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2022年12月01日10:49

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『ミセス・ハリス、パリへ行く』感想

〜アメリカの人気作家ポール・ギャリコの長編小説を映画化。1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリスは、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、フランスへドレスを買いに行くことを決意。どうにか資金を集めてパリのディオール本店を訪れたものの、威圧的な支配人コルベールに追い出されそうになってしまう。しかし夢を決して諦めないハリスの姿は会計士アンドレやモデルのナターシャ、シャサーニュ公爵ら、出会った人々の心を動かしていく〜<映画.comさんより>

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予告からして、絶対面白いと確信してましたが、まさか、泣くとは思いませんでした。

主演のレスリー・マンヴィルは同じ1950年代のロンドンが舞台の『ファントム・スレッド』ではオートクチュールの仕立て屋レイノルズ(ダニエル・デイ=ルイス)の姉役で、共に会社を切り盛りする役柄。
で、今作では、オートクチュールのディオールのドレスに憧れる家政婦って言う真逆の役柄。
いや、それなのに、見事、見事で、最高でした!

最初に感動したのが、ハリスが初めてそのドレスを目にして、手に取る場面。
カメラは、ドレスと共に、ハリスの手をアップで撮るんです。
それは、年齢と日々の労働が刻まれている手で・・・。
監督からの声が聞こえるようでした。
「夢をみるのに、年齢は関係ないよね」

そこから、ハリスの生活にハリが出てきます。
「パリに行って、ドレスを買う」という目的が出来たから。

思わぬ年金がもらえたり、かけはぎの仕事を請け負ったり、指輪を拾ったり、ドッグレースをやったり、お金が出たり入ったりしますが、なんとか資金が集まり、パリに行けることになります。

ようやく着いたフランス。
でも、どうやら清掃業者たちがストライキをやってるらしく、パリはゴミだらけ。

ディオールでは、最初こそ’イギリスから来た変なおばさん’扱いだったものの、彼女のドレスへの想い、明るく優しい人柄に、スタッフたちは次第に彼女を応援するように。

公爵と恋?でも勘違い。
でも若き男女の恋のキューピッド役は大成功。

ハリスに敵対心を崩さない支配人のコルベール(イザベル・ユペール)は聞きます。
「何のためにドレスが欲しいの?着ていくところなんてあるの?」
ハリス「夢なのよ」
うわぁああああ〜〜〜。もう、これしかないっていう台詞で、これまた泣きそうに。

コルベールは会社経営に不安を抱えてはいるものの、ずっと貫いてきたやり方は変えたくない。
ハリスがコルベール宅を訪ねると、彼女は質素な家に住み、戦争で怪我を負った夫の看病をしていることを知る。
やがて・・・コルベールも変わり始める。

※予告編
https://youtu.be/1Kkp5zPtw6U

これはもしかして、私の聞き違いかもしれないんですが、ハリスが裁縫室を見せてもらっている場面で、字幕では出てなかったんですが、こういうことを言ってたような。
「It is not sewing(これはもうお裁縫じゃないわ). It is(You areだったかも?)making moonlight(月の光を作ってる)」

会計士アンドレが読むサルトルの「存在と無」
読んで内容を知っていたら、今作も深く味わえる?
(私には一生無理)

終盤、ちょっと、都合良すぎな箇所がちらほら。
・いきなりナターシャが見つかる
・バイにもいきなりダンスの相手役がやってくる

ハリスが、ショーで目の前に次から次へと現れるドレスにうっとり魅了される場面が、たまらなく可愛い。
『メタモルフォーゼの縁側』の宮本信子さんが思い出されたり。

「Blimey! 」「ta ra」等、イギリス英語もバンバン出てきて、楽しきかな。

最後は、素直に泣きました。労働者の勝利!みたいな。
とにかく、レスリー・マンヴィルです。本当に上手いし、大好き光るハート
少しオマケなれど、4.5☆

町山智浩さんの解説も参考になりました人差し指(下)
なんとアンドレはイヴサンローランがモデルだった!?
https://miyearnzzlabo.com/archives/83402

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