワーデス(当時の名称。現在のCA)やパーサーが案内放送をしたりビデオ上映に切り替えたり何らかの操作をしているはずですから、関わっている人間はいっぱいいるでしょう。それなのに誰一人として証言が全く出てこないのはどうなのか。
機内上映版が劇場上映版と違っていたら、それは話題になるでしょう。

JALさんもソフトはしっかり管理して、著作権的なアレや契約で機内上映期間終了後はテープは回収したり破棄したでしょうからJALさんから映像や動画の流出はないでしょうが、作ったものをジブリさんも持っていないなんてことはないでしょう。
それなのに、最初からなかったかのように全くそのシーンの映像が出てこないんです。
というわけで、最初からなかったと考えるのが自然ではないでしょうか。

岡田斗司夫さんのブログでこの件の記事がございまして。
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51552044.html
「背景もちゃんとあるし、セル仕上げもされている。おそらくは撮影までされている」
と言ってますがどうなんでしょうね。
それであれば前述したような円盤の特典映像にあってもおかしくないですし、公開されていない理由が謎です。
背景があるとしても資料集のために描き下ろししたんじゃないでしょうかねぇ。

ところで、この追い抜くジェット機はB-727ではないのではありませんか?尾翼の下にAPUみたいな小さい排気口はありますが、2番エンジンがないように見えます。
とすると、双発ですからDC-9とかそういうのではないかと。

また、ターボプロップでさすがに音速はでないでしょう。
飛行機本体が音速に達する前にプロペラの先端が飛行機本体との合成速度で先に音速に達し衝撃波を発生し抵抗が極端に増加します。
遷音速抵抗も大きく急激に加速が悪くなりますし、また、飛行機というのは翼の上の気流が翼の下の気流より早いことで揚力を生み出します。あの形状では翼の上の早い気流が先に音速を越えますが、その際に衝撃波で気流が剥がれて衝撃失速という現象を起こして揚力が失われますし、そもそもあの形状で音速を出したら衝撃波で翼やエンジンが吹っ飛びます。そのためにオージー翼だったりデルタ翼だったり。あるいはスターファイターなんかは非常に薄くて短い翼をつけています。
音速の何倍で飛ぶかによって角度が変わってきますが、超音速を出す場合は機首で発生するマッハコーンの内側になるように機体全体を鏃状に収めないともぎ取られます。
ちゃんと計算されている。角度とか。

DC-9でもB-727でも亜音速機であり、マッハ0.8とか0.83くらいで飛びますので。音速を出さなくても追い抜くことは理論的には可能です。
ターボプロップですと、デ・ハビランド・カナダのDHC-8が時速700とか800キロくらい(もちろん亜音速機には追いつきません)。軍用機でいえばTu-95が時速950Km出せると言われておりますからまあ、ギリギリ亜音速機に食いつけないこともないですぅ。
ポルコだったら(あと、フィオのチューンナップや改造の技術で)根性でターボプロップでジェット旅客機を追い抜くことも実現できるかもしれませんね^^

そういう意味で、岡田さんのブログは追い抜く飛行機はB-727じゃないよということと、さすがに超音速は出してないよという2点は気になりますがオタク業界の大御所が言っているだけあって説得力はありますよね。
ただ、俺様は前述してきたように「あるのならなんで(特典映像等で)出さない」と思いますし、結論だけは氏と違った結論に至りました。



追記
ビューティフルドリーマーのカットシーン(コメント欄参照)
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